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スペインよりFIFAフットサル審判インストラクターを招聘
2023年05月25日
「Fリーグオーシャンカップ2023」(5.15-5.21)の開催に合わせて、スペインよりFIFAフットサル審判インストラクターのPedro Angel Galan Nieto 氏が来日しました。
大会期間中は試合ごとにPedro氏によるフィードバックセッションが行われました。審判員は優先順位を踏まえたポジショニングや事象の見極め方などについてディスカッションを行い、担当した試合映像を用いてより明確に確認しながら、そこでの学びや気付きを次の担当試合でのレフェリングに生かしていました。並行して、日本のフットサル審判指導者にとっても、審判員のパフォーマンス向上へ繋がるより効果的なフィードバックの方法やアプローチなどを目の前で学ぶ貴重な機会となりました。
また、先の「FIFA フットサルワールドカップ リトアニア2021」大会から導入された「ビデオサポート:VS」システムについて、Pedro氏によるシステムの運用や実施手順のレクチャーも行われました。試合映像を観ながら事象のケーススタディを通じて、審判員や審判指導者たちは最新テクノロジーが実際の試合でどのように活用されているか、またVS使用試合における留意点についての理解を深めました。
試合以外でも、フットサル先進国であるスペインや欧州リーグでの最新情報等の共有や、多岐に渡る話題のディスカッションなど、FIFAのトップインストラクターとのコミュニケーションを通じて多くの世界基準を学んだ1週間でした。
インストラクターコメント
Pedro Angel Galan Nieto FIFAフットサルインストラクター
日本に招待いただきありがとうございました。日本のフットサルはプレーの攻防がスピードを持って展開されており、日本の審判員は高いフィジカルレベルでよく動きレフェリングしていました。選手やチームのマネジメントもしっかりと行っており、以前と比べて審判員の成長を感じました。この大会期間中も毎試合、課題解決のチャレンジをしており、最終日はより良いレフェリングを見ることができました。
今後も日本とスペインとの協力関係を強めて審判員や審判指導者の向上に繋げていければと思います。
JFAインストラクターコメント
延本泰一 JFAフットサル審判インストラクター
COVID-19の影響により、フットサル国際審判員の海外での活動機会が激減している中、国際審判員を中心に日本のトップレベルの審判員の強化のため、このたびスペインよりFIFAフットサルインストラクターのPedro氏を招聘しました。Fリーグオーシャンカップにおけるレフェリングの視察を通じて、世界を見据えた今後の審判活動に向けて指導をしていただきました。参加した審判員はモチベーション高く取り組み、今後に向けての課題も整理でき、とても有意義な機会になりました。
審判員コメント
小林裕之 フットサル国際審判員
国際審判員として、あらゆる場面において"見られている"意識を常に持つことを改めて学び、そのため立ち姿を含めてエレガントかつプロフェッショナルであることにより、毅然さを見せることの重要性をご指導いただきました。
また、ビデオサポート(VS)のシステムが導入される場合、ホールディングやプッシングなどについて、これまで些細だとして許容してきたものでも、VSが入り映像を確認した場合、ファウルとしなければならなくなる場面が出てきます。そのため、VSが導入される試合では、そのことを念頭に置いて判断し、早くにファウルと判定することで選手が学び、その後はそのようなプレーを選択しなくなるということも考えてレフェリングする必要があります。
競技規則通りのシグナルや、3RD/TKを含めた審判チームとして、ゲーム全体での役割分担を行っていくことが現在の課題であり、今後チャレンジしていきます。
山本真理 フットサル国際審判員
今回の指導で学んだことは、プロフェッショナルな姿勢を示すことの大切さです。審判員として行うべきことの確認、基本的なシグナルや立ち振る舞いについてもアドバイスをいただき、一つ一つ誠実に対応することの積み重ねが、信頼に繋がっていくことを改めて再確認しました。
現在の私の課題は、試合展開の読みと説得力のあるポジショニングです。特にこれらに取り組みながら、今後はアジアや世界大会を任せていただけるよう、審判技術の向上に努めていく所存です。