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横浜FMと神戸がグループ1位、浦和は2位でACL16強進出も川崎は敗退
2022年05月02日
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022東地区グループステージ最終節が4月30日(土)、5月1日(日)に各地で行われ、横浜F・マリノスとヴィッセル神戸はそれぞれ引き分けで勝点1を加えてグループ1位で16強に進出。すでに突破が決まっていた浦和レッズも快勝で2位通過が決定しましたが、川崎フロンターレは最終戦で勝利を挙げながらも、他グループの結果によりグループステージでの敗退となりました。
ベトナムのホーチミン・シティで行われたグループHでは、首位の横浜FMが勝点1差で2位の全北現代モータース(韓国)と対戦。引き分け以上で1位突破が決まる一方、負ければ2位の中での上位3チーム入りに他グループとの争いとなる難しい状況でした。
今大会の2位枠争いは、3チーム編成のグループJとの公平性を考慮して、各グループ4位との対戦成績が無効となるため、横浜FMも得点をした上での1点差以外の黒星ではスコア次第で突破を逃す可能性がありました。
横浜FMは良いスタートを切ります。試合開始4分、MF藤田譲瑠チマ選手のパスを受けたFWアンデルソン・ロペス選手が冷静に左足で決めて先制しました。ロペス選手は今大会出場3戦目で、第4節のシドニーFC(オーストラリア)戦に続いての得点です。
この試合前に行われたもう一試合でホアンアイン・ザライ(ベトナム)がシドニーに1-0で勝利をした関係で、2位枠での出場が確定していた全北でしたが、1位突破を目指して反撃。前半11分に、Jクラブでのプレー経験も豊富なMFキム・ボギョン選手が左クロスを右ボレーで捉えて同点としました。
横浜FMはその後もFW西村拓真選手やロペス選手が決定機を作り、相手ゴールを脅かしますが、相手GKの好セーブもあり、ゴールを割れません。
後半に入って次々と選手交代を行って攻勢に出る全北に、横浜FMも60分過ぎにMF水沼宏太選手、FW仲川輝人選手、MF山根陸選手らを一気に投入。さらに、FWマルコス・ジュニオール選手、DF永戸勝也選手を送り出して、試合を安定させながら勝機を探ります。
粘る全北に、横浜FMはボールポゼッションで相手の38%に対して62%、シュート数でも相手の9本に対して17本と上回り、2点目は奪えなかったものの1-1で終了。必要とされた勝点1を加えて勝点を13とし、1位でグループステージを終えました。
横浜FMのケビン・マスカット監督は「相手が引いて崩すのが難しいなか、選手たちは自分たちがやっていているアタッキングサッカーを表現しようと、よくやってくれた。気候など環境が異なるなかで、選手たちは大会中に日々成長を続けて、素晴らしいサッカーを見せてくれたと思う」と話しました。
川崎、勝利で2位に入るも敗退
グループIの川崎は30日(土)、マレーシアのジョホール・バルで広州FC(中国)と対戦。FW知念慶選手のゴールで1-0の勝利を挙げて2位に順位を上げましたが、5グループの2位の中で上位3チームに入ることができず、グループステージ敗退となりました。
川崎は前節の蔚山現代(韓国)戦を落として首位から3位に後退して自力での首位突破が消滅しましたが、最終戦で広州に勝ち、勝点10で並ぶ地元のジョホール・ダルル・タクジムと蔚山の両者が引き分けであれば1位突破が可能でした。
2位の場合には、3チーム編成のグループJとの公平性を考慮して4位との対戦成績を無効として5グループでの上位3チームが決まります。
川崎が1-0で広州戦を終えた直後、別会場で行われたもう一試合で後半アディショナルタイムに地元ジョホールが蔚山のオウンゴールで2-1の勝利を収め、1位での突破が決定。2位通過の可能性を願う川崎は他グループの結果を待つことになりましたが、グループGでBGパトゥム・ユナイテッド(タイ)が全南ドラゴンズ(韓国)と引き分けたため、2位枠争いでも敗退。4位となった広州との対戦成績を除くと勝点が5の川崎は他グループ2位の勝点6には及びませんでした。
最終戦で先発を大きく入れ替えた顔ぶれで臨んだ川崎は、前半14分にFW小林悠選手のパスに反応した知念選手が反転して相手DFのマークを外し、ペナルティエリアに切れ込んで右足で先制。その後も何度か決定機で相手ゴールを脅かしましたが、相手GKの好守に阻まれて追加点はなりませんでした。
それでも必要だった勝利は手にしましたが、3勝2分1敗で勝点11。1位のジョホールは勝点13(4勝1分1敗)でした。
川崎の鬼木達監督は、「自分たちのやれることはすべてやったが、1位を目指していた中での2位で、すごく残念」と話し、「いろいろなレギュレーションのある中で1位にならないと突破は難しいと思っていた。自分の力不足を感じている」と肩を落としました。
知念選手は、「1試合1試合が厳しい試合だった。チームとして総力戦でできる限りのことは尽くしたが、悔しい結果になった。この悔しさはJリーグで晴らしたい」と話しました。
神戸は復帰のFW武藤選手が得点
すでに2位以内での突破を決めていたグループJの神戸は5月1日(日)、タイのブリーラムで傑志(香港)と対戦。負傷で戦列を離れていたFW武藤嘉紀選手が途中出場し、復帰戦でゴールを決めるなど2度のリードを奪い、2-2で引き分けながらも、最後まで首位の座を譲りませんでした。
3チーム編成で前節試合のなかった神戸は、引き分け以上で1位突破が決まる最終戦を中5日で迎えて、これまで出場機会があまり多くなかった選手を中心に臨み、初の16強進出に勝点1を求める傑志と対戦。ボールを保持しながらも、思うような攻撃の形を作れずに攻めあぐねますが、前半44分にFWリンコン選手が自ら獲得したPKを決めて先制します。
しかし、アグレッシブに挑む傑志も前半アディショナルタイムに神戸DFのハンドを誘って得たPKを、FWデヤン・ダムヤノビッチ選手が決めて同点とします。
神戸は後半、選手交代を活かして選手の配置を変え、さらに64分にはFW大迫勇也選手、MF郷家友太選手、武藤選手を送り出して攻め手を増やし、87分に右CKに武藤選手が頭で合わせて均衡を破ります。
ところが、初のグループステージ突破をかけた傑志も粘り、後半アディショナルタイムに得たCKにMFラウル・バエナ選手が合わせて再び同点。バエナ選手は終了間際に2枚目の警告で退場となりますが、試合はドローで終了となり、傑志は他グループとの比較で2位枠の1つを手にして、神戸とともに16強入りとなりました。
武藤選手は復帰戦での得点に、「長い間チームに迷惑をかけてしまったのでしっかりゴールを獲ろうと思っていた。ゴールは獲れたが勝ち切れずに悔しい。少しこちらが受けてしまったところがあったかと思う」と話しました。
神戸のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督は、グループステージを振り返って「勝ち抜くに値するプレーはできたが、次のラウンドには競争力のあるチームが揃う。自分たちももっと競争力を上げていかなければならない」と次を見据えていました。
浦和、2戦連続の快勝で2位通過
すでに2位以内での16強進出を確定している浦和は30日(土)、タイのブリーラムで山東泰山(中国)と対戦。MF松尾佑介選手とDF知念哲矢選手が2ゴールずつを決めるなどで5-0と快勝し、3試合連続完封となる4勝目を挙げてグループステージを終えました。
大邱FC(韓国)とライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール)の結果次第で1位突破の可能性もあった浦和ですが、大邱が2-1で勝利して浦和と同じ4勝1分1敗の勝点13とし、直接対決の成績で浦和を上回って1位となりました。
浦和は前節の先発から9人を入れ替えてスタート。これまで出場機会の少なかった選手中心で臨み、終始攻勢を維持。MF安居海渡選手が相手ボールを奪って持ち込み先制すると、34分には安居選手と同じく4試合ぶりに先発した知念選手、さらに前半終了間際には松尾選手が決めて3-0とします。
後半は途中から突然のスコールに見舞われながらも攻め手を緩めることはなく、69分に松尾選手が再びゴールネットを揺らして2戦連続2得点をマーク。85分には知念選手がCKからMF岩尾憲選手のシュートのリバウンドを押し込みました。
浦和のリカルド・ロドリゲス監督は、「この大会がチームの成長につながった。なにより、引いて守る相手をどう攻略するかを学んだ」と振り返り、今大会で5得点を決めた松尾選手は、「突破にはゴール数も必要だったので、少しでもチームの力になれたかと思う。日本に戻っても結果を出し続けられるように頑張りたい」と語りました。
ラウンド16の組み合わせが決定
これで東地区の16強進出チームが出揃い、U-23 日本代表も率いた手倉森誠監督が率いるパトゥムをはじめ、大邱、横浜FM、ジョホール、神戸が各グループ1位で駒を進め、浦和、全北、傑志が2位枠で突破となりました。
東地区ノックアウトステージは8月にラウンド16から準決勝まで一戦必勝方式で行われ、8月18日(木)、19日(金)に行われるラウンド16の組み合わせも決定。大邱と全北現代は韓国チーム同士の顔合わせとなり、パトゥムは傑志、浦和はジョホールと対戦し、横浜FMは神戸と戦うことになりました。試合開催地は追って発表されます。
準々決勝は8月22日(月)、準決勝は25日(木)に行われ、決勝は来年2月19日(西地区)、26日(東地区)にホーム・アンド・アウェイ方式で開催の予定です。なお、西地区のノックアウトステージは来年2月3~10日に行われます。
監督・選手コメント
ケビン・マスカット 監督(横浜F・マリノス)
ピッチコンディションも難しいなかで簡単な試合ではなかったですが、選手たちは自分たちがやってきているアタッキングサッカーを表現しようとしてくれて、よくやってくれたと思います。相手の守備も低くて崩すのが難しい状況でしたが、たくさんのチャンスを作りました。今大会は過密日程で簡単ではないと思っていましたし、選手がベストのコンディションでやれることを頭に、コーチングスタッフとともに、選手のリカバリーをしっかりさせて次の試合に立てるように努力してきました。気候や環境も違いましたが、その中でも選手たちは日々成長を続けて、ピッチでしっかりとマリノスのサッカーを表現してくれました。みんなを称えたいと思います。
FW アンデルソン・ロペス 選手(横浜F・マリノス)
過密日程で外国人枠もあるなかで、監督がベストな選手を選んだと思います。選手としてはどの試合にも出たいという気持ちはありますが、チーム全体ですごくいい準備をしてベトナムに入ることができたと思います。得点場面はチームでプレスをかけたことで得点につながったと思います。このプレスは自分たちが日々練習している形です。それが得点になってすごく良かったですし、チーム全体でいい仕事をしたと、すべての試合を振り返って思います。
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