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浦和、槙野の劇的ゴールで8度目V 粘り見せた大分、初制覇へ届かず 天皇杯 JFA 第101回全日本サッカー選手権大会
2021年12月20日
熱戦は劇的な幕切れを迎え、浦和が大会最多に並ぶ8度目の天皇杯制覇を果たしました。大分に2-1で競り勝った決勝で、ヒーローになったのは槙野智章選手です。「お祭り男、エンターテイナーですから。全部、持っていきました」。今季で退団するDFは、興奮を隠せませんでした。
前半6分、右サイドを小泉佳穂選手が突破して粘り、深い位置から関根貴大選手が戻したボールを江坂任選手が右足で冷静に決めて先制しました。我慢強い守備が持ち味の大分は出ばなをくじかれましたが、後半は中盤の陣形を変えて盛り返します。大詰めの後半、90分に下田北斗選手のクロスをペレイラ選手が頭で決めて同点に。準決勝に続き、鳥肌の立つような展開に持ち込みました。
浦和は難しい選択を迫られます。リスク覚悟で勝ち越しを狙うか、延長で立て直すか。83分から出場してキャプテンマークを巻いた槙野選手はGK西川周作選手に耳打ちします。「どうする?」。答えは「マキが最後持っていけ」。その言葉を、残りわずかの時間で見事に実践しました。
後半アディショナルタイム、右CKのクリアボールを柴戸海選手がボレーシュート。槙野選手がヘディングで軌道を変えると、準決勝で王者川崎を破る立役者となった大分のGK高城駿選手もさすがに反応できず、5万7785人の大観衆で埋まった国立競技場が揺れました。
大分での6年間の指揮を終えた片野坂知宏監督は初優勝を逃しましたが「選手はあきらめずにやってくれた」と胸を張り、浦和のロドリゲス監督は「浦和ファミリーに感謝したい」と感慨に浸りました。今季で引退する阿部勇樹主将も賜杯を高々と掲げ、第101回大会が終わりました。
監督・選手コメント
リカルド・ロドリゲス 監督(浦和レッズ)
大分がどのようなシステムで来るのか分からず、我々としては、どこのスペースを突くのか、どう崩すのか、簡単な試合ではありませんでした。ただ、前半はやりたいことが表現でき、相手に決定機を与えなかった。試合の入り方は良く、前半に先制点を取ることができました。そこまでは良かったのですが、後半になるとボールを持ってプレーできませんでした。そこで大分は長身の選手を入れてきたので、我々は後ろに重心を置いてリードを守り切ろうと思いましたが同点に追い付かれました。しかし、選手は自信を持って、臆することなく戦いました。そのリアクションが勝利を呼び込みました。
槙野智章 選手(浦和レッズ)
今、僕の携帯電話は鳴り止みません。「(運を)持っているな」と言われますが、確かに人より運を引き寄せる力はあるのかもしれません。ただ、日頃から、特に今季は契約満了と言われた時から、自分はこのチームでやらなければいけないことを整理して、日々の練習をしてきました。試合ではチームの雰囲気をつくったり、守備固めとして投入されることもありました。時には点を取るために前線にポジションを変えることもありました。練習では100%を出し、練習後は誰よりもシュート練習をしてきた。子どもの頃から点を取りたいという思いを、この歳になっても思い続けることをひたすらやってきた。それが報われたのだと思います。
片野坂知宏 監督(大分トリニータ)
早い時間帯に失点したことが悔やまれます。同点の状況を続け、チャンスを仕留めたい思いがありましたが、浦和の攻撃のつなぎや守備の迫力を前にフィニッシュまで持っていくことができませんでした。ただ、後半は修正ができ、相手陣内でボールを動かすことができました。最後はセットプレーの流れで同点に追い付くところまでいったのですが、終了間際に浦和に上回られ、悔しい敗戦になりました。試合内容としては、入り方こそ良くなかったですが、相手を管理して、時間が経つごとに我々らしい攻撃もできましたが、結果につながらなかったことが残念です。
ペレイラ 選手(大分トリニータ)
率直に悔しいです。終盤に追い付きましたが、その後に追加点を奪われました。気持ちの整理はまだ難しいですが、我々が1年でJ1に復帰するために生かすことができればと思います。個人としては今季初ゴールが遅くなってしまったこと、その得点が勝利につながらなかったことは残念です。今季は試合に出られない時期が続きましたが、徐々に環境やチームに適応できました。リーグ戦はJ2に降格してしまいましたが、天皇杯では決勝まで進出し、我々らしいサッカーができました。サポーターはピッチの中でも外でも励ましの言葉を掛けてくれました。本当にうれしかったです。
【1回戦】5月22日(土)、23日(日)[予備日:5月24日(月)]
【2回戦】6月9日(水)、16日(水)
【3回戦】7月7日(水)[予備日:7月14日(水)]
【ラウンド16(4回戦)】8月18日(水)[予備日:10月13日(水)]
【準々決勝】10月27日(水)[予備日:11月17日(水)]
【準決勝】2021年12月12日(日)
【決勝】2021年12月19日(日)
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