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第10回フットボールカンファレンス、最終日にデル・ボスケ氏登壇
2017年01月10日
第10回フットボールカンファレンスは9日、いよいよ最終日を迎えました。最終日は今回のカンファレンスで最も関心の高かったセッションからスタートしました。
南アフリカFIFAワールドカップ2010、そしてEURO2012をスペイン代表監督として制し、クラブレベルでもレアル・マドリードで多くのタイトルを勝ち取ってきたビセンテ・デル・ボスケ氏がフットボールカンファレンスのステージに上りました。ヨーロッパサッカー連盟(UEFA)のテクニカルダイレクターを務めていたときから進行のあるアンディ・ロクスブルグ アジアサッカー連盟(AFC)テクニカルダイレクターとの対話形式でセッションは始まりました。
ロクスブルグ氏の質問に落ち着いて丁寧に終始答えていたデル・ボスケ氏、選手育成、スター選手との付き合い方、監督のロッカーでの立ち居振る舞い、そして指導者としての姿勢、受講された皆さんも一言も逃すまいと熱心に耳を傾けていたのが印象的でした。
続いて、AFCテクニカルダイレクターを務めるアンディ・ロクスブルグ氏がそのまま一人ステージに残り、「アジアの未来と日本の育成への示唆」というテーマでプレゼンテーションを行いました。
この日の公開討論は日本サッカーの将来に向けて、各年代の指導者の方々が登壇しました。Jリーグのクラブのアカデミーから鴨川幸司 ガンバ大阪ジュニアユース監督、高体連から昌平高サッカー部の藤島崇之監督、中体連から那覇市立小禄中学校サッカー部の山城宏幸監督、そして少年少女サッカー連盟から石川県符津スポーツ少年団を指揮する西本達郎監督が登壇。JFA地域ユースダイレクターの山橋貴史氏、星原隆昭氏が進行役となり、育成の環境の現状を話してくれました。
セッションの締めくくりは須藤茂光 JFAユース育成ダイレクターでした。「育成の将来」ということで、このカンファレンスで伝えられたメッセージも加えて、これからの選手育成について、最後にまとめて発信を行いました。
最後に3日間、カンファレンスの全体進行を行っていた山口隆文 JFA指導者養成ダイレクターが今回のカンファレンスを総括して受講された指導者の皆さんにメッセージを送り、第10回フットボールカンファレンスは閉会となりました。
最後に山口隆文JFA指導者養成ダイレクターが発信したメッセージを紹介します。
「あっという間の3日間だったと思います。
このカンファレンスのテーマは我々もずっと考えながら、これを組み立てて来ました。
「育成の検証とこれから」ということで、まずは検証をしてみようと、ワールドカップが終わって2年が経ち、そしてこの育成ではU-16、U-19がアジアをやっと勝ち抜きました。
その中で我々は今後どうしていかなくてはいけないのか。今やっていることが本当に良い方向なのかどうか、ということを検証しようと。
そして今回のこのカンファレンスで検証の結果、方向性については間違えないと、それをアンディ・ロクスブルグ氏からも「間違いない」と言っていただきました。
ただ今、須藤ユースダイレクターが見せてくれたように世界のサッカーと日本のサッカーを比較したときに「本気でボールを奪う日常」が本当にあるのかどうか、そしてその本気でボールを奪おうとする日常が我々が作った中で、本当にハイプレッシャーになったときに、それをかいくぐるだけの基本技術の質が徹底されているのかどうか、この辺が確認できたのではないかと思います。是非日常のチームで、そしてこの情報を初日に田嶋会長が皆さんにお願いしたように、このカンファレンスで得たものを周りの方にも伝えていただければなと思います。
本気で日常を変えたら我々にもチャンスがある。スペインが為せたことを我々も為せる、ということをビッグビジョンとして持って、これからの日本サッカーをみんなでその大きな目標に向かって、ご協力をいただきながら、目の前の子どもたち、選手たちに良い指導をしていただきたいなと思います。
最後に感謝を申し上げたいと思います。
まず、この広島県、広島市、そして広島県サッカー協会の皆様、本当にありがとうございました。
そして海外から先進的な取り組みを教えてくださったゲストの皆様、ありがとうございました。
また一緒になってアジア全体を高めていかなくてはいけない、アジア全体が高まらなければ日本も強くならない。切磋琢磨できるように、そのために集まってくださったアジアの仲間の皆さん、ありがとうございました。
最後にこれだけ多くの指導者の方々が、北海道から沖縄まで、1,000人を超える方々の情熱をここに結集してくれました。本当にありがとうございました」
コメント
西野朗 JFA技術委員長
初めて参加してみて、こんなに規模が大きいと思っていませんでした。自分自身も学ぶことが出来、とても良い刺激を受けました。「育成の検証とこれから」というテーマは、ハリルホジッチ監督も常々「若い年代から育成の活性化というものを図っていかなければいけない」と言っています。国内外のゲストからのメッセージを聞き、参加された多くの指導者のみなさんも刺激を受けたことと思います。
受講者コメント
尾上司 さん
世界の育成について触れ、人として育成することの重要性、個の背景まで見ることの重要性、サッカーの本質の重要性を感じることができました。また各カテゴリの現状と課題も改めて知ることができたので今後の育成現場をより良くしていくために活動していきたいと思います。
三木通孝 さん
ビッグインタビューでは元スペイン代表監督であるビセンテ・デル・ボスケ氏から、
「ユース育成」の経験談を直接聞けて大変有意義でした。中でもスポーツ選手として育てる前に、まず人間として育てること、そして選手がサッカーを楽しめることが大切という部分が特に印象的でした。