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1級・女子1級審判員研修会を実施
2013年07月01日
日本サッカー協会では、6月22日~23日、6月29日~30日の2週にわたり、1級・女子1級審判員研修会を実施しました。
初日は担当リーグ別にシーズン前半の振り返りと体力テストが実施され、2日目には7月1日より施行される競技規則の改正の説明と須原清貴氏による「クライシス(危機)に直面したときの対処」というテーマで講演が行われました。
冒頭、上川委員長から、「審判と技術の協調」をテーマに様々な取り組みが行われていること、国内競技における一つ一つの試合での審判が代表強化の一翼を担っていること、今後も「タフでフェアでスピーディー」なサッカーとなるよう心がけ審判員同士に加え選手とのコミュニケーションを上手く図って欲しい等の話がありました。また、昨今問題となっている暴力根絶には組織として厳しく臨んでいく強い姿勢が示されました。
民間企業で代表取締役社長も務る須原氏による講演では、民間企業でのリスクマネジメントを審判目線に置き換え、ディスカッションも活発に行われました。
審判員の体力テストは、開幕前とシーズン中、合わせて2回行われます。
スピードのあるサッカーが主流の現在、選手同様、審判員にもスピード・持久力が求められ、スプリントテスト・インターバルテストの2種目を実施しています。
厳しい基準の下行われ、不合格となると半期間の割当てが受けられないという厳しい条件です。
審判員も選手同様、日々タフでスピーディーになるサッカーのため日々努力を積んでいます。
スプリントテスト・インターバルテストの2種目を実施しています
スプリント テスト
セット数:練習1回、本番6回、予備1回(追加走)
人数:1レーンに対する人数が多いと、インターバル時間が長くなるので注意する。10名前後を目安とする。
体力テスト合格基準 | |||
---|---|---|---|
男子 | 国際主審/Jリーグ担当主審 | 6.2秒 | 6本 |
国際副審/Jリーグ担当副審 | 6.0秒 | 6本 | |
1級 | 6.4秒 | 6本 | |
女子 | 国際主審 | 6.6秒 | 6本 |
国際副審 | 6.4秒 | 6本 | |
1級 | 6.8秒 | 6本 |
(2級~4級の基準は異なります)
インターバル テスト
セット数:150m走+50m歩を20回(オプションで30回まで走ることもあり)
人数:1グループに6名までとし、スタート箇所は最大4箇所までとする。ゴールラインの前後3m地点にフニィッシュエリアを設置する。
体力テスト合格基準 | ||||
---|---|---|---|---|
カテゴリー | 150m走 | 50m歩 | 回数 | |
男子 | 国際主審/Jリーグ担当主審 | 30.0秒 | 35.0秒 | 20 |
国際副審/Jリーグ担当副審 | 30.0秒 | 40.0秒 | 20 | |
1級 | 30.0秒 | 40.0秒 | 20 | |
女子 | 国際主審 | 35.0秒 | 40.0秒 | 20 |
国際副審 | 35.0秒 | 45.0秒 | 20 | |
1級 | 35.0秒 | 45.0秒 | 20 |
(2級~4級の基準は異なります)
受講者コメント
大矢充 審判員(新潟県所属 2012年1級審判昇級)
今回の研修では、主に「競技規則の改正」と「クライシス(危機)に直面したときの対処」のディスカッションと講和が行われました。
審判員は、試合中におけるいくつもの危機に備え、予防し、対処しなければなりません。実際の会社が直面しうる深刻な危機を例にして、対策を協議しました。会社経営と審判員という立場は違っても、強い気持ちで、早く一気に危機に対処すること、選手の心理状況(顧客心理)から危機の予兆を感じ取ること等の、様々な面からアプローチすることにより、より質の高い、試合環境(商品)の提供が可能になることを学ぶことができました。我々も選手と共により高い達成感を実現するべく、危機への準備・対処・防止へ取り組んでいきたいと思います。
内田康博 審判員(山口県所属 2012年度1級審判資格昇級)
初日は、様々な試合映像を使って、仲間たちとレフェリング分析やディスカッションを行いました。2日目は、競技規則の改正と会社経営のケーススタディについて熱い議論を交わし、とても勉強になりました。
今回の研修会で多くの先輩方や、同期のメンバーと親交を深めることができ刺激になりました。後半の審判活動に向けても、身が引き締まる思いです。