高円宮杯 JFA 第35回全日本U-15サッカー選手権大会は12月27日(水)、東京都・味の素フィールド西が丘で決勝を行い、鹿島アントラーズジュニアユース（関東5／茨城）が2002年度以来となる2度目の日本一に輝きました。

決勝

鹿島アントラーズジュニアユース 3-2（前半1-1、後半1-1、延長前半1-0、延長後半0-0） 大宮アルディージャU15

鹿島が開始7分でCKからオウンゴールを誘発して先制しましたが、今大会何度もセットプレーでゴールネットを揺らしてきた大宮アルディージャU15（関東1／埼玉）も譲りません。17分、2本連続したCKのチャンスに熊田佳斗選手がねじ込んで、試合を振り出しに戻しました。

追いつかれた鹿島は再び前線からのプレスで勢いを取り戻そうとし、大宮はその重圧をかわして裏を突こうと、互いに前へと向かう姿勢を示しました。大宮が中盤からの飛び出しなどで数度のチャンスを迎えましたが、次のゴールを決めたのは鹿島でした。42分、中盤から右へと展開し、ペナルティーエリア内で切り返した平島大悟選手がシュート。ファーサイドに決めて、鹿島が再びリードしました。

49分にもクロスの折り返しから鹿島が決定機を迎えましたが、大宮DF中澤凜選手がクリア。守備陣も奮闘すると、応えたのは交代出場した選手でした。出場から5分後の56分、ペナルティーエリア手前で一度は止められたかに見えた石川匠選手が、あきらめずに一気に縦へと加速。3人を抜き去り同点ゴールを決めました。

互いに攻め合いながら突入した延長戦で、勝負強さを見せたのは鹿島でした。延長戦開始7分後、左CKのこぼれ球を平島選手がボレーでたたき込み、3度目のリード。大宮も小林柚希選手の突破など懸命に攻めますが、スコアは動かず。鹿島が接戦をものにしました。

監督・選手コメント

篠原義貴 監督（鹿島アントラーズジュニアユース）
タフなゲームになればいいなと思いながら試合に入りました。良いところも悪いところもありましたが、選手たちが自分たちで選択して、精いっぱい力を発揮してくれたことがうれしかったです。普段の試合は80分間で決まるが、今日は100分まであると話していたので、感情をコントロールしながら自信を持ってやってくれたと思います。育成年代では個人が大きくなっていくべきだと私は思っています。この1年、個人がとても伸びて、このタイトルにつながったと思います。

平島大悟 選手（鹿島アントラーズジュニアユース）
苦しい試合になると思っていました。前半はなかなか攻撃的なサッカーを出せませんでしたが、後半以降もしっかり走れたことが良かったのだと思います。決勝点の場面では、こぼれ球が落ちてきそうなところが見えて、力を抜いてうまくミートできました。延長戦やPK戦になっても勝てると思っていたので、その気持ちがうまく出て良かったです。1年生のときには弱小と呼ばれる代で、スタッフにここまで引き上げてもらい、感謝の気持ちしかありません。最後に優勝という形で終われて本当に良かったし、将来はトップチームの選手になって、プロの舞台でもタイトルを取りたいです。

丹野友輔 監督（大宮アルディージャU15）
非常に楽しい決勝だったし、特に前半は積み上げてきたものを出せていました。最後の質、しっかりボールをゴールに押し込むという部分で、相手が少し上だったのかなと思います。日本一を目指すことには本当に価値があると思っています。一方で、これを目的にするのではなく、こういう経験を積んで選手たちがどう成長していくかが一番大事です。今大会でもいつもと違う姿を見せてくれたのは、選手が意識的に取り組んだからだと思います。これからの成長が楽しみです。

神田泰斗 選手（大宮アルディージャU15）
日本一という目標を掲げてきたし、やってきたことを全部出すとみんなで決めていたので、先制されてもキャプテンとしてみんなに声をかけて、前半のうちに追いつけました。点を決め切れない場面があったので、難しい展開になりました。先発はもちろん、サブやベンチ外の選手まで同じ方向を向いて一緒に戦ったので、ここまで勝ち上がれたと思います。アカデミーからクラブを変えていきたいという気持ちがあります。大宮の価値を示せたし、やってきたものは出せたと思います。

大会期間：2023年12月16日(土)～12月27日(水)
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