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スポーツ救命ライセンス講習会を福岡県で開催
2023年03月30日
日本アスリートライフサポート協会は3月19日(日)、福岡県のJR博多シティ会議室で「スポーツ救命ライセンス講習会」を開催しました。九州各県から医師、看護師、トレーナー等、更新講習会に11名、新規講習会に11名が参加しました。
講義では、熱中症や脳振盪(のうしんとう)などスポーツ現場で起こり得ることが多い事象の対処法について学びました。実技では心肺蘇生の中でも最も重要となる胸骨圧迫とAED(自動体外式除細動器)の使い方、バックボードによる全身固定・搬送についても学習し、実践練習を繰り返し行いました。インストラクターと受講生同士で話し合い考えながら充実した講習会となりました。
日本サッカー協会は、ピッチ上の選手の安全を守ることを第一とした「スポーツ救命ライセンス講習会」と簡易救命講習会である「JFA+PUSHコース」を2017年から実施しています。「スポーツ救命ライセンス講習会」は、(公財)日本スポーツ協会(JSPO)公認アスレティックトレーナーが資格更新のために保有しなければならないBLS(Basic Life Support:一次救命処置)資格取得のための講習会として認定されています。
※AEDのご購入・リースは、「メディカル」の「AEDのご紹介」をご覧ください。
※講習会開催希望の団体は、「講習会を開催するには」の[問い合わせフォームはこちら]からお問い合わせください。
インストラクターコメント
隈元健一 看護師(医療法人浩然会内村病院)
今回、初めてインストラクターとして参加しました。これまで他者への指導を行ったことはなく、私自身初めての経験をすることができました。
今回の研修では、各県より様々な職種(医者、看護師、理学療法士、アスレティックトレーナー、教員、柔道整復師、救命救急士など)の方が参加されました。
様々な方と意見を交えながら、BLS、搬送の実技を行いました。参加された方それぞれの見る視点の多様性があり、私自身も学び、勉強することができました。
今回も多くの方が参加されましたが、これからも各県での開催を通して、多くの方が参加できることを期待しています。
受講者コメント
内田六郎 医師(九州サッカー協会医学委員会、(医)青山整形外科クリニック)
この度、2023年3月19日(日)にJR博多シティの会議室にて日本サッカー協会スポーツライセンス講習会(新規コース・更新コース)を日本アスリートライフサポート協会(JALSA)の主催により受講しました。今回、自分は更新コースで半日の受講でしたが、大切なポイントが再確認でき、貴重な経験となりました。
①胸骨圧迫とAEDの装着については、圧迫の強さやリズム、安定化の方法など重要な動作や流れを改めて指導していただき、繰り返して体で覚えることができました。
②バックボードを使った搬送の実技では、頭頚部外傷が疑われる選手の固定時の手の圧迫状態と頭頚部パットの固定と手のリリースのポイントなど、意識していなかった所を指摘されて勉強になりました。また、倒れた人の姿勢により、ボードへの乗せ方を質問形式で一緒に考えていただき、現場に即して応用できる訓練でした。
③以前、実際にフィールド上で倒れた選手に胸骨圧迫とAEDの装着を経験したこともあり、今回は一層、貴重な訓練となりました。JALSAのスタッフの方をはじめ、消防隊のインストラクターの方、関係者の方の優しく丁寧なご指導が一つ一つ大変よい勉強になりました。
喜多恒允 医師(宮崎市郡医師会病院)
今後サッカー含め様々なスポーツに医師として関わっていくうえで、現場対応について学び直したいと思い参加させていただきました。
心停止にはじまり熱中症、脳振盪、アナフィラキシーショック、異物誤飲という現場での緊急対応について講義で学び、心肺蘇生やバックボード搬送に関しては実技をさせていただきました。実際の現場では周囲も混乱状態にあるため自身が落ち着いて的確に指示を出すことが重要であり、本講習のようなシミュレーションを重ね日頃からイメージをしておく必要があると感じました。自分自身がバックボードに乗り搬送される経験もなかなかありませんが、患者側になることで声のかけ方や固定法をどのように工夫すべきか理解を深めることができました。今後は本講習会で学んだ内容を自身の活動に生かすだけでなく、日頃活動している地域に還元できるよう普及活動にも取り組みたいと思います。