高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023EASTは11月25日(土)と26日(日)に第21節の6試合を開催し、各地で熱闘が繰り広げられました。昌平高校グラウンド（人工芝）では、昌平高校（埼玉）と青森山田高校（青森）が対戦しました。

ピックアップマッチ

昌平高校 2-2（前半0-0、後半2-2）青森山田高校

ここまで勝ち点47を積み上げてきた青森山田にとっては、勝利すれば優勝が決まる重要な一戦。ですが、「優勝がかかった試合で気負いがあった」（青森山田・正木昌宣監督）、「相手の土俵でもやり合える力はあるのに、そこに挑まなかった」（昌平・村松明人監督代行）と両指揮官が語るように、序盤は静かな立ち上がりとなりました。その後、少しずつエンジンがかかり、青森山田は11分と19分にMF杉本英誉選手（#14）が果敢にシュート。昌平は26分に右からのクロスボールにMF土谷飛雅選手（#7）が合わせようとしますが、いずれも得点にはつながりません。

前半の終盤まで一進一退の攻防が続き、42分には青森山田のFW米谷壮史選手（#11）がボレーシュートを放ちますが、これはGKがブロック。昌平はその3分後、スルーパスに抜け出したFW小田晄平選手（#9）が左足で狙いましたが、これも枠をとらえられません。

スコアレスで迎えた後半、青森山田が怒とうの攻撃を見せる中、終盤に試合が大きく動きます。82分、途中出場した昌平のMF三浦悠代選手（#13）の前線での粘りから土谷選手にパスが通ると、「走り込んでボールを受けたときのファーストタッチが良かった」という巧みな動きで、飛び出したGKのファウルを誘いPKを獲得。土谷選手が自ら決めて昌平が先制すると、87分には高い位置でのパスカットからMF西嶋大翔選手（#25）、土谷選手とつなぎ、シュート気味のクロスが逆サイドに流れたところを三浦選手が押し込んでリードを広げます。

しかし、青森山田も諦めませんでした。90分、前線で奪ったボールを丁寧につなぎ、MF後藤礼智選手（#16）が流し込んで1点を返すと、90+2分にはゴール前での混戦からDF菅澤凱選手（#6）がスペースへと出したボールにDF小沼蒼珠選手（#3）が反応。左足のインサイドで合わせ、同点に追いつきます。

試合はそのままタイムアップ。青森山田の優勝決定はなりませんでしたが、「全員が勝利を信じて相手に向かっていった」と小沼選手が語った粘り強さで勝ち点1を上積みし、最終節で再び優勝を目指すことになりました。

監督・選手コメント

村松明人 監督代行（昌平高校）
2-0とリードしながら結果的に2-2に追いつかれる形になりましたが、中盤の戦いに逃げることなく挑み続けたことにたくましさを感じました。立ち上がりの展開は望んでいたものではなく、もう少し守備でタイトにいくことができていれば、相手陣内での時間も増やせたと思います。後半は相手に押し込まれましたが、うまく攻撃の起点をつくり、そこからカウンター気味に得点を奪うことができました。

MF #7 土谷飛雅 選手（昌平高校）
青森山田はフィジカルが優れていて球際が強いので、それに負けないようにという話をして試合に入りました。立ち上がりはセカンドボールを拾えず相手ペースになりましたが、拾えるようになってからは徐々にチャンスをつくれるようになりました。2点リードした後、相手は勝負強いチームなのでしっかり対応しようと声をかけ合っていたのですが、最後に失点してしまい、悔しかったです。残り1節、最後までしっかり戦って勝ち切りたいです。

正木昌宣 監督（青森山田高校）
ちょっと硬さが目立った前半から、後半は少しスイッチが入ったところで痛い失点をしてしまいましたけど、最後まで諦めずに戦ってくれたというのはポジティブに捉えています。勝てば優勝というのはなかなか経験できることではないですし、これを糧にして次につなげていきたいと思います。2点ビハインドから追いついた点が唯一のポジティブ要素なので、次節はあまり気負うことなく、しっかり準備して臨みたいと思います。

DF #3 小沼蒼珠 選手（青森山田高校）
後半の立ち上がりからイケイケのムードになったんですが、そこで決め切れないといけなかった。それが引き分けという結果につながったと思います。2失点して自分は少し気落ちしたんですけど、周りが引っ張ってくれたので、それに乗ることができましたし、みんなで勝利を信じて戦いました。ゴールシーンは、オフサイドラインだけ気をつけて、この辺に打てばGKはいないかな、という感覚で打ったら結果として得点につながりました。

その他の試合結果

川崎フロンターレU-18 1-0（前半0-0、後半1-0）柏レイソルU-18
市立船橋高校 2-1（前半1-1、後半1-0）旭川実業高校
尚志高校 4-3（前半2-2、後半2-1）横浜F・マリノスユース
前橋育英高校 1-2（前半0-1、後半1-1）大宮アルディージャU18
流通経済大学付属柏高校 1-1（前半1-1、後半0-0）FC東京U-18

川崎フロンターレU-18（神奈川）はFW髙橋宗杜選手（#13）が決勝点を挙げ、好調の柏レイソルU-18（千葉）から勝ち点3を奪取。首位・青森山田との勝ち点差を2に縮めました。市立船橋高校（千葉）は旭川実業高校（北海道）に先制を許すも、前半の終盤と後半の立ち上がりに得点をマーク。シュート4本を2得点につなげる効率的な試合運びで勝利を手にしました。尚志高校（福島）と横浜F・マリノスユース（神奈川）の一戦は、3-3で迎えた試合終了間際に尚志のFW桜松駿選手（#11）が劇的な決勝弾をスコア。逆転優勝への望みをつなげました。横浜FMに代わって残留圏に浮上したのが大宮アルディージャU18（埼玉）。FW石川颯選手（#9）の2得点で前橋育英高校（群馬）を下し、良い形で最終節に臨みます。流通経済大学付属柏高校（千葉）とFC東京U-18（東京）の一戦は接戦の末、引き分けとなり、共に勝ち点1を積み重ねました。

高円宮杯 プレミアリーグ 大会公式X

大会期間：2023年4月1日(土)～2023年12月3日(日)

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