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アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第47回 井上和徳 U-16代表兼FFCアカデミー監督
2020年09月30日
カンボジアでの日々の現状
私は2016年2月から2018年1月と、2019年2月から現在に至るまでカンボジアに赴任し、現在はU-16代表兼ナショナルアカデミー監督を務めています。
今シーズンは新型コロナウィルスの世界流行により例年とは違った形で過ごしています。驚かれる方も多いのですが、9月中旬時点でカンボジア国内での新型コロナウィルスが原因での死亡例はなく、感染が確認された275名の患者の多くは外国人か外国からの帰国者であり、274名が既に回復しています。
とはいえ、全寮制で活動しているナショナルアカデミーも4月上旬から6月中旬まで選手たちを自宅待機させるなどの感染防止対応を行い、その後活動を再開しました。
予定されていたU-16代表チームの国際大会は延期されたため、国内の育成年代の試合を視察し、代表チーム候補の選手たちのスカウティング活動を継続しています。
カンボジアのサッカー事情
本田圭佑氏が実質的な監督を務めるカンボジア代表はFIFAワールドカップアジア1次予選を突破し、2次予選を戦っており、U-23代表は2019年のSEAGAMES(東南アジアのオリンピックと言われている)で準決勝に進出しました。行徳浩二監督率いるU-19代表も見事予選を突破しAFC U-19選手権決勝トーナメントに進出を決めています。それぞれの代表チームではアカデミー出身の選手もプレーしており、若年層の育成に力を注いできた成果が徐々に出来てきていると思います。また国内1部リーグにおいてもアカデミー出身の選手が若手ながら各チームで試合に出場する機会が増えており活気を与えてくれています。
以前ナショナルアカデミーのアシスタントコーチとしてサポートしてくれていたコーチの2名が、先日それぞれ国内1部リーグの月間優秀監督賞とU-16リーグの優秀監督賞を受賞しました。両者ともに日本サッカーをとてもリスペクトしており、JFAやベガルタ仙台での研修経験もあります。国内のトップリーグと育成年代を引っ張るカンボジア人指導者が日本サッカーから大いに影響を受けて成長しました。若い選手、カンボジア人指導者の成長がこの国のサッカーを活性化していくと期待しています。
海外から見た日本サッカー
新型コロナウィルス関係の対応策についてJFAやJリーグから発信されている情報を参考にしました。技術戦術や試合日程、結果だけでなく、安全で快適なサッカーライフをサポートする情報が提供されている日本のサッカーを心強く感じていました。日本の様々な取り組みはアジアの国々の良いモデルになります。日本はアジアのサッカー文化の醸成の面でも益々大きな役割を担っていくものだと思います。
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