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JFA女子サッカーデー パネルディスカッションを実施
2022年04月01日
日本サッカー協会(JFA)は3月30日、JFA女子サッカーデー事業の一環として「好きを諦めない。中学女子サッカーの部活動を考える」と題したパネルディスカッションをオンラインで実施しました。
日本の女子サッカーが抱える問題として、中学生年代において女子選手がプレーできる環境が少なく、13歳から15歳の競技人口が著しく減少するという事例がありました。ところが最近の調査では、JFAに登録しておらず、中学校のサッカー部に所属して競技を続けている女子選手が多くいることが分かりました。
進行役を務めた影山雅永JFA技術委員会ユース育成ダイレクターは、JFA登録者2,134名に対して日本中学校体育連盟(中体連)登録者が5,551名おり、その差となる3,417名がJFAに登録しない状態で中体連のチームでプレーしている、というデータを紹介しつつ「それほど悲観する状況ではないのではないかと最近分かってきた。中体連に登録してプレーを続けている選手が増えてきているのはポジティブな要素であり、喜ばしいこと」と言います。
中学生年代の女子選手の受け皿となっている中体連側も、さまざまな取り組みをしています。パネリストとして参加した神奈川県中体連サッカー専門部副部長の熊谷健太郎さんによると、神奈川県では横浜市や横須賀市などブロックごとで学校の枠を越えた選抜活動を行っており、女子選手に関しても月1回を上回るペースで合同練習やブロック同士の対抗戦などを行っているそうです。
また、石川県中学校体育連盟サッカー競技専門委員長の山本悠祐さんは、中体連に所属する女子選手だけでなく、高校の女子サッカー部や女子フットサルチームと一緒に行う合同トレ―ニングの取り組みを2021年度にスタートさせたことを紹介しました。いずれも、中学サッカー部に所属する女子選手にプレーする場を提供し、横方向、縦方向のつながりを深めるための取り組みです。
小学生年代の女子選手にとって重要な選択肢の一つになる中学サッカー部。熊谷さんは「学校内での活動なので更衣の場所にも困らないし、目の前にグラウンドがあるので放課後すぐに部活動ができて、帰宅後に食事をして、勉強時間や家族との団らんの時間も取れる。そうやって24時間をデザインする能力を育めることや、安全面の部分が部活動の良さ」と利点を語り、山本さんは「サッカー部に入りたいけどどうすればいいか分からない、入れるかどうか分からないという子に対して情報発信をしていかなければならないし、その方法を考えなければならない」と今後の課題を語りました。
JFA SDGs推進メンバーならびにWEリーグ理事でもある播戸竜二さんは現場のリアルな話に驚きながら「ボールを蹴り、サッカーに触れ合うことで、サッカーファミリーの一員になる。そうなることで、みんなで大きなことにチャレンジすることもできると思うので、そういうメンバーを増やしていくことが大事」と感想を述べました。
予定されていた90分間はあっという間に過ぎ、中学女子選手のプレー環境のさらなる改善に向けて非常に有意義なパネルディスカッションとなりました。
コメント
影山雅永 JFA技術委員会ユース育成ダイレクター
全ての方々がサッカーに取り組みやすくなり、それぞれの立場で垣根を越えてサッカーを思い切り楽しむことができる、そんな日本になることが、2005年宣言で掲げたFIFAワールドカップ優勝への道筋になると思いますし、サッカーで幸せになれる国に近づいていくと思います。
播戸竜二 JFA SDGs推進メンバー/WEリーグ理事
熊谷さん、山本さんのお話をお聞きして、女子のサッカー人口がどんどん増えていくのではないかと期待が持てました。増やしていくための活動を自分もしていきたいですし、増えたことによってサッカーファミリー全体が盛り上がっていく、そんな世界が見えました。
熊谷健太郎 神奈川県中体連サッカー専門部副部長
子どもたちが放課後グラウンドに集まってボールを蹴ることで一緒に成長し、教室でも違う側面での成長を見せてくれることが部活動の良さだと思います。子どもたちの夢をアシストするために、教員同士で手を組んでいくことが大切です。先生方にはその仲間になってほしいですし、選手の皆さんも安心して学校の部活動に入ってほしいです。
山本悠祐 石川県中学校体育連盟サッカー競技専門委員長
情報発信する機会が少しでも増えて、今まで知らなかったこと、難しいと思っていたことのハードルが下がっていけばいいなと思っています。指導者の方が「こうしたい」と思っていることを発信すれば点が線になり、輪になっていくと思うので、考えていることを多くの方に伝えるための場が増えていってほしいですね。
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