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2014FIFA ワールドカップブラジル™の審判団に、西村雄一氏・相樂亨氏・名木利幸氏が選出
2014年01月16日
国際サッカー連盟(FIFA)は1月15日、2014FIFA ワールドカップブラジルに参加する25組のトリオと8組のサポートデュオ、合計91名(43カ国)を発表。日本からは西村雄一主審、相樂亨・名木利幸両副審のトリオが選出されました。西村主審、相樂副審は2010年の南アフリカ大会に続いて2度目、名木副審にとっては初のワールドカップとなります。
国際審判員として登録される審判員はFIFA(国際サッカー連盟)によって決められ、人数はその国によって異なります。日本は、男子サッカーの主審が7名、副審が9名、女子サッカーは主審・副審ともに4名、フットサルが4名、ビーチサッカーが2名、国際審判員として登録されています。
FIFAワールドカップで、固定された審判トリオが担当するようになったのは、2006年のドイツ大会から(*)。南ア大会では、西村・相樂両審判員と韓国のJEONG Hae Sang副審がトリオを組んで参加しました。3人が審判員を務めたのは、大会初日に行われたウルグアイ対フランス戦をはじめとするグループステージ3試合と準々決勝のオランダ対ブラジル戦の4試合。さらに西村主審は、グループステージと準決勝とオランダ対スペインの決勝戦で第4の審判を務め、相樂副審は同3試合の予備副審としてアポイントされました。
今大会は、南ア大会が終わった後にFIFAから候補者156名(52組)が発表され、セミナーや各年代の国際大会などでのパフォーマンスを通して、今回発表された25トリオ、8デュオに絞られました。
ワールドカップの審判団に日本人だけのトリオが選出されたのは、今回が初めてです。FIFA主催のレフェリーセミナーでの評価に加え、対象となった2012年のロンドンオリンピック、そして昨年のFIFAコンフェデレーションズカップの2大会でのパフォーマンスが決め手となりました。セミナーで実施されるフィットネステストに1人でも合格できなかった場合は候補から外れてしまいますので、本大会の舞台は審判員にとっても狭き門なのです。
今日(1月16日)、日本サッカー協会(JFA)は記者会見を開き、上川徹審判委員長と3人の審判員が登壇。最初に上川委員長が、「アジアから日本を含む4つのトリオ(日本、オーストラリア、ウズベキスタン、バーレーン)が選ばれたことは本当に嬉しい」と喜びを語り、「FIFAの審判委員会のメンバーを務めているが、そこでも日本人審判員は高い評価と信頼を受けている。1998年から5大会連続で日本人審判員が指名されてきたが、一つの国トリオとして選ばれたことはなかった。サポートしてくださった多くの人々に感謝したい」と語りました。
西村主審は、「(実際にアポイントされたら)どの試合も決勝戦のつもりで臨みたい。私のキックオフの笛を多くの人々への感謝の形にしたい」と話し、「コミュニケーションシステムによって瞬時に副審とコンタクトできるようになったが、それを日本語で話せるということで2010年よりベストなゲームコントロールに繋げられると思う。ワールドカップの1試合1試合を無事に終わらせるのは大変なこと。勇気を持ってチャレンジし、その中で選手に勝敗を受け入れてもらえるよう頑張る」と抱負を語りました。
また、相樂副審は、「日本人3人で組めるので、そのコンビネーションの良さを生かしたレフェリングを磨き、ブラジル大会で発揮したい。南アを経験して、動じることなく落ち着いて試合を見られるようになった。副審もポジション取りが大事だが、90分通して常にライン上にいることを目標にやっていきたい」と意気込みを語り、名木副審は、「西村さんと相樂さんと本大会に行かせていただけるのは光栄。それをどう表現していいか言葉が見つからない。相樂さんと同じく、タッチランから判定する時の美しさと表現力を高めたい」と抱負を語りました。
日本人審判員が初めてFIFAワールドカップのピッチに立ったのは、1970年のメキシコ大会。グループステージで丸山義行さんが副審(当時、線審)を務めました。その後は1990年のイタリア大会で高田静夫さんが主審ならびに副審を担当。その後、1998年のフランス大会の岡田正義主審、2002年大会の上川徹主審、2006年のドイツ大会では同じく上川徹主審と廣嶋禎数副審と続きます。
先輩たちが築いた素晴らしい功績を引き継ぎ、今年のブラジル大会では西村・相樂・名木の日本人審判トリオが最高のレフェリングを目指します。
今後は、2月中旬に主審だけを集めたセミナーがあり、西村主審がこれに参加。その後、トリオが参加するセミナーに出席します。そのセミナーでフィジカルテストなどが実施され、そこで高い評価を得られた審判団が本大会のレフェリーとしてアポイントを受けることになります。
SAMURAI BLUE(日本代表)とともに日本人レフェリーの活躍にもご期待ください。
*ワールドカップの審判のトリオ制はFIFAワールドカップのみで、その他のカテゴリーはこの限りでない
JFA-TV
2014FIFAワールドカップブラジル 日本人審判プロフィール
レフェリー:西村 雄一 NISHIMURA Yuichi | |
1972年4月17日生 東京都出身 国際主審(FIFA Referee/AFC Elite Referee) プロフェッショナルレフェリー |
主な国際大会:
2009年 FIFA U-20ワールドカップエジプト2009 3/4位決定戦
2010年 2010FIFAワールドカップ南アフリカ
2010年 AFCチャンピオンズリーグ2010決勝
2010年 FIFAクラブワールドカップUAE2010決勝
2011年 AFCアジアカップカタール2011
2012年 第30回オリンピック競技大会(2012/ロンドン)
2013年 FIFAコンフェデレーションズカップブラジル2013
アシスタントレフェリー:相樂 亨 SAGARA Toru | |
1976年6月25日生 栃木県出身 国際副審(FIFA Assistant Referee/AFC Elite Assistant Referee) プロフェッショナルレフェリー |
主な国際大会:
2009年 FIFA U-20ワールドカップエジプト2009 3/4位決定戦
2010年 2010FIFAワールドカップ南アフリカ
2010年 FIFAクラブワールドカップUAE2010決勝
2011年 AFCアジアカップカタール2011
2012年 第30回オリンピック競技大会(2012/ロンドン)
2013年 FIFAコンフェデレーションズカップブラジル2013
アシスタントレフェリー:名木 利幸 NAGI Toshiyuki | |
1971年11月29日生 高知県出身 国際副審(FIFA Assistant Referee/AFC Elite Assistant Referee) プロフェッショナルレフェリー |
主な国際大会:
2008年 東アジアサッカー選手権2008 決勝大会(中国)
2010年 FIFAクラブワールドカップUAE2010決勝
2011年 AFCアジアカップカタール2011
2012年 第30回オリンピック競技大会(2012/ロンドン)
2013年 FIFAコンフェデレーションズカップブラジル2013