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名古屋、浦項に敗れてACL4強ならず、日本勢が姿消す
2021年10月18日
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2021東地区準々決勝が10月17日(日)に韓国の全州で行われ、名古屋グランパスは浦項スティーラーズ(韓国)に0-3で敗れて4強進出はならず、日本勢全チームが今大会から姿を消しました。
日本から出場した4チームで唯一ベスト8まで勝ち進んでいた名古屋は、12年ぶりの準決勝進出をかけて、コロナ禍の影響で一発勝負方式での韓国集中開催に変更された準々決勝の戦いに臨み、グループステージでも対戦していた浦項と対戦しました。
前回2度の対戦では1勝1分と勝ち越していた名古屋でしたが、3度目の今回は、前半の得点機に決めることができず、後半はギアを上げてきた相手に失点を許して苦戦。思うような攻撃を展開できませんでした。
名古屋はグループステージを5勝1分の首位で突破。9月14日(火)にホームで行われたノックアウトステージ1回戦のラウンド16では、大邱FC(韓国)に今夏加入したポーランド代表FWヤクブ・シュビルツォク選手のハットトリックなどで4-2の逆転勝利を挙げて、2009年以来の準々決勝進出を決めていました。
Jリーグでは4位に付け、Jリーグルヴァンカップでも決勝進出という良い流れの中、13日(水)に韓国入りし、入国後のPCR検査と4時間の陸路移動を経て14日(木)から現地で調整。この日の試合では、前半はボールを保持する時間も長く、守備を固める相手に何度か大きな得点機を作りました。
13分にFWマテウス選手が中盤でパスを受けてミドルレンジから強烈なシュートを放ち、32分にはシュビルツォク選手がMF森下龍矢選手の左サイドのマイナスのボールに反応して、右足を振ります。しかし、枠を捉えることができません。
名古屋はこの1分後、さらに大きな決定機を迎えます。シュビルツォク選手がドリブルで持ち上がったマテウス選手からのパスを受けてペナルティエリア左から狙い、シュートがGKの脇を抜けて無人のゴールへ流れます。しかし、猛ダッシュで戻ってきた相手DFがゴールラインでブロック。そのリバウンドに、ゴール前に詰めていたMF稲垣祥選手が反応しましたが、体を投げ出した相手GKに止められました。
相手ゴールに迫りながら0-0で折り返すと、後半に入ると試合の流れが変わります。
名古屋と同じグループを3勝2分1敗の2位で通過し、9月15日(水)のラウンド16ではアウェイでセレッソ大阪に1-0で競り勝った浦項は、日本勢との過去16回の対戦で9勝5分2敗の勝率を維持しています。今季の国内リーグでは7位ながらも、この日の名古屋戦では前半は高い守備意識を見せ、後半は立ち上がりから攻勢に出て名古屋に圧力をかけてきました。
そして53分、右CKからニアサイドで混戦になります。その中で、近い距離からの相手のシュートを名古屋GKランゲラック選手がブロックしますが、そのこぼれ球がゴール前のMFイム・サンヒョプ選手の足元へ流れます。これを33歳左ウィンガーがゴールに押し込んで浦項が先制しました。
名古屋は60分過ぎにFW前田直輝選手、FW相馬勇紀選手を次々とベンチから送り出して反撃を試み、61分には前田選手のFKにシュビルツォク選手が合わせてループシュートでゴールを狙いますが、枠を捉えることができません。
一方、先制点で勢いを得た浦項は70分、MFイ・スンモ選手が名古屋センターバックの間のスペースを突いてパスを受け、DFの裏へ持ち込むと、右足でゴールネットを揺らして浦項がリードを広げました。イ選手はセレッソ大阪戦に続く2戦連続の得点です。
名古屋はその後、FW金崎夢生選手とDF成瀬竣平選手を投入して得点機を探りますが、押し込まれる展開が続き、選手間の距離が開いて互いのサポートが届かず、思うような攻撃を仕掛けることがでません。それでも、後半アディショナルタイムに相馬選手がペナルティエリア左から左足で狙いますが、相手GKに止められます。
名古屋はゴールが遠いまま、浦項は試合終了間際にイム・サンヒョプ選手に2ゴール目となる得点を許して、0-3で敗戦。ラウンド16で姿を消したJリーグ王者の川崎フロンターレとセレッソ大阪、グループステージで敗退したガンバ大阪に続いて、準決勝を前に大会を後にしました。
この日の第2試合では、過去2大会に優勝している全北現代と昨年大会覇者の蔚山現代が対戦し、蔚山が延長3-2で競り勝ち、同会場で20日に行われる準決勝へ進出。東地区準決勝は、浦項と蔚山による韓国勢対決となりました。
なお、リヤドで行われた西地区の準々決勝では、アルヒラルSFC(サウジアラビア)がイランのペルセポリスFCに3-0で、アルナスル(サウジアラビア)がアルワフダFC(UAE)に5-1で勝利。西地区はサウジアラビア勢同士による準決勝となりました。
決勝は11月23日(火)にサウジアラビアで行われる予定です。
監督・選手コメント
マッシモ・フィッカデンティ監督(名古屋グランパス)
前半は素晴らしい内容でしたが、サッカーは点を獲るスポーツです。あれだけ大きな決定的チャンスをモノにできずに前半を終えると、後半同じようにいかないのがサッカーだと教えられる試合になりました。後半、浦項はこの試合初めてのチャンスらしいチャンスに決めて、2点目もそれほど不利な状況ではない中での得点で、我々の選手たちは、どこかしっくりしないまま戦っていたかと思います。タイでの対戦では、こちらが圧倒する試合展開で得点もできて、今日も同様の展開になってもおかしくない試合でしたが、こちらが得点できず、相手が得点して、一瞬で状況が変わるのがサッカーです。十分勝てる内容のゲームができていたので、連戦の疲労などコンディションの問題ではないと思います。痛い敗戦となりましたが、我々にはまだほかの試合があります。選手たちにも試合後のロッカールームで、「我々の強さを証明するチャンスが残っているので、そこへ100%頭を切り替えて、必ず勝って我々の力を証明しよう」と話ました。
DF 中谷進之介選手(名古屋グランパス)
いろんな人の思いを背負って戦いに来ましたが、すごく残念な結果に終わりましたし、この大会に懸けていたので、すごく悔しいです。切り換えるのは難しいですが、来年またこの舞台に立てるように頑張りたいと思います。
キム・ギドン監督(浦項スティーラーズ)
チームを誇りに思いますし、選手、スタッフにおめでとうと言いたいです。タイでの対戦ではこちらに退場者が出た中での0-3という負けでしたが、結果だけが残って、今回は絶対に勝ちたいと思っていました。相手の分析もかなり入念にしましたが、選手たちが素晴らしいメンタリティを発揮してくれました。それがこの勝利という結果につながりました。難しい試合だと言われていましたが、どんなこともあり得ると思っていました。前半15分まではプラン通りでしたが、その後細かいミスが出て相手に支配されるようになったので、後半はポジショニングを修正して臨みました。「先制すればバランスが変わってさらにスペースができる」とハーフタイムに選手たちに言っていたのですが、その通りになりました。日本チーム相手に勝率がいい理由は分かりません。ただ、相手のことは毎回分析していますし、日本チームを相手にすると選手たちの集中力も上がります。相性の良さは今後も維持して良い記録を続けていきたいと思っています。
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