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ブルーノ・ガルシアのフットサル道場 vol.17「自分に投資する時間をもっと増やすために」
2020年08月11日
必見「フットサル道場」!
機関誌『JFAnews』で連載中のブルーノ・ガルシアフットサル日本代表監督のコラムをJFA.jpでもお届けします。フットサルの魅力や指導法など、フットサルだけでなく、サッカーにも通じるポイント満載です。
※本コラムはJFAnews2019年12月に掲載されたものです
一定の基準でフィルターがけ
今回のコラムでは、情報の取捨選択とタイムマネジメントについて触れる。
読者の皆さんは、日々触れる情報の扱い方について考えたことはあるだろうか。指導者の場合、戦術など新しいものを学んだ後も、いくつかの作業が残っている。まず、選手たちに分かりやすく伝え理解してもらうこと。それ以上に重要なのが、本当に選手が理解したかを実際のパフォーマンスでチェックし、できるようになってもらうことだ。
とはいえ、スタートにあたる「正しい情報を選ぶ」作業でつまずくと、その情報はチームに浸透していかない。では、一度取り入れた情報はどう扱えばいいか。
私は、自分にとって必要なものと不要なものを分け、情報をそぎ落とす作業、すなわち「フィルタリング」が最も重要だと考える。
情報のフィルタリングと聞いてピンとこなくても全く問題ない。誰もが気づかないうちに行っている作業だからだ。
例えば、独学で料理を学ぼうとなったとき、今は多くの人が検索サイトで「料理 初級」や「スペイン料理 レシピ」とキーワードを打ち込むだろう。すると、関連するサイトがいくつか表示される。そのとき、ほとんどの人がリストアップされたものが自分に合うか否か、フィルターをかけて判断するものだ。
目次を見て自分の知りたいことが書かれているかどうかをチェックすること、あるいは、ユーザーの感想や星の数(評価)に目を通すことも立派なフィルタリング。手当たり次第、情報を得ようとするのではなく、一定の基準で情報をふるいにかけた後、本当に必要なものを選択することがポイントといえる。
タイムマネジメントが自己成長の助けになる
代表チームの監督である自分も厳選した情報を使っている。その典型が、次の試合の対戦相手をビデオにまとめたプレー集をつくるときだろう。
例えば、直近の5試合を対象に、スタッフそれぞれに攻撃、守備、攻撃から守備、守備から攻撃、セットプレーなど特定の場面を担当してもらう。そして、それぞれが、映像から該当するシーンを切り取って1本にまとめる。その映像集を今度は私がさらに絞り込み、最終的には7~8分のビデオに編集する。
5試合という膨大な量の映像から集約したものを使って、ようやくミーティングで選手たちに対戦相手の特徴を伝えるという流れである。
言うまでもなく、映像イコール情報である。指導者には無数の情報から必要なものを抜き取り、なおかつ選手のパフォーマンス向上につなげる「読解力」が求められる。そしてこの力を身につけるには、時間をマネジメントする能力にも長けていなければならない。
皆さんの学生時代、クラスに一人は要領の良い生徒がいなかっただろうか。あまり勉強をしているようには見えないけれど、テストでは好成績を残すタイプだ。こんな生徒に限って、過去の問題をくまなく調べるなど、テストに出そうな問題を吟味した上で机に向かうもの。それも立派なタイムマネジメントといえる。
かくいう私も、時間は限られているが、指導者として人間として成長したいという思いは変わらない。効率良くタイムマネジメントし、自己投資する時間を生むべく、アメリカから時間管理術に関する書籍を取り寄せ、自分のスケジュールの最適化を図っているところだ。
「現代では、情報を集めることよりも、集まった情報をどう活用するかが大事」とブルーノ監督は語る
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