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VARプラクティカルトレーニングを実施
2022年06月29日
6月4日(土)、5日(日)に高円宮記念JFA夢フィールドにて審判員を対象としたVAR(Video Assistant Referee)プラクティカルトレーニングを実施しました。
VARが導入されているJ1リーグ、ルヴァンカッププライムステージや天皇杯(準々決勝以降)で主審またはVAR、AVAR(Assistant VAR)を担当するためには、FIFA(国際サッカー連盟)が定めるVARトレーニングのカリキュラムをすべて修了する必要があります(副審を担当する場合は不要)。
トレーニングのカリキュラムは、
1.セオリー(座学)
2.オフライントレーニング(シミュレーターシステムを使った、室内でのトレーニング)
3.オンライントレーニング(選手にファウルやオフサイド等のシチュエーションを演じてもらい、主審・副審・VAR・AVARでコミュニケーションしながら判定するという、フィールド半面で行うプラクティカルトレーニング)
4.オンライントレーニング(紅白戦やユースの試合を活用した実践のトレーニング)
の4つのフェーズに分かれ、今回は3にあたるプラクティカルトレーニングを実施しました。
2日間にわたり実施したレーニングでは、大学生の選手に予め依頼したシチュエーションのプレーを実施してもらい、審判員たちがフィールド(主審と副審)とビデオオペレーティングルームとで、それぞれ判定に関わる手順を確認し合いました。初めてVARとして席に座った審判員たちは、映像のチェックに時間がかかっていた場面もありましたが、2日目になると次第にスムーズにチェックが行われるようになりました。
主催者コメント
東城穣 Jリーグ審判デベロプメントマネジャー(日本サッカー協会)
10名のJリーグ担当審判員と1名の女子国際審判員に参加していただき、VARプラクティカルトレーニングを実施しました。5月にセオリーを学び、シミュレータートレーニングを実施、今回はフィールドでの実践トレーニングとなりました。
VARの基本プロトコル(手順)について、頭では知識を理解していても、実際にビデオオペレーティングルームに入りヘッドホンをつけて画面を前にすると、とたんに正しい手順でやり取りができなかったり、VARで定めている用語がスムーズに出てこなかったりする難しさがあります。今回参加された審判員はその難しさを体感したことと思います。
今後も実践トレーニングを重ね、Jリーグ公式戦や天皇杯でVARとして活躍できるよう期待しています。
参加審判員コメント
長峯滉希 1級審判員(栃木県)
高円宮記念JFA夢フィールドで行われたVARプラクティカルトレーニングに参加させていただきました。
今回の目的はVAR/AVARの手順を正確に行うことでした。最初は、チェックに時間を要してしまいましたが、繰り返しトレーニングを行うことでVAR/AVARの手順を正確に素早く行えるようになりました。
今後は、JリーグでVAR/AVARを担当している審判チームに加わることができるよう、基本を忠実に守りながら、映像の見せ方やレフェリーとの交信の仕方などのクオリティを高めていきます。
最後になりましたが、素晴らしいトレーニングの環境整備にご尽力をいただいたVARサービスプロバイダの皆様、ご協力いただいた流通経済大学サッカー部の皆様に心より感謝申し上げます。
森川浩次 1級審判員(東京都)
VARの研修会は、多数あるカメラの中から短時間に正確な映像を分析する作業や、フィールド上の審判員と効果的なコミュニケーションを図る方法など、新たな経験を通して基本的な技術を磨く貴重な機会となりました。これらの経験を糧に、日本最高峰のサッカーを支える審判員の立場として、これからも多くの方に信頼され、納得される運用を追求し、実際の試合で生かせるよう今後も努力を継続したいと考えています。
研修会の実施にあたり、ご協力いただきました皆様、選手役として力を貸していただいた大学生の皆様、この場を借りて御礼申し上げます。