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SAMURAI BLUE森保監督、ラウンド16クロアチア戦へ「壁を破る強い気持ちで戦う」

2022年12月05日

SAMURAI BLUE森保監督、ラウンド16クロアチア戦へ「壁を破る強い気持ちで戦う」

SAMURAI BLUE(日本代表)の森保一監督は12月4日(日)、FIFAワールドカップカタール2022ラウンド16のクロアチア代表戦を翌日に控えて公式会見に臨み、初のベスト8進出へ向けて、「ベスト16の壁を破る強い気持ちで、自然体で100%の力を出してほしい」と抱負を述べました。

目標としている初のベスト8達成への大一番です。4度目の16強進出で初の8強入りを懸け、5日(月)のノックアウトステージ1回戦で前回大会準優勝のクロアチアと対戦します。

日本は過去の16強の戦いでは、2002年はトルコに敗れ、2010年はパラグアイに延長PKで、前回2018年ロシア大会ではベルギーに2-0のリードを奪いながら、終盤の失点で2-3の逆転負けを喫してきました。しかし今回はドイツ、スペインという大会優勝経験のある国を撃破してグループEを1位で勝ち抜き、その勢いとチームの積み上げで、新たなステージへの突破を期しています。

ここからは延長やPK戦もある一戦必勝の戦いですが、森保監督は「最初から守る戦いはしたくない。勇気を持って勇敢に戦ってほしい」と述べています。

クロアチアは、前回2018年ロシア大会では延長戦やPK戦での連戦を粘り強く制して決勝に進出しており、今大会でも2位で通過したグループFでモロッコとベルギーにスコアレスドローを演じるなど、粘り強く戦う姿勢は健在。前回大会準優勝に貢献したルカ・モドリッチ選手が健在で、変幻自在なクロアチアの中盤で存在感を放っています。FIFAランキングでは日本の24位に対してクロアチアは12位。両者の対戦は1勝1分け1敗。2006年ドイツ大会のグループステージでの顔合わせ(1-1引き分け)以来です。

ロシア大会を含めて2017年10月から指揮を執るズラトコ・ダリッチ監督は、中東クラブを率いた経験もあり2016年にはアルアインをAFCチャンピオンズリーグ準優勝に導くなど、アジアのサッカーを知っている一人でもあります。今回の対戦へ、「日本は素晴らしい切り替えで攻めて来る危険なチーム。集中力を高めて、決してあきらめることなく戦いたい」と述べて、粘り強いサッカーで臨む意向を示しています。

森保監督はクロアチアについて、「トップクラスの選手がいて、いろんな試合の流れに対応できる。非常に賢く戦える試合巧者で我慢強さもある」と話し、「間違いなく難しい試合になる」と警戒しています。

しかし、今大会チームが見せている力を高く評価。「スペイン戦、ドイツ戦ではタフに粘り強く最後まで戦い抜いて、自然体で力を出せば結果がついてくることを示してくれた。明日も普段やっていることを100%発揮してほしい」と話して、選手への信頼と期待を示しました。

公式会見に同席した長友佑都選手(FC東京)も、「自分たちなら絶対にやると思っている。最高の試合と最高の結果を得て、日本サッカーの歴史に黄金の一ページを刻む意気込みで、必ず勝ちたい」と強い意欲を見せています。

チームは夕方から本拠地のアルサッドで公式練習に臨み、冒頭以外を非公開にして最終調整を行いました。

公開された部分では、体調不良のため宿舎で静養している久保建英選手(レアル・ソシエダ)を除いた選手25人が元気な姿をピッチに見せて、ランニングやストレッチ、体幹トレーニングなどで体をほぐし、二組に分かれてボール回しを実施。和気あいあいとした雰囲気で時折、笑い声も起こるなど明るい表情で体を動かしていました。

GK3選手も近距離からのシュートブロックや左右からのクロスボールのセービングなど、基本的なトレーニングで動きを確認しました。なお、板倉滉選手(ボルシアMG)は累積警告のためクロアチア戦は出場停止です。

酒井宏樹選手(浦和レッズ)はクロアチアについて、「難しい試合が想定されるが、勝つのは日本だと信じているし、この大会がまだ続くと信じている」と話しました。

また、前回大会も経験した吉田麻也選手(シャルケ04)は、「日本サッカーが1つ上のレベルに行くためにはコンスタントにグループステージ突破をするチームにならなくてはいけない。今回初めて2大会連続でベスト16に来たが、ここで満足せず、新しい歴史の1ページを刻みたい。このチャンスは4年後しかない。これを逃すわけにはいかない」と語りました。

試合は12月5日(月)、ドーハ南に位置するアルジャノーブスタジアムにて現地時間18:00(日本時間6日00:00)キックオフの予定です。

監督・選手コメント

森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
クロアチア戦を非常に楽しみにしています。グループステージ最終戦からここまで、選手たちは非常に落ち着いて準備してくれています。明日も非常にタフで激しく厳しく難しい試合になると思いますが、選手たちには、これまで積み上げてきたものを思い切って発揮してほしい。120分では交代枠は5プラス1で6人使えます(延長以降)。チームの総合力で試合をつないで、最後に我々が試合をモノにしたい。クロアチアは前回大会でファイナリストになった素晴らしいチームで、リスペクトしています。トップクラスの選手がいて、試合の流れに対応でき、非常に賢く戦える試合巧者だと思います。前回は延長3試合を経て決勝に行っていて、今大会も0-0の引き分け2試合と1勝で、我慢強さを持って勝負できるタフなチームです。間違いなく難しい戦いになります。
我々は、前回ロシア大会ではベスト8に行けるだけの戦力で戦いながら、結果的にラウンド16で去らなくてはならなかった。その悔しさは当時のコーチングスタッフの一人として持っていますし、できたことや反省もある。あの敗戦から成果と課題を生かそうと今大会へのチーム作りをしてきて、あの大会のベルギー戦の悔しさだけでここにいるわけではありません。日本サッカーのすべての歴史の積み上げ、特にワールドカップ過去6大会で経験した積みあげをこのチームに生かすことをやってきました。明日もその積み上げと、選手たちがこのチームで積み上げてきたことを生かして戦いたい。この4年間では選手個々のレベルアップ、成長を一番大きく感じています。日本の良さの組織力を持った戦いも、選手個々の能力がなければ相手に打ち勝っていけません。前回大会を経験していない選手を含めて、明日も勝つために戦い、これからの成長につなげたい。選手には勝ってベスト16の壁を破るという強い気持ちで、勇気とチャレンジする姿勢を持って自然体で臨んでほしいと思います。

FP #5 長友佑都 選手(FC東京)
僕たちはスペイン、コスタリカ、ドイツという厳しいグループを1位で突破してここにたどりついた。自分たちの力に非常に自信を持っているし、自分たちなら絶対にやると思っている。これまで日本サッカーはこのベスト16の壁を破ったことがなくて、自分自身も今回4度目で2回その壁に乗り越えようと挑戦してきたが悔しい結果だった。その悔しさは今でも心の中にあって、明日は最高の試合と最高の結果を得られるように、そして、日本サッカーの歴史に黄金の1ページを刻む。その意気込みで必ず勝ちたい。

FP #6 遠藤航 選手(VfBシュツットガルト/ドイツ)
相手の中盤にいい選手たちがいるので対戦が楽しみです。個の1対1の部分で自分の良さを出していきたい思いはありますが、チームとしての戦い方をしっかり整理することが大事です。局面でしっかり上回れるような準備をしていきたい。相手もしっかり守ってくるイメージはあるので、お互いに我慢する展開になるのかなとは思いますが、チームとして「今は行く」というところをゲームの中で合わせられることが大事だと思います。体調は全然大丈夫です。4年前にロストフで負けたことも出られなかった悔しさも忘れてはいけないと思ってずっとやってきました。準備は4年前からずっと始まっています。いつも通り、ドイツ戦でやったように今までこのチームが積み上げてきたものを明日、出すだけです。

FP #9 三笘薫 選手(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC/イングランド)
いい準備ができました。相手の特長や狙い目、どういうところを抑えていくかなどを確認しました。僕は、今大会は全部サブでの出場ですが、流れを変える役割を担っていると思うので、チームを活気づけること、1対1で違いを見せて優位性を持っていくことが大事になると思っています。試合に出ることでコンディションも上がってきています。(ベスト8入りには)相手も1ランク上がってくるので、メンタリティや、したたかさもださないといけない。ドイツ、スペインとやって自信はありますが、どこも強いのでしっかり準備したいです。

FP #10 南野拓実 選手(ASモナコ/フランス)
明日の試合へワクワクしてますし、ここまでやっとたどり着けたので、日本の歴史に残る試合になるだろうし、勝ってベスト8以上の結果を残したいと思います。基本やることはあまり変わらず、勝利のためにいい準備したいと思ってます。代わって入って流れを変えて試合を決めるというのは、いまの僕らの一つの強みでもあると思うので、そういう展開になればいいのではと思っています。全員そのためにいい準備をしてますし、勝ち上がっていくチームというのはヒーローが毎試合変わって、新しいエネルギーを含めて総力戦で戦っているところがあります。そういう力は必要になってくると思うので、僕も含めて全員準備していきたいです。

FP #13 守田英正 選手(スポルティングCP/ポルトガル)
クロアチアはアンカーの選手も飛び出してくるので、捕まえづらいですし、モドリッチ選手はビッグクラブの名のある選手で、ボールも取れてゴールにも絡んでゲームも作れる、誰もが認める選手です。彼を中心としたプレーに引っ張られ過ぎずに戦いたい。簡単にボールを渡すことはしたくないですし、主導権を持ちながらプレーしたいと思っています。延長、PKまであるので90分で終われるわけじゃないですが、できれば90分で仕留めたいと思っています。

FP #14 伊東純也 選手(スタッド・ランス/フランス)
スペイン戦の前半はボールを持つ時間がほぼなかったので、もう少し自分たちの時間を長くしたり、攻撃できる形をつくらないといけないと思っています。相手は中盤の3人が全員うまいですが、チャンスがあれば守備をしつつ、仕掛けていきたいです。ここまでも一試合一試合が生きるか死ぬかの戦いだったので、ノックアウトステージになっても1試合の戦い方や臨み方は変わりません。スペインやドイツに勝ったようなメンタリティを持って戦えば、いい勝負ができて、最後はこちらに転んで次に進めると思っています。

FP #19 酒井宏樹 選手(浦和レッズ)
ここからはグループステージとは違ったプレッシャーがかかると思いますし、90分あるいは120分でクレバーな戦い方が求められてきます。ピッチ外の情報を含めて26人みんなで共有していかなければいけない。途中から出る選手の役割や、中に伝えるという作業もすごく大事になってくると思うので、スタメンで出る選手、途中から出る選手、みんなの力が必要になってくると思います。自分としてはここまで早く戻ってこられると思っていなかったので、治療に際して力を注いでくれた方々に感謝したいです。

FP #22 吉田麻也 選手(シャルケ04/ドイツ)
クロアチアに対戦が決まって強い相手だと率直に思いました。時間がないなかで、良い緊張感の中で修正などやらなければいけないことがたくさんありますが、その中で良いコミュニケーションでブラッシュアップする所は良くなっていると思います。アルゼンチン対オーストラリア戦を見て、ここからは戦術も分析も大事ですが、細かいディテールが勝敗を分けると改めて感じました。身体は当たり前ですが、90分もしくは120分戦い抜く心の準備、頭のところをもう一回整理して試合に入りたい。簡単な試合には絶対にならないと思うので、そこを引き締めながらやりたいです。相手は中盤3枚がすごく流動的で決まった形がなくて、ひらめきや臨機応変さで状況を打開してくるので、そこに対応する柔軟性や調整力が大事になると思います。

FP #25 前田大然 選手(セルティック/スコットランド)
戦術や気持ち的なところはミーティングでも確認しているので大丈夫ですし、いつもベテランの人たちがワールドカップの経験を伝えてくれているので、気持ちも高ぶっていますが、自然体でやれると思っています。チームのためにやっていれば自分の所にチャンスが巡ってくると常々セルティックの監督にも言われていて、それを信じてチームのために走りたい。日本が行ったことのないところに行きたいというのは選手だけじゃなく、サポーターの人たちも望んでいることだと思うので、それを僕自身も見たいですし、みんなにも見せてあげたいです。

ズラトコ・ダリッチ クロアチア代表監督
日本はボール保持率は低いですが、すばらしいトランジションで攻撃して来る、危険なチームです。強いですし、一貫して諦めない姿勢があります。諦めないところは私も(自分のチームに)信じているところですし、2018年大会では粘り強く戦いました。両者は似ているところがあるかもしれません。我々は屈することなく集中力を高め、決してあきらめることなく戦います。

FIFAワールドカップカタール2022

大会期間:2022年11月20日(日)~2022年12月18日(日)
グループステージ
第1戦 11月23日(水) 16:00[現地時間] vs ドイツ代表
第2戦 11月27日(日) 13:00[現地時間] vs コスタリカ代表
第3戦 12月1日(木) 22:00[現地時間]  vs スペイン代表
ノックアウトステージ
ラウンド16 12月5日(月) 18:00[現地時間] vs クロアチア代表

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