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2016年度第2回S/1級インストラクター研修会を実施

2016年07月15日

2016年度第2回S/1級インストラクター研修会を実施

7月9・10日の2日間、延べ90人がJFAハウスに集合して2016年度第2回S級・1級審判インストラクター研修会が行われました。冒頭で小川佳実審判委員長より、3月に発足した新審判委員会の方向性と課題が示されました。

今回の研修会では、イングランドにあるProfessional Game Match OfficialからHead of Professional Referees Developmentを務めるRay Oliver氏を招き、コーチングの目的、概念、活用方法などをワークショップを交えながら説明がありました。また、インストラクターである池田直寛氏よりJ3でのコーチングの実践例が示されました。

今年の全国大会では、1級インストラクターの指導機会の創出とS級インストラクターのマネジメント技術の習得を目的とし、全国大会の主任を1級インストラクターが、マネジャ-をS級インストラクターが担当するので、その役割、方法を確認しました。

その他、この7月から実施するアセッサーのモニタリングについて、その目的、方法、人選などを説明しました。さらに、6月より改正された競技規則について、「フェアでスピーディーでタフなプレーを」と上川徹審判委員会副委員長より説明がありました。

インストラクターコメント

小幡真一郎 審判委員会指導者部会長
1月末のカンファレンス以来、日々全国で指導実践を積んでいただいている皆様に多く参加していただき、大変うれしく思います。今回の最大の目的は、長年PGMOL(Professional Game Match Officials Limited)のトップで活躍されているRay Olivier氏からコーチングについて指導を受けることでした。JFAは3年前からレフェリーコーチに関心を持ち、これまでにもPGMOLで実際にコーチを担当している方々をお招きしてS級インストラクターにコーチング方法を紹介していましたが、今回は1級インストラクターを対象に理解を深めようとしました。

「寄り添う形で、長く付き合うこと」、「95%レフェリーに話させ、5%コーチが伝えること」、「聞き出す力、質問力を駆使すること」が必要であることをあらためて感じ、自分自身「ストーリーの構築」や「耐える力」を養わなければと思いました。今や、コーチングの手法は企業や学校にも取り入れられ、その個人の持っている能力を引き出し、自ら学ぶ姿勢を培うものだと思います。今後しばらくインストラクターは、アセッサーとして、ティーチャーとして、コーチとして、さらにいろいろな立場で、審判員のパフォーマンス向上を目指して、いろいろな観点から指導していかなければならいと思っています。

受講者コメント

岡田正義 S級審判インストラクター
今回のRay氏の研修を受けて改めて感じたことは、これからの指導はコーチング制度も取り入れて行っていかなければならないということです。審判員のレベルに見合った評価は必要なことであり、評価は審判員のモチベーションアップにもつながります。一方で指導者と審判員が同じ目線からレベルアップに取り組むコーチングはとてもよいと思いました。今後の課題は、日本ではイングランドサッカー協会のようにアセッサーとコーチを完全に分業することは人的パワー等を考えても難しいと思うので、日本独自のコーチング制度を作っていければよいと思いました。

今村亮一 1級審判インストラクター
指導者としてどのように審判員を育成・評価し、向上心を持たせ、審判員として力を付けてもらうかなど、指導工夫改善の難しさがよくわかりました。特に、イングランドサッカー協会のインストラクターの講義を通して、どのような角度で審判員の考えを引き出し、気づかせることができるかという、質問の切り口をいろいろ考える良い機会となりました。日頃からこちらが一方的に答えを探し発言し、審判員はノートに記入しているのではなく、試合を振り返って審判員自身が、どのようにすれば良かったのかを発見できるような質問を工夫したいと思いました。

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