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【Match Report】U-21日本代表 大会初戦のUAE戦に2-1で勝利
2022年06月04日
AFC U23アジアカップウズベキスタン2022のグループD第1節が現地時間3日(金)にパフタコールスタジアムにて行われ、U-21日本代表はアラブ首長国連邦(UAE)と対戦しました。
2年後の第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)を目指しているU-21日本代表は、大会の年齢制限より2歳年少のチームでの参加となりましたが、大岩剛監督は「良い経験をしに来たわけではありません。優勝を狙います」と明言。勝負にこだわった上で、チームとしての成長も掴み取りたい考えで大会に臨みます。
初戦のスターティングメンバーにはGKに鈴木彩艶選手(浦和レッズ)、DFは右から内野貴史選手(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)、鈴木海音選手(栃木SC)、チェイスアンリ選手(VfBシュトゥットガルト)、加藤聖選手(V・ファーレン長崎)が並び、中盤に松岡大起選手(清水エスパルス)、藤田譲瑠チマ選手(横浜F・マリノス)、鈴木唯人選手(清水エスパルス)を配置。そして前線に斉藤光毅選手(ロンメルSK)、山田楓喜選手(京都サンガF.C.)、細谷真大選手(柏レイソル)が入りました。
試合は序盤から難しい流れとなります。1日遅れての合流となった藤田選手が「(体は)キツかったし、海外から合流してきた選手たちは試合勘が鈍っていたかもしれない」と語り、大岩監督が「コンディションにバラ付きがあったのは事実」と振り返ったように、思うように体が動かない選手もいる中で互いの意図するプレーが合わないシーンが見られました。また「UAEの体の強さであったり、局面のスピードに面食らった部分もあった」と大岩監督が振り返ったように、「映像で観る以上だった」(藤田選手)というUAEの選手たちのスピードやパワーにも苦しみます。
加えて「観ている人には分かりづらかったと思いますが、中でやっていた選手からすると、かなり芝が深くて撒いた水もすぐに引いて(ボールが)転がらない状態だった。ピッチコンディションも合わせながら、(選手間の)距離感も変えるように話し合って対応した」(松岡選手)と、本来企図していたビルドアップではない形も含めて現実的に対応しつつ、やや劣勢の前半を0-0で折り返します。
ハーフタイムを挟んで戦術的な修正も行った日本は、後半から本格的な反撃を開始し、61分には待望の先制点を挙げます。内野選手が入れたパスを相手DFがクリアし切れず、こぼれ球を拾った鈴木唯人選手が冷静に相手選手をかわしてシュートを沈め、1-0とリードを奪います。
ところがこの直後、痛恨の失点。相手のFKからFWヤセル・ハッサン・アルブローシ選手に豪快なシュートを叩き込まれて同点に追い付かれてしまいます。その後も70分にPKのピンチを迎える厳しい流れとなりますが、ここはGK鈴木彩艶選手が見事にセーブ。「本当にビッグプレーだった」と大岩監督も振り返れば、ここで連続失点しなかったことで「日本に波が来た」と細谷選手も話します。
そして後半31分でした。センターバックの鈴木海音選手から始まったビルドアップで、内野選手、そして途中出場のFW藤尾翔太選手(徳島ヴォルティス)と繋がったボールを、藤尾選手が中央へと折り返します。これに高い打点のヘディングで合わせたのが細谷選手。豪快な一撃がゴールネットを揺らし、日本が再び勝ち越しに成功します。
その後はUAEの猛攻を守備陣中心に耐え切った日本が2-1で勝利。大岩監督は「もっとレベルアップしてもっと早く試合にアジャストできるようになりたい」と戒めつつ、「鈴木彩艶選手のセーブを含め、90分のすべてが繋がった結果だった」と苦しい展開で勝利をもぎ取った選手たちを労いました。
監督・選手コメント
大岩剛 監督
初戦ということで試合の入り方に注意していましたが、UAEの体の強さであったり、局面のスピードに面食らった部分があったと思います。前半の最初にプランしていた形がうまくいかなかった中で、後半からビルドアップの形も変えて、多少は良くなったと思います。我々の感じたことと選手が感じた前半の認識が一緒でしたので、後半はやることを明確にできました。ただ、次の試合では前半のうちからできるようにしたいと思います。
GK #12 鈴木彩艶 選手(浦和レッズ)
なかなかマイボールを攻撃に繋げられなかったり、後半の失点場面についても映像であらためて確認して検証したいと思いますが、ディフェンスラインとのコミュニケーションであったり、自分が出るか出ないかの判断に課題があったのではないかと感じています。失点したあとのマインドの持ち方は適切にやれたと思いますし、PKを止められたのは嬉しかったです。ただ、自分としては課題のほうが多い試合だったと感じています。
MF #8 藤田譲瑠チマ 選手(横浜F・マリノス)
試合の入りは難しいものがありましたし、90分通してうまくいかない時間のほうが多かったと思います。もどかしい気持ちもありましたが、チームとして戦うことができていたからこそ良い結果になったと思うし、まず初戦は勝てたのがすごく大きいと感じています。失点場面はコミュニケーションミスだと思うので改善したいですし、勝ちながら修正できるのは自分たちにとって大きいと思います。
FW #11 細谷真大 選手(柏レイソル)
PKになったときも『鈴木彩艶選手なら絶対に止めてくれる』と思っていたので、慌てることはありませんでした。藤尾選手がフリーになってボールを持っていたので『絶対に出してくれる』と思っていたので、あとは決めるための準備をしていました。クロスからのシュートについては柏でもやっていく中で意識して取り組んできた部分なので、代表でもヘディングで点を取れたのは良かったです。
AFC U23アジアカップ ウズベキスタン2022
大会期間:2022/6/1(水)~2022/6/19(日)