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横浜FM、蔚山に10人でPK戦の激闘を制し、初のACL決勝進出
2024年04月25日
横浜F・マリノスがアジアクラブ王者を決めるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)2023/24決勝への初出場を決めました。4月24日(水)に東地区準決勝第2戦が行われ、ホームの横浜FMが蔚山現代(韓国)と対戦。90分を3-2で終えて2戦合計を3-3とし、延長の末のPK戦を5-4で制して、悲願のアジア初制覇まであと1つとなりました。
決勝では西地区を制したアル・アイン(UAE)と対戦。第1戦は5月11日(土)に横浜FMのホーム、25日(土)にアル・アインのホームで行われます。
4月17日のアウェイでの第1戦を0-1で落とした横浜FMが、攻撃力と粘りの守備力を見せて勝利を手にしました。MF植中朝日選手の2ゴールなどで前半半ばまでに3点を奪う猛攻で先行しますが、前半終盤に退場者が出て状況は一変。この苦境を、粘りの守備で耐え抜き、GKポープ・ウィリアム選手がPK戦の1本を含めて好セーブを連発して、勝利を掴みとりました。
横浜FMは立ち上がりから速いペースの攻撃で相手を押し込み、前半13分にMFナム・テヒ選手の縦パスに反応した植中選手が右足を振って先制。21分にはFWアンデルソン・ロペス選手がFWヤン・マテウス選手のパスを受けて2点目を決め、2戦合計で2-1と勝ち越しに成功します。そして30分に中盤でパスを受けた植中選手が左サイドから中央にドリブルで持ち込み、ゴールネットを揺らして3-0とし、2戦合計を3-1としました。
2020年以来通算3度目のアジア制覇を目指して、このままでは終われない蔚山も粘りを見せ、鋭いカウンター攻撃で横浜FMゴールに迫るようになり、36 分にCKからMFマテウス・サレス選手がゴール。1点を返して、2戦合計を3-2とします。
そして、前半39分に転機が訪れます。
第1戦でも活躍したFWオム・ウォンサン選手が鋭いドリブルで右サイドを突破してペナルティエリアに切り込んでシュートを放ち、DF上島拓巳選手が走り込んで阻止を試みます。折しも、試合開始から降り続けていた雨が激しさを増していた中、スライディングでブロックしたボールが自身の手に当たってPKを献上。上島選手は一発退場となります。
蔚山はこのPKを、前半30分過ぎに交代出場したMFダリヤン・ボヤニッチ選手が決めて前半42分に2戦合計を3-3とし、振り出しに戻します。
それ以降、数的優位を得た蔚山はボールを支配して攻め込むようになり、形勢逆転。前半終了間際にはオム選手のパスに、第1戦で決勝ゴールを決めたMFイ・ドンギョン選手がミドルレンジから狙ってクロスバーに弾かれる場面を作ります。
横浜FMは後半開始からDFエドゥアルド選手とMF山根陸選手を投入して守備の安定を図ります。
一方、蔚山は後半開始早々に右サイドの攻撃からボヤニッチ選手のシュートでゴールネットを揺らしますが、VARでオフサイドとなり、ノーゴール。しかし、その後もFWチョ・ミンギュ選手やイ・ドンギョン選手、オム選手らが次々と横浜FMゴールに襲い掛かります。
横浜FMは我慢の時間帯が続くなか、63分にFWエウベル選手のクロスにFWヤン・マテウス選手がペナルティエリア右から飛び込み、ヘディングでゴールネットを揺らしますが、VARでオフサイドが確認されてゴールは認められません。
苦しい展開のなか、横浜FMは81分にFW宮市亮選手とMF水沼宏太選手を投入し、守備でハードワークを続けながら攻撃の機会を探ります。延長後半早々、水沼選手がシュートを放ち、直後にはCKの流れから宮市選手がクロスに左足を合わせましたが、ゴールには至りません。
蔚山は後半終盤にはMFキム・ミンウ選手のシュートがポストに弾かれる場面や、延長開始早々のDFキム・ヨングォン選手のミドルシュート、延長後半半ばのMFケウビン選手の左シュートなどで横浜ゴールに迫りますが、GKポープ選手が好セーブを連発します。
蔚山は後半18本のシュートを含めて120分で合計32本と、12本の横浜FMの3倍近いシュートを放ちましたが、横浜FMが最後まで冷静で粘り強い守備で凌ぎ、PK戦に突入します。
すると、ポープ選手はここでも高いセーブ力を発揮。互いに4人ずつが成功させて、先攻の蔚山5人目のキム・ミンウ選手のキックを左に飛んでブロック。横浜FMは5人目のエドゥアルド選手が韓国代表GKチョ・ヒョヌ選手の逆を突くキックを成功させて、横浜FMが5-4で勝利。雨の中、16,098人のファンが大声援を送って激闘を見守ったスタジアムは、大きな歓声に包まれました。
なお、西地区準決勝では初代王者のアル・アインが4月17日(水)にホームで3度目のACL優勝を狙うアル・ヒラル(サウジアラビア)に4-2で勝利。アウェイでの第2戦を1-2で落としますが、2戦合計を5-4として、2016年大会以来の決勝進出を決めています。
監督・選手コメント
ハリー・キューウェル 監督(横浜F・マリノス)
私がこのチームに来た時にはすでにACLグループステージを突破していて、ノックアウトステージからのスタートでしたが、準備期間も少ない中で私が加えた変更にも選手たちはとてもよく適応してくれました。今日まで楽な試合は1つもなかったですが、すべてを出し切ってやってくれました。今日も前半36分ぐらいまで、自分たちがやってきたことをチームとしてやってくれて、攻撃パターンも良く、しっかり支配して蔚山に攻撃の機会をほとんど与えていなかったと思います。1人少なくなっても選手たちの取り組みの姿勢、この試合にかける思いは素晴らしく、最後の最後まで良くやってくれました。彼ら一人ひとりを誇りに思います。
DF 畠中槙之輔 選手(横浜F・マリノス)
前回、相手のホームでの戦いを0-1で試合を落としてビハインドの状態でのスタートで、突破には2点以上が必要で、絶対に勝たないといけない試合でした。試合の入りも非常に良くて3点を取って、その後も試合をコントロールできればよかったのですが、不運な形で一人失いました。そこからは耐える一方のゲームでしたが、みんな割り切って戦いました。自分たち本来の姿ではなかったですが、しっかり勝つ執念を見せることができたと思います。一人ひとりがマリノスでの誇りと責任を持って、ピッチで走り抜いて勝ちを掴むことができたと思っています。
MF植中朝日 選手(横浜F・マリノス)
1点を決めたあと、相手には自分が乗っていることが分かったと思いますし、自分がシュートを打つことが相手の脅威になると思ったので、3点目、4点目とどんどんシュートを打っていこうと思っていました。ACL初ゴールで、ずっと決めたいと思っていました。それがこういう中で、相手GKも韓国代表で決めたことは自信にもつながります。監督は準決勝が一番難しい、決勝は楽しんでやろうと言っていましたが、その通りだと思うので決勝へ向けて自分もワクワクしています。楽しみながら決勝に臨みたいと思っています。勝てば世界につながるので、そこにも出たいという気持ちがより高まったので、何がなんでも決勝は勝ちたいと思います。
ホン・ミョンボ 監督(蔚山現代)
結果は残念ですが、マリノスには「おめでとう」とお伝えしたいと思います。大きな試合でしたが、前半に失点を重ねてしまいました。選手たちはそれでも最後まで諦めずに戦って、相手が一人退場になった後にはゴールチャンスも数多く作りました。ですが、それらを決めることができませんでした。PKの練習も昨日やっていたので、とても残念です。
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