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47FAチーフインストラクター研修会を高円宮記念JFA夢フィールドで開催
2022年06月15日
6月4日(土)、5日(日)の2日間、高円宮記念JFA夢フィールドにて47FAチーフインストラクター研修会を開催しました。
この研修会は、各都道府県サッカー協会(FA)の指導者養成講習会で講師を務めるインストラクターのまとめ役である47FAチーフインストラクターが一堂に集まり、各FAでの課題や取り組みなどを共有し、共通認識を持ちながら指導者養成の将来を考えることを目的に、年に1回開催されてきました。2020年度はコロナ禍で中止、2021年度はオンライン形式での開催であったため、今回は3年ぶりに集合形式での開催となりました。
初日は、D級、C級、B級のそれぞれの振り返り、またリフレッシュ研修会の計4つのモジュールに分けて、参加者のディスカッションを中心に進行。事前課題で集めた各FAからの意見などをまとめながら、各ライセンスの目的などをあらためて確認するとともに、それぞれのFAが抱えている課題や気付き、好事例を共有していきました。
また夕方にはスペシャルプログラムとして、同時期に活動中のSAMURAI BLUE(日本代表)のトレーニングを視察。キリンチャレンジカップ2022・ブラジル代表戦(6月6日)に向けて準備を行うSAMURAI BLUEの姿を確認できる、またとない機会となりました。
2日目は、「JFAからの報告」と題した講義からスタート。まずはJFAリスペクト・フェアプレー委員会から、「子どもたちの明るい未来のために」というテーマの下で取り組むべきセーフガーディングの考え方を共有しました。そして、各FA内でのセーフガーディングワークショップの開催、セーフガーディングポリシーを浸透させるための講師(人材)の養成などの要望が伝えられました。
続いてJFA技術委員会の普及部会からは、「小学校体育サポート研修会」や「障がい者サッカーコース」の概要を紹介。小学校体育サポート研修会は、サッカーとの接点が薄かった小学校教員らにアプローチできるものであり、これらをぜひ各FAでも実施してほしい旨などが伝達されました。
そのほか、サッカーのプレーの原則や、アジアサッカー連盟(AFC)からの指導者養成の情報を報告しました。
2日目の最後は、「指導者養成の将来像」をテーマに2つのモジュールに分けて講義とディスカッションを実施しました。前半部分では、指導者養成講習会が今後目指していく姿として、「双方向の学習環境」「リアリティーベース」という柱となる考え方を共有。これまでの知識伝達スタイルから、問題解決スタイルへと変わっていくべきだという前提で、どのような人材が必要であり、その人材をどのように発掘・育成していくか、またどのような研修会が必要かというポイントで議論を深めていきました。
後半は、ライセンス体系について、B級からA級への推薦の仕組みや、D級・C級の受講年齢の引き下げなど、今後に向けて「こうした方が良いのでは」という意見を積極的に出していただきました。
以上で2日間の研修会は終了。「子どもたちが日本のどこでサッカーを始めても質の高い有資格指導者に巡り合える」というキーワードの下で、参加者の熱意が感じられる有意義な研修会となりました。
ダイレクターコメント
西川誠太 JFA指導者養成ダイレクター
今回の研修会は対面集合形式で行えました。夢フィールドで集まれたメリットを最大限活かしながら、ディスカッション中心に研修を行いました。これまでオンラインで伝達することが多かったためか、やはり対面で会って確認し合うことの重要さを実感しました。ディスカッションは、チーフの皆さんのFAをよくしたいという情熱に溢れていました。また、指導者養成の目指す将来像についてチーフの皆さんと語らい、さらに良くするためのアイデアを共有できたことは大きな成果だったと感じています。
より良い講習会やリフレッシュ研修会を行うためには、インストラクターのクオリティを高めることが必要不可欠です。これからもJFAとFAが協力して情報を共有し、実際の現場で起きている課題に即してインストラクターの研修を行っていきたいと思います。全ては指導者、選手の笑顔に還元されることを願っています。最後に、チームや職場など様々なことを調整しながら指導者養成事業に携わっていただき、ご協力いただいている皆様に心から感謝申し上げます。
参加者コメント
中村博一 さん(長野県FAチーフインストラクター)
3年ぶりに集合しての47FAチーフインストラクター研修会となり、改めて直接顔を合わせて情報交換ができる良さを実感しながらの研修会となりました。2日間のプログラムやディスカッションでは、JFA、そして、各FAの指導者養成事業の取り組みについて様々な情報をいただき、自身のFAで活動を検討していく参考となりました。また、コロナ禍で様々な活動が変化した近年でしたが、その中でも新たな発見があったことを、今回の研修会で改めて確認することができました。特に、コロナ禍でのスタートとなった新C級についてのディスカッションでは、このカリキュラムで目指す指導者養成の方向や各FAの講習会の様子から、自身のFAでの取り組みを更新していくヒントをいただきました。研修会の内容にありましたが「サッカーに関わる全ての人がHappyに」なるために、これからもインストラクターとしての責任を自覚しながら活動していきたいと思います。2日間ありがとうございました。
大西洋平 さん(京都府FAチーフインストラクター)
47FAチーフインストラクター研修会では、D級・C級・B級・リフレッシュ講習会での振り返りと指導者養成の将来像というテーマでディスカッションしました。ディスカッションでは、他の都道府県の現状や課題、好事例などを共有し、学びの多い時間になりました。どのチーフインストラクターの方も情熱のある方で、さらにより実のある講習会にするために様々な工夫や取り組みをされていました。
西川JFA指導者養成ダイレクターからは、講習会をさらに発展させるために、47FAで共通の部分も大切にしながらも+αとして47FA独自のものをフレキシブルに考えて取り組んでもらってもかまいません。そして、「いつでも、どこでも、学びたいときに学べる」という環境を提供していきたい、というお話がありました。京都も地理的な要因からそのような環境を整えることできず、指導者の方々に対して申し訳ない現状があります。同じ悩みをもつFAもあるかと思います。”いつでも、どこでも、学びたいときに学べる場を”、そのためにチーフインストラクターとして、FAのために、日本サッカー界のために一層奮励しなければならないことを心に誓うことができました。
また、ディスカッションの合間には、田嶋会長、反町技術委員長からインストラクターへの感謝と激励の言葉をいただき、指導者養成の将来像についての道標を確認することができました。
さらにはブラジル戦に臨む日本代表チームのトレーニングも間近で視察でき、有意義な時間となりました。トレーニング前に森保監督から47FAチーフインストラクターへの感謝の言葉をいただき、代表選手からも一礼され、胸が熱くなりました。どのチーフインストラクターも感銘を受けたことと思います。指導者養成に携わるインストラクターの皆さん、粉骨砕身の気持ちで頑張りましょう。