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【AFCアジアカップUAE2019 グループF展望】優勝候補の一角であるウズベキスタンをはじめ、強力なチームがそろう
2018年12月29日
AFCアジアカップとしては初の24カ国が参加する今大会は、6組に分かれてグループステージが行われ、4カ国のうち上位2カ国と、3位のうち成績の良い4カ国の計16カ国がノックアウトステージに勝ち上がる。F組の日本はトルクメニスタン、オマーン、ウズベキスタンと対戦。相手は中央アジアの2カ国と中東のオマーンという構成になっている。
最初に対戦するトルクメニスタンは、2004年大会以来4大会ぶりの出場となる。2018年12月20日発表のFIFAランキングは127位。日本が50位、オマーンが82位、ウズベキスタンが95位であることを考えれば、4カ国でもっとも力が落ちるという見方もされそうだが、そもそも国際試合が多くない事情もあり、額面通りに評価することはできない。
2018FIFAワールドカップロシアの2次予選ではホームで強豪イランに1-1と引き分け、オマーンに2-1で勝利している。また12月25日にはアフガニスタンとの親善試合(アウェイ)で2-1と勝利しており、簡単な相手ではない。ヤズグリー・ホジャゲルディエフ監督は2017年1月に就任したが、2010年から3年間にわたり代表チームを率いた経験があり、その後は同国代表の約半数の選手が所属する国内リーグの名門アルティン・アシルを率いていたため、選手たちのことを熟知しているのが強みだ。
体の強さを生かしたハードなディフェンスから積極的にゴールを狙う。攻撃の中心はチェコリーグのスラビア・プラハでプレーするルスガン・ミンガゾフで、突破力とラストパスのセンスに優れる。強烈なミドルシュートを武器とするアルスランミラト・アマノフ(ブハラ/ウズベキスタン)、技術が高くゴール前の勝負強さが光るスレイマン・ムハドフ(アルティン・アシル)も危険な選手たちだ。
オマーンは中東でも堅守を誇る国として定評がある。そこにJリーグの大宮アルディージャや京都サンガF.C.での指導経験もあるオランダ人のピム・ファーベーク監督が洗練されたサイドアタックを植え付け、中東開催での躍進も期待されている。しかし、イングランドのプレミアリーグでも活躍したベテラン守護神のアリ・アル・ハブシ(アル・ヒラル/サウジアラビア)が直前にケガで大会欠場を表明。ファイズ・アル・ラシーディ(アル・アイン/サウジアラビア)が代わりにゴールマウスを守るが、統率力の面で不安要素になりそうだ。
それでもサウジアラビアの強豪アル・ナスルに在籍する経験豊富なサイドバックのサード・アル・ムハイニ、カタールリーグのアル・メサイミールでプレーする身体能力抜群のモハメド・ファライを擁する最終ラインはディフェンス、ビルドアップともに安定感がある。キープ力と展開力を兼ね備えるMFマフマド・カノを起点に繰り出されるラエド・イブラヒム・サレのサイド突破は鋭く、高さと速さを兼ね備える新エースのハリド・アル・ハジリ(アル・ナスル)にクロスやラストパスを合わせてくる。
大会の優勝候補の一角とも目されるウズベキスタンは、グループステージで日本の最大のライバルになる。率いるのはバレンシアを2度のチャンピオンズリーグ決勝(1998-99、99-2000)に導き、00年の欧州最優秀監督にも選ばれたアルゼンチン国籍のエクトル・クーペル。ロシアワールドカップではエジプト代表を率いた世界的な名将を招聘した中央アジアの雄は13年、15年のU-20ワールドカップでベスト8に進出した世代が成長し、悲願のワールドカップ出場に向けて充実期に入りつつある。
その意味でも、まず同国初のアジアカップ優勝を果たしたいところだろう。日本とは3試合目で対戦するが、ここまでの2試合で日本とウズベキスタンが順調に勝ち点を積み上げていれば、首位通過をかけた大一番として注目を集めるはず。3試合目がアル・アインで行われるため、同じアル・アインが決勝トーナメント1回戦の会場となる2位通過のほうがベターという見方もある。ただし、F組は日程の進行がもっとも遅く、2位通過の場合はB組2位の相手より日程間隔が2日間も短いという不利な状態で戦うことになるため、3試合目も勝って勢いを付けてノックアウトステージに進むことが大事だ。
攻守両面での強度が高く、シンプルだが正確なパスワークとサイドの推進力を生かしたチャンスメークからロシアリーグのロストフでプレーする190cmのFWエルドル・ショムロドフが迫力あるフィニッシュに持ち込む。攻守の要は中国の上海上港に所属するオディル・アフメドフ。チームのキャプテンも務めるMFを軸にUAEのアル・シャールジャでプレーするオタベク・シュクロフ、ジュビロ磐田の所属で大ケガから復帰したフォジル・ムサエフらが躍動する。
33歳のアンズール・イスマイロフ(ロコモティフ)が統率するディフェンスラインは経験豊富なベテラン、中堅選手がそろう。その中で、2015年のU-20W杯メンバーでレノファ山口に加入した23歳のドストンベク・トゥルスノフが主力に割って入れるかも注目されるが、日本にとってグループステージで最大のライバルであるとともに、その後の行方を占う大一番になるだろう。
スケジュール
AFCアジアカップUAE2019
大会期間:2019/1/5(土)~2019/2/1(金)
グループステージ:
2019/1/9(水) 20:00キックオフ(日本時間)
vs トルクメニスタン代表
2019/1/13(日) 22:30キックオフ(日本時間)
vs オマーン代表
2019/1/17(木) 22:30キックオフ(日本時間)
vs ウズベキスタン代表
地上波放送:テレビ朝日系列にて生中継 予定
BS放送:NHKBS1にて生中継 予定