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なでしこジャパン候補トレーニングキャンプ4日目、練習試合でコンセプトの浸透を確認
2022年04月08日
福島県・Jヴィレッジでトレーニングキャンプを行うなでしこジャパンは4月7日(木)、今回の合宿で初めてとなる練習試合を行いました。国際試合で対面する高いフィジカル能力を持った相手を想定し、男子高校生と組まれたこの日の練習試合は30分×3本で実施され、前日までの3日間で積み重ねたトレーニングの成果を確認する機会となりました。
AFC女子アジアカップでプレーした選手が多く出場した1本目は、序盤からなでしこジャパンがボールを保持するも、先制点は相手に許します。9分、自陣中央で最終ラインからのビルドアップにミスが出ると、そこからボールを奪われペナルティエリアにドリブルで進入を許し、シュートを放たれ失点。立ち上がりにビハインドを背負う戦いになります。それでも15分、中盤でボールを受けた成宮唯選手が右サイドを駆け上がる清水梨紗選手にパスを送るとそこから中央にクロス。これに反応した猶本光選手がドリブルから左足でシュートを放つも、相手GKにキャッチされます。その後も南萌華選手のロングフィードに成宮選手が抜け出し、GKをかわして右足でシュートを放つもこれはサイドネットの外。また28分にはバイタルエリアで植木理子選手、田中美南選手とつなぎ、落としたボールに猶本選手が走り込み左足でミドルシュートを放ちますが、これはバーを叩き得点にならず。様々な形からチャンスを作るなでしこジャパンですが、なかなかゴールを奪うことができません。このまま相手の1点リードで終了するかと思われましたが、アディショナルタイムにスコアが動きます。今回なでしこジャパントレーニングキャンプ初選出となった千葉玲海菜選手が左サイド深くに進入しクロスを上げると、ニアに植木選手が飛び込みダイビングヘッド。これが決まり1対1、スコアを振り出しに戻し1本目を終えます。
5選手を替えてスタートした2本目は拮抗した展開となりますが、21分になでしこジャパンが得点を挙げます。前日に長い時間をかけて取り組んだセットプレー、相手陣地左サイドのFKを猶本選手がゴール前に送ると、中央で清家貴子選手が競り合いボールはファーサイドへ。これを乗松瑠華選手が折り返すとボールは再び清家選手のもとへ戻り、再び頭で押し込みゴール、なでしこジャパンが逆転に成功します。その後も清家選手は右サイドを精力的にアップダウンし、攻守にわたってあらゆる場面で顔を出します。また1本目は左サイドハーフ、2本目はセンターフォワードで出場した千葉選手も前線で精力的にボールに関わるなど、新たに招集された選手たちもそれぞれの持ち味を発揮しながらアピールを続けました。
1点のリードで迎えた3本目にも、セットプレーから得点が生まれます。6分、左コーナーキックを隅田凜選手が蹴り入れると、ニアでバウンドしたボールがファーサイドまで流れ、走り込んだ松原有沙選手がヘディングシュート。これが決まり3対1に。その後、スコアは動かず試合終了し、なでしこジャパンが勝利を収めました。
フィジカルで優る相手に素早いカウンターを受けるシーンはあったものの、ゴール前で身体を張り複数失点は許さず、また攻撃においてもビルドアップからの崩しやボール奪取から素早く攻めに転じるシーンが見られるなど、所々でチームの狙いとする場面を見ることができました。
トレーニングキャンプも残すところ3日。ここから再び、この日の試合で出た修正点に取り組み、最終日に予定されている2試合目の練習試合に向け、さらなる成長を図ります。
選手コメント
DF 佐々木繭 選手(三菱重工浦和レッズレディース)
5年ぶりの代表選出なので、コツコツやってきてよかったなと思いました。(この5年間は)しっかり自分のプレーを理解して、長所を出せるように準備を早くしたりとか、映像を見てポジションニングを振り返って考えたり、そういうことを結構細かくやっていました。周りを生かすプレーをどんどんしていきたいので、みんなの特長をしっかりつかんでいきたいと思います。代表活動は久しぶりなので、全員からいい刺激をもらっていますし、オフザピッチの面でもフィジカルコーチから身体のほぐし方などを教えてもらって、ずっといい刺激をもらいながら続けてられています。
(同じサイドバックの北川ひかる選手と)昨日練習後ランニングをしながら少し話しましたが、お互い右利きの左サイドバック、左利きの左サイドバックとして良いところ悪いところがあると思いますが、リスペクトしながらひかるも私のプレーを見てくれているようですし、私もひかるの突破や良いクロスを参考にしているので、ライバルというよりはお互いに高めあっていける仲なのかなと思っています。
攻撃の部分ではいつも通りしっかり繋いで、良い流れを作れるようにプレーしたいですし、守備の部分でもしっかり球際で戦うところや周りと連係してしっかり奪い切るところは見せていきたいです。チームのコンセプトが「奪う」なので、個としても奪えるようにやっていきたいと思います。
DF 清水梨紗 選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
今日の練習試合は、90分のトータルスコアで相手に勝つということができたので、そこはすごく良かったですし、全体的に前に行くという姿勢は見せられたと思います。スピードや体格面で海外の選手に近いものを持っている男子高校生を相手に狙いを持ってプレーできた試合だったので、チームとしてもプラスになったと思います。ただその中で、守備のところでは進入された時に誰をボールに対して出すのか、だったり、攻撃ではもう少し3人目の関わりの意識を全員で持たないといけないと思います。新しい選手もいる中でまだ練習している最中ですし、ここから精度を上げていければと思います。
AFC女子アジアカップに出場した選手と新しい選手が半々で、難しい部分はありますが、その中でみんなの意識は少しずつ合わせられてきていると思います。このトレーニングキャンプのあとにも遠征などがあるので、全員がチームコンセプトを頭に入れていくことが大事ですし、自分は去年の10月から継続して選んでいただいているので、周りにも色々伝えながら、そして自分も新しいことを学びながらやっていければと思います。
MF 塩越柚歩 選手(三菱重工浦和レッズレディース)
(東京オリンピック以来の招集だが)自分の中でオリンピックはすごく前だなという感じがして、そこから代表活動はありましたが自分は呼ばれていない状況で新体制が始まったので、新たな気持ちでいます。
アグレッシブに戦ってゴールを奪う、勝利を奪う、という言葉はよくミーティングでも出てきて、その通りにみんな練習中から守備ですごくアグレッシブに動きますし、そこから良い攻撃につなげようというのがコンセプトであるので、そこは意識しています。AFC女子アジアカップを戦ったメンバーがチームを引っ張ってくれているので、それに対して自分も合わせてやっていかなければいけないですし、それ以上のものを出していかなければと思っています。DFやGKだけではなく、前線からの守備が大事なので、自分はサイドハーフをやることが多いですが、サイドハーフからどんどんコースを限定したり、自分で取り切れなくても後ろがその限定のおかげで取れるようなシーンを増やしていければと思います。
まずチームとしてやるサッカーを自分自身が理解して、それを実践していくために自分の中で整理しなければいけないと思っています。周りの特長を理解しながら自分のプレーの特長も周りの選手に理解してもらい、自分自身の良さを出して良いプレーにつなげられればと思いますし、そうすればチームの流れも作れると思っています。
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