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スポーツ救命ライセンス講習会を北海道サッカー協会で開催
2023年03月09日
北海道サッカー協会は2月25日(土)、社会福祉法人北海道社会事業協会富良野病院リハビリテーションセンターで「スポーツ救命ライセンス講習会」を開催し、更新講習会に2名、新規講習会に13名が参加しました。
講義では、熱中症や脳振盪(のうしんとう)などスポーツ現場で起こり得ることが多い事象の対処法について学びました。実技では心肺蘇生の中でも最も重要となる胸骨圧迫とAED(自動体外式除細動器)の使い方、バックボードによる全身固定・搬送についても学習し、実践練習を繰り返し行いました。受講者は実践的な質問をするなど、とても熱心に受講する様子がうかがえました。
日本サッカー協会は、ピッチ上の選手の安全を守ることを第一とした「スポーツ救命ライセンス講習会」と簡易救命講習会である「JFA+PUSHコース」を2017年から実施しています。「スポーツ救命ライセンス講習会」は、(公財)日本スポーツ協会(JSPO)公認アスレティックトレーナーが資格更新のために保有しなければならないBLS(Basic Life Support:一次救命処置)資格取得のための講習会として認定されています。
※AEDのご購入・リースは、「メディカル」の「AEDのご紹介」をご覧ください。
※講習会開催希望の団体は、「講習会を開催するには」の[問い合わせフォームはこちら]からお問い合わせください。
インストラクターコメント
石田英俊 さん(富良野広域連合 富良野消防署)
JFAスポーツ救命ライセンス講習にインストラクターとして参加しました。新規と更新の受講者を対象にした併設型の講習会で、講習内容は、講義(新規のみ)、実技①(一次救命処置:BLSとAED)、実技②(搬送:バックボードへの収容要領)の順で開催され、講義と実技①には確認試験がありました。
講義ではスポーツ現場における事故や症例、心臓突然死、CPR(心肺蘇生法)、脳振盪、熱中症、アナフィラキシーショック、窒息など幅広い内容で、受講生は熱心に集中した面持ちで講義に挑んでいました。
実技①は、前段の講義を踏まえ一次救命処置:BLSとAEDを実施し、ここで初めてインストラクターとして受講生と接しました。今回の受講生の方たちは、何らかの医療資格を持つ方や教員が多く、知識はある程度定着している印象でした。実技は経験が少ないとのことでしたので、現場での判断となるポイントや、胸骨圧迫の部位や圧迫深度、リコイル、そしてリズムなどを体で覚えてもらえるよう重点的に伝えるように心がけました。
実技②は、バックボードに傷病者を収容する手技や固定方法とポイントの説明を交え、実際に手を動かしながら実施しました。脊髄損傷など見えない怪我に留意し、協力者の人数によって収容方法を判断することは、傷病者の状態を悪化させないためにも重要なこととして伝えました。
今回参加された受講生の皆さんは、真剣に取り組んでおられました。スポーツ現場における事故は様々な状況で発生し得るため、それぞれの状況に適した対応が求められます。この学びが生かされ、防ぎえた死を無くし、外傷の重症化の低減につながっていくことを祈っています。
受講者コメント
島田藤恵 さん(旭川Grin・Bear・Boys・FC(4種)指導者)
私は、サッカー少年団の指導者、そして小学校教員という立場から、救急対応についてしっかり学びたいという思いで受講させていただきました。
講義では、リアルな映像とわかりやすい解説に「躊躇しないこと」「正しい知識を身に付けること」の大切さを再認識しました。
その後の実技訓練では、インストラクターの方を中心に、少人数のグループに分かれ、役割を替えながら何度も繰り返し訓練を行いました。時折、受講者からの疑問や質問にアドバイスをいただいたり、改善点を織り交ぜたりすることで、あらゆる状況に応じた対応方法を知ることができました。
実技講習の終盤に差し掛かる頃には、受講者同士の間に一種の連帯感のようなものが生まれたのを感じました。その時、私は「協力することの大切さ」を実感しました。こうした知識やスキルを、チーム内、あるいは試合会場にいる人全員が持っていれば、救命活動や搬送がスムーズに行われ、助かる命も増えるのではないでしょうか。
この度、スポーツ救命ライセンス取得にあたり、取得して満足するのではなく、自分が今後、救命の現場に遭遇した際、落ち着いて迅速に対応できるよう、定期的に訓練をしなければならないと感じました。また、こうした講習の意義と役割を、まずは身近な人に呼び掛けて「みんなで命を守る」意識を広め、繋げていきたいと思います。この度は貴重な学びの機会をありがとうございました。
佐藤幸喜 さん(増毛サッカースポーツ少年団(4種)指導者)
普段はコーチとして小学生低学年を指導し、地元で開催される留萌地方中体連サッカー大会の運営等を協力しており、もしもの場合に備え、正しい知識をもって対処できるようにとの思いで、今回受講をさせていただきました。
心停止になった場合のケースでは救急隊の到着平均時刻の8分の間に、一刻の猶予もない状態で汗だくになりながら心臓マッサージを行い、AEDの使用方法等、いかに正しく処置できるのか、身をもって難しさを痛感しました。
また、搬送の方法では、首をいかに動かさないようにリーダーの指示で的確に安全に搬送できるかをみんなで実習し、搬送の仕方によって人数が異なり、リーダーのかけ声で持ち上げるタイミングや関わった人たちのコミュニケーションの大切さを意識し、安全に搬送することの大変さを学びました。
今回、学んだことを指導の場や大会等の現場に持ち帰り、不測の事態に備えて、週末のピッチにメディカルがいないことを認識し、これからも自ら研鑽を積まなければならないと思いました。本講習会の講師をされた矢倉先生、神谷先生、富良野地区の消防職員、看護師の皆さま、本当に熱心に指導をしていただきありがとうございました。