オーストラリアとはこれまでに幾度となく顔を合わせている。重要な局面で激突することも珍しくないが、日本人にとって最も強く印象に残っているのはFIFAワールドカップでの一戦だろう。
2006年6月12日、舞台はドイツのカイザースラウテルン。ジーコ監督に率いられた日本は前半に中村俊輔選手のクロスがそのままゴールマウスに吸い込まれて先制した。
しかし後半終盤、後に「日本キラー」としてその名を轟かせることになるティム・ケーヒル選手に同点ゴールを許すと、終了間際にもケーヒル選手に逆転弾を決められ、さらにジョン・アロイージ選手にとどめを刺された。その間、わずか10分足らずの出来事で、その衝撃の大きさは計り知れないものだった。
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悲哀に満ちた過去もあれば、歓喜の思い出もある。
2013年6月4日、FIFA 2014年ワールドカップ・最終予選でオーストラリアを埼玉スタジアム2002で迎え撃った日本は終盤に先制点を許し、敗戦濃厚の雰囲気に包まれた。だが、終了間際の後半アディショナルタイム、本田圭佑選手が自ら得たPKをゴール中央に蹴り込み、1-1の同点に。この結果、日本は開催国ブラジルを除き、世界最速でのワールドカップ出場権を獲得した。
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2011年1月29日のオーストラリア戦も、日本サッカー界の歴史を彩っている。カタールはドーハで行われたAFCアジアカップ決勝、互いにチャンスは作るもののスコアは動かず、試合は延長戦に突入。すると延長後半4分、長友佑都選手が上げたクロスから途中出場の李忠成選手がボレーで決め、劇的勝利でアジアの頂点に立った。
ワールドカップ・アジア最終予選では、前回大会、前々回大会でも対戦しているが、常に厳しい戦いを強いられている。2010年ワールドカップ南アフリカ大会のアジア最終予選では1分け1敗、2014年ワールドカップブラジル大会のアジア最終予選では2引き分けと、過去4試合で一度も勝利していない。
今回は敵地メルボルンに乗り込んで一戦交える。激戦必至だが、これまでの借りを返して今後に弾みを付けていきたい。