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【キリン特別協賛200試合記念】世界の強豪と試合を重ねて日本代表が成長~キリン特別協賛試合を振り返る
2023年09月11日
9月12日(火)にベルギーのゲンクで開催されるキリンチャレンジカップ2023、SAMURAI BLUE(日本代表)対トルコ代表でキリン特別協賛試合の記念すべき200試合目を迎えます。ここでは「キリンカップサッカー」などキリン特別協賛試合の振り返りを、サッカージャーナリストの国吉好弘さんにご執筆いただきました。
※キリンカップサッカーの前身となるジャパンカップ6試合とその後の特別協賛を合わせて200試合目
「ジャパンカップ」として1978年にスタートした大会は、第3回大会の1980年から「ジャパンカップ・キリンワールドサッカー」となって3年目の1982年大会で日本代表は初めて準優勝という結果を残した。この年から大会は5チームによる総当たり戦となり、ドイツのヴェルダー・ブレーメン、オランダのフェイエノールト、アジアからシンガポール代表を招き、日本代表と天皇杯優勝の日本鋼管が迎え撃った。ここで輝いたのが日本代表のFW尾崎加寿夫だった。初戦のフェイエノールト戦でなんと一人で4ゴールをたたき出して5-2の勝利に導いたのだ。日本代表はシンガポールも2-0で下し、ブレーメンには1-2で敗れたが、日本鋼管にも5-0で勝って3勝1敗で2位となった。尾崎はシンガポール戦、日本鋼管戦でもゴールを決め4試合で6得点の活躍だった。特にかつて欧州チャンピオンズカップ(現、UEFAチャンピオンズリーグ)で優勝した強豪に4ゴールを奪った活躍は欧州でも話題となり、翌年にドイツのビーレフェルトと契約して奥寺康彦に次ぐ日本人プロ選手となるきっかけとなった。
この大会で優勝したブレーメンではその奥寺が安定したプレーで優勝に貢献。奥寺はさらに、大会が正式に「キリンカップ」となった1985年の翌年、1986年大会でも3度目の出場(1度目は1978年にケルンの一員として)を果たす。この時はすでに9年にわたるドイツでのプロ生活に区切りをつけて日本に帰国することが決まっており、ブレーメンでの最後の活動となったがキャプテンも任されて2度目の優勝を自らカップを掲げて祝った。
日本代表が初めて優勝したのは1991年大会。すでに国内ではJリーグ開幕へ向けてプロ化の準備が進んでおり、前年のアジア大会にはブラジルから帰国したカズこと三浦知良、日本に帰化したラモス瑠偉も日本代表に加わって、キリンカップにも初めて出場。タイ代表を1-0で下すと、ブラジルのバスコ・ダ・ガマを2-1で退け、イングランドのトッテナム・ホットスパーには4-0と快勝して3戦全勝で初めてカップを手にした。
翌1992年からキリンカップは代表チーム同士の対戦となり、アルゼンチン代表、ウェールズ代表が来日。アルゼンチン戦は日本代表初の外国人監督、ハンス・オフトの初采配となり世界の強豪を相手に善戦したが、エース、ガブリエル・バティストゥータに決勝ゴールを決められて0-1で敗れた。この試合では現日本代表監督の森保一が初めて日の丸のユニフォームに袖を通している。
1994年大会にはフランス代表が来日、「ドーハの悲劇」でアメリカワールドカップ出場を逃した日本と同様に、予選最終戦で敗退した再出発の始まりだった。とはいえ、マルセル・デサイー、ディディエ・デシャン、ジャン・ピエール・パパン、エリック・カントナといったワールドクラスを揃えた陣容に、ロベルト・ファルカン監督が就任して間もない日本代表は歯が立たず1-4で完敗している。
それでも加茂周監督に代わった翌1995年大会ではスコットランドと0-0と引き分けた後、エクアドルに3-0と快勝して、この大会方式になって初めて優勝。さらに1996年にはドラガン・ストイコビッチ、デヤン・サビチェビッチらを擁するユーゴスラビアに1-0で勝ち、異色のGKホルヘ・カンポスら個性派軍団メキシコに0-2から逆転して3-2で勝ち、連覇を達成した。さらに1997年ものちにワールドカップ本大会で苦杯を喫するクロアチアとトルコと対戦し、4-3、1-0で競り勝ち、3大会連続優勝を果たした。この大会では1カ月前の韓国戦で代表にデビューした中田英寿が2試合とも先発して代表での地位を確立している。これらの強化が実を結び、途中岡田武史監督の緊急就任といった事態はありながらもワールドカップ初出場につながっていく。
2002年日韓共催ワールドカップへ向けて、フィリップ・トルシエ監督のもと強化を進める中で「キリンチャレンジカップ」として世界各国との強化試合がスタート。2001年11月にはイタリア代表を招き、埼玉スタジアム2002のこけら落しもかねて対戦した。柳沢敦の鮮やかなゴールで先制しながら後半に追い付かれて1-1で引き分けたが、優勝候補の一角と互角の試合ができたことで期待を高めた。本大会でも日本は目標のグループステージ突破を果たすことになる。
ジーコジャパンのスタートも「キリンチャレンジカップ」のジャマイカ戦。中田、中村俊輔、稲本潤一、小野伸二の日本版「黄金のカルテット」がそろい踏みして、その連係から見事な先制点を挙げたが、後半に追い付かれて引き分けた。続くアルゼンチン戦でも0-2で敗れるが、この試合で遠藤保仁が交代出場ながら代表デビューを飾り、その後152試合というAマッチ最多出場記録を作る第一歩を記した。
日本代表の進歩も選手個々の成長もこうして国際試合を重ねることで高められてきた。さらなる進歩、成長でワールドカップベスト8、優勝という夢の実現につなげたい。
2023年9月12日(火) 14:20 キックオフ予定(日本時間 9月12日(火) 21:20)vs トルコ代表
会場:ゲンク(ベルギー)/セゲカ・アレーナ
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