日本サッカー協会は9月5日(土)から14日(月)まで「JFA リスペクト フェアプレー デイズ2020」を設置しています。
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今回はこの期間に先駆け行ったJFAnews7月号岡崎慎司選手（SDウエスカ／スペイン）のインタビューをお届けします。

※本記事はJFAnews2020年7月に掲載されたものです

環境の変化に素早く順応する

スペインリーグは6月11日に再開され、今（6月22日現在）は週に2日、試合が行われています。それに合わせて試合の前々日と試合の翌日にPCR検査があり、試合前には検温が義務付けられています。試合は無観客ということもありますが、これまでとはいろいろな面で異なります。スタンドにサポーターがいないのでホームとアウェイの差がなくなり、各チームの勝率にも変化が出ているようです。また、ベンチからの声がレフェリーにダイレクトに届くので、ジャッジにも影響が出ているように感じます。
チームの練習は5月11日から再開しましたが、ロッカーを使わないように練習着で自宅とクラブハウスを往復したり、メディカルチェックも人数制限を設けたりと、試合以外のところでも大きく変わりました。今はこの環境にも慣れてきましたが、選手としてはこういう変化に早く順応することが大事ですね。

言葉で伝えるよりプレーを見て感じもらいたい

スペインでは3月14日からロックダウン措置が取られました。もちろん日常生活にも変化があって、子どもたちは自宅でオンライン授業、妻は息つく間もなく家事に追われ、僕は午前中に練習して午後からはサッカーのことをあまり考えずに過ごしている、という具合。3～4週間たつとみんな行き詰ってしまって......。
そこで、家族としっかり自分の役割を果たそうと話し合いました。僕は普段、全く家事をやらないんですが、できる範囲ではあるものの、やるようになり、自分自身が変わるきっかけにもなりました。
練習はランニングマシンや体幹トレーニングを中心に行い、試合再開に向けて準備を進めていました。でも、同じことの繰り返しでは飽きてしまいますし、一人でやるのは限界があります。試合がないのに何のためにやっているんだろうという気持ちにもなりました。特に海外にいるとより強くそれを感じてしまうんです。毎週試合があって、そこで活躍することを目標に練習に取り組む。その活躍を皆さんに見てもらって、楽しんでもらう。それがサッカー選手の本分だと思っています。それができないとなると......。僕はウェブ関係が苦手なんですが、少しでも何かの役に立つようにと、トレーニング動画をサイトにアップしたりしました。そこであらためて思ったのは、スポーツは言葉が先行してはいけないということ。言葉で伝えることは最小限にして、プレーを見て感じてもらうことが大切だ、と。

サッカーができるのであればそれに全力を傾けるべき

今シーズンはスペイン移籍1年目ですが、コンスタントに得点できていて、チームにフィットしていると感じていました。その良い流れがリーグ中断で途切れてしまった。もう一度その流れをつかむためには、自分自身の成長が不可欠です。また、サッカーが日常に戻ってきた今、やっぱりサッカーに全力を傾けて生きるべきだと強く感じています。現在、リーグ上位は混戦状態なので、エネルギーをそこに注いで1部昇格を果たしたいと思います。
日本のニュースもチェックしています。育成年代の大会が中止になっているのは残念ですね。「自分だったらどうするか」と想像するんですが、出し切れなかったものは次に生かす、と気持ちを切り替えるしかないと思うんです。この先も何があるか分からない時代の中で自分だけが何かを失ってしまったなどと考えないでほしい。つらい経験だと思いますが、この悔しさをモチベーションに変えて成長していってほしいと思います。
指導者やクラブ経営者の方々も大変な思いをされていると思います。でも、こういうときだからこそ、みんなで団結してサッカーを盛り上げ、サッカーやスポーツが文化になっていけるように力を発揮してほしい。僕は欧州でプレーして、スポーツの力を感じています。ぜひ、日本もそうなっていけるように共に頑張りましょう！