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FIFA/JFA Coach Educators' Development Pathway Programmeが終了
2023年12月25日
日本サッカー協会(JFA)は12月14日(木)、FIFA/JFA Coach Educators’ Development Pathway Programmeの閉講式をオンラインで開催しました。
本プログラムは、FIFA(国際サッカー連盟)が各国加盟協会に提供するプログラムの一つで、指導者を指導する「チューター(コーチエデュケーター)」の育成を目的としてFIFAとJFAが協働して実施しました。
4月からプログラムをスタートし、eラーニング、オンライン講義、オンサイトでの集合研修、さらには各参加者が実際にチューターとしてコースを担当する現場でのメンタリングを経て、各地域から選ばれた18人のチューターがプログラムを終了しました。
閉講式には、FIFAからはコーチエデュケーション部門を統括するBranimir Ujevic氏(FIFAヘッド・オブ・コーチング・ディベロップメント)、FIFAテクニカルエキスパートのDany Ryser氏がオンライン参加しました。両氏からは、約8ヶ月に及ぶプログラムを終了した参加者に対して今後のさらなる活躍への期待が述べられ、FIFAシニアマネジャーのMohamed Basir氏からもメッセージが寄せられました。
後半は、JFAシニアチューター、参加者一人ひとりから本プログラムへの参加した感想、メンタリングでの様子や学びについて発表があり、アクティブラーニングや学習者中心の考えのもとに学んだことを各地域の指導者養成の現場へ還元していくなど、参加者の決意を感じるセレモニーとなりました。
FIFAコメント
Branimir Ujevicさん
こうして皆さんとご一緒できることを大変嬉しく思います。時が経つのは早いもので、8ヶ月前のオープニングセレモニーでこのプロセスが始まったとき、私はブエノスアイレスにいました。その間に東京にも足を運んで今はマイアミにいます。
オープニングセレモニーで、私たちはJFAと参加者のみなさんに、このプロセスを私たちのためではなく、みなさんのために行うと約束したことを覚えています。私たちの唯一の願いは達成され約束を守れました。JFAとFIFAとの強い協力関係がなければできなかっただろうと思います。
私たちは主催者として、すべてのコーチエデュケーターにこの教育プロセスを提供する大きな責任を負っていました。私たちのゴールは、すべてのコーチエデュケーターの皆さんに各地域で責任を持って指導者養成に取り組んでいただくことでした。
私は個人的にも、またFIFAのコーチング開発部門の責任者としても、私たちがその目標を達成できたことを嬉しく思っています。みなさんは、コーチエデュケーターからコーチへ、コーチから選手へと繋がる一連のプロセスの背景にあるメッセージを理解しています。
FIFAとJFAは共にこのプロセスをコーチエデュケーターに関するものとしてきたのです。サッカーの試合の終わりと同じで、ベストを尽くしたと言えるのであれば、満足して次に進むことができるでしょう。私たちの部門を代表して、また同僚であるBasir氏とDaniel氏を代表して我々はベストを尽くしたことを確信しています。
今こそ、その学びを自身の環境で実行に移し、他者をより良くするために同じメッセージを伝える責任を負うべき時です。サッカーと教えることを愛し、日本のサッカーをより良くするために懸命に働くオープンマインドな人たち、そんなJFAの素晴らしいスタッフと一緒に仕事をしていることを誇りに思います。
JFAコメント
小野剛さん(JFA技術委員会 副技術委員長)
8ヶ月に渡るこのプログラムは、FIFAエキスパートのガイダンスのもと、9地域から選ばれたコーチエデュケーターをJFAシニアチューターが指導していくというユニークな2層構造で進み、その内容も参加者をいかに巻き込んでいくかといったアクティブ・ラーニングや「傾聴」の実践など、何を=Whatから、どのように=Howに踏み込んだ非常に刺激的なものでした。
スタートの頃から苦労を重ねながらも、最後は実際の指導者養成の現場でその成果をふんだんにチャレンジしてくれた各地域からのコーチエデュケーターの方々、それを温かく見守り育ててくれたシニアチューターの方々、そして何よりこのプログラムを我々に寄り添いながら粘り強く実践してくれたFIFAエキスパートの皆さんに感謝したいと思います。この成果は各地域におけるチューター教育の場にも大きな貢献をしてくれると信じています。
先日もFIFAのテクニカルリーダーシップ・ディプロマのコースが日本で開催されましたが、“Give every talent a chance(すべてのタレントにチャンスを)”を実現するためにコーチエデュケーター養成の重要性があらためて強調されました。すなわち、どこで生まれ育っても、サッカーの楽しさを追求できる指導者と出会えることでその才能の開花につながるということです。いい指導者が育つためには、いいコーチエデュケーター(チューター)が大切です。来期も開催予定のこのプログラムが、日本として力を入れている指導者養成にさらなる加速を生み出してくれることを願っています。
参加者コメント
浮田あきなさん(北海道FA/北海道リラ・コンサドーレ)
研修に参加させていただき、ありがとうございました。
eラーニングで学んだことを、オンサイトで改めて学び、そして工夫されたアクティビティの中で体験しながら、意見交流しながら学べた研修でした。チューターとしての活動が少ない私にとって、全てが貴重な経験です。
4月から始まった研修も12月のクロージングをもって終了となりました。
クロージングにて改めて画面越しではありましたが、多くの方と共に学べたことに感謝すると同時に、微力ながらも北海道サッカーに貢献できるよう尽力していきたいと思いました。
サポートして頂いた皆様、ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします!
鈴木秀生さん(千葉県FAシニアチューター/江戸川大学)
FIFA/JFA Coach Educators’ Development Pathway Programmeのクロージングをむかえ、FIFAとJFAの講師の方々、共に学んだ仲間に深く感謝申し上げます。
8ヶ月間を振り返ると、eラーニング、オンラインプログラム、オンサイトプログラムでの学びで、コーチエデュケーターとは何かを深く考えさせられました。プログラムの内容のみならず、Branimir Ujevic氏(FIFAヘッド・オブ・コーチング・ディベロップメント)の導きは、Learner's centered そのものであり、非常に有意義な時間となりました。
日本サッカーの「ありたき姿」を目指して、指導者養成や選手育成に尽力していきたいと思います。