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すみだウイングスがFリーグ育成組織として初の日本一に! JFA 第28回全日本U-15フットサル選手権大会
2023年01月10日
JFA 第28回全日本U-15フットサル選手権大会は、1月9日(月・祝)に大会最終日を迎え、準決勝の2試合と決勝が行われ、フウガドールすみだウイングス(関東2/東京)が初優勝を果たしました。
すみだウイングスは準決勝で、初出場ながらベスト4に進出したFCフォルテU15(北海道2)と対戦。フォルテにはGK千葉謡選手、すみだウイングスにはGK伊藤鳳起選手と、1次ラウンドでも活躍を見せたGKの存在もあり、なかなか先制点が決まりません。それでも第1ピリオド9分にすみだウイングスは、キャプテンの行木詩心優選手が先制ゴールを決めると、その1分後にも瀬口晴輝選手がミドルシュートで追加点を決め、2点をリードします。
攻めあぐねる時間の続いたフォルテも、第2ピリオド4分にFP吉田朝陽選手が1点を返します。しかし、その2分後にすみだウイングスも行木選手が得点を決めて、すぐに2点差に戻しました。試合終盤にフォルテは、GK千葉選手も攻撃参加して数的優位をつくり、5人でボールを回してゴールを目指しましたが、すみだウイングスの守備は堅く、このまま試合は終了。3-1で勝利したすみだウイングスが、2大会ぶり2度目の決勝に進出しました。
準決勝のもう一試合では、2度目の決勝進出を目指す高知中学校(四国/高知)が、北海道コンサドーレ釧路(北海道1)を相手に、素晴らしい試合の入りを見せます。開始4分までに3得点を挙げて一気に主導権を握ります。第1ピリオドを4-1とリードで折り返した高知中に対し、コンサドーレ釧路も第2ピリオドに猛攻を見せて、第2ピリオド3分に橋田泉選手が1点を返します。しかし、その後は高知中の体を張った守備を前に、シュートがブロックされました。高知中は松田翔空選手の突破からチャンスをつくり、村田桜埜選手が高い決定力を見せて2点を追加。第2ピリオド8分には逆に村田選手のラストパスを受けた松田選手が得点を決め、7-2とリードを大きく広げました。最後まで試合を諦めなかったコンサドーレ釧路も、第2ピリオド終了2分前から3点を挙げて粘りを見せましたが、高知中が7-5と逃げ切り、4大会ぶり2度目の決勝進出を果たしています。
共に初優勝を目指すすみだウイングスと高知中の決勝戦は、開始直後から「1次ラウンドの最終戦と準決勝で高知中は早い時間帯からゴールを挙げていた。その流れを崩したかった」と話す行木選手が積極的なプレーを見せ、チームを勢いづけます。しかし、高知中も1年生GK西村圭太選手を中心にゴールを守り、得点を許しません。すみだウイングスのハイプレスに対応していった高知中は、第1ピリオド6分に準決勝でも連係が冴えた村田選手と松田選手のコンビプレーから先制点を挙げます。
すみだウイングスは、攻め込みながらもなかなかゴールが奪えません。それでも第1ピリオド終了間際に羽生恒平選手が、高知中のプレスが一瞬遅れた瞬間を逃さずに左足を振り抜き、強烈なシュートをゴールにたたき込み、試合を振り出しに戻します。高知中の森本稔監督が「枠を外れたと思ったのに、ボールが落ちていったようなシュート。あんなシュートは中学レベルではまず見られない。あれで流れを一気に持っていかれた」と振り返ったように、この第1ピリオド終了間際の一撃が大きく試合の流れを変えました。
そして第2ピリオド1分、すみだウイングスはゴール正面の位置でセットプレーのチャンスを得ると、羽生選手が再び左足で豪快なシュートを決めて一気に試合をひっくり返します。反撃に転じたい高知中でしたが、攻撃のバリエーションが豊富なすみだウイングスから、なかなかボールを取り切れず、攻撃の形をつくれません。
試合巧者ぶりを見せたすみだウイングスは、第2ピリオド9分に行木選手が追加点を決めてリードを2点に広げると、試合終了まで8秒というところで中村優希選手がダメ押しゴール。先制ゴールを決められる難しい展開になりながらも、見事な逆転勝利を収め、4-1というスコアで初めての日本一の座をつかみました。
監督・選手コメント
FP #22 吉田朝陽 選手(FCフォルテU15)
ブリンカールとの初戦から、9割以上の方は僕らが勝つと思っていなかったと思います。そうした厳しい試合が続きましたが、苦しい場面でも全員で励まし合って、一つずつ試合を勝ち抜いてきてここまで来ることができました。最後は負けてしまいましたが、最後まで誰一人諦めずに戦えたことがうれしいですし、大会を通しても楽しかったと思っています。全国大会は、前同大会と全く違う緊張感がありました。今後、私生活からも、この基準を意識した行動がとれると思いますし、この経験を今後のキャリアに生かしていきたいです。
清家大葵 監督(フウガドールすみだウイングス)
選手たちが良くやってくれました。決勝戦では2人がピッチに立てませんでしたが、3年生を全員ピッチに立たせることもできました。育成年代ではプレーする機会を与えていくことが一番大事だと思っているので、それができて優勝もできたというのは、すごく大きいと思っています。Fリーグの下部組織チームが優勝できたことで、これまでフットサルのチームは大したことがないと思われていたかもしれませんが、それを一つ覆せる結果になったのではないかと思います。
FP #7 行木詩心優 選手(フウガドールすみだウイングス)
チームに入って1年目から、この大会での全国優勝という目標を掲げて練習に取り組んで来ました。そのときの気持ちを忘れずに、みんなで声を出し続けて勝ちたいという気持ちを表せたと思っています。2年生のときには関東大会で何もできずに負けてしまっていたので、悔いが残らないように、自分がチームを勝たせるという気持ちでやりました。Fリーグの下部組織のクラブとしての優勝は初めてなので、本当にうれしいです。
FP #4 横田陽向 選手(高知中学校)
最後の詰めの部分が、あまりうまくいかずに優勝を逃すことになってしまい、とても悔しいです。決勝で相手に決められた1点目の場面も守備は崩されていなかったと思いますが、ファーストディフェンスに誰が行くかが決まっていなくて、そこでやられてしまいました。今はすごく悔しいですが、今大会での経験を高校サッカーにつなげていきたいと思います。
大会期間:2023年1月7日(土)~9日(月・祝)
大会会場:栃木県/日環アリーナ栃木