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【Match Report】なでしこジャパン、デンマークに0-1で敗れ、1勝1敗で欧州遠征を終える

2023年04月12日

【Match Report】なでしこジャパン、デンマークに0-1で敗れ、1勝1敗で欧州遠征を終える

なでしこジャパン(日本女子代表)は4月11日(火)、デンマークのOdense StadiumでFIFAランキング16位のデンマーク女子代表と対戦し、0-1で敗れました。

初戦のポルトガル戦と同じ3-4-2-1のシステムで臨んだ日本は、先発メンバー4人を替え、熊谷紗希選手が3バックの中央で先発。ウイングバックの左に遠藤純選手が入り、インサイドハーフに岩渕真奈選手、1トップには植木理子選手が入りました。

30℃を超える暑さだったポルトガルから一転、11℃と肌寒いコンディションの下、現地時間18時にキックオフを迎えました。

FIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023で、日本はノックアウトステージ初戦で北欧のチームと対戦する可能性があります。そのため、デンマーク戦は「仮想ラウンド16」(熊谷選手)にもなる位置付けで試合に臨みました。しかし、立ち上がりは強度の高い守備を見せるデンマークに押し込まれる時間が続きます。

開始早々の1分と5分、そして15分にも立て続けにコーナーキックを与え、高さのあるデンマークに際どいシュートを打たれます。その後もピンチが続きますが、この時間帯を粘り強く耐えると、19分に清水梨紗選手のクロスから長谷川唯選手がミドルシュート。これが日本のファーストシュートとなりました。25分には中盤を突破されて再びピンチを迎えますが、熊谷選手のブロックで事なきを得ます。

その後は、選手同士の立ち位置を修正した日本が主導権を奪います。38分には、清水選手のグラウンダーのクロスを受けた岩渕選手が相手をかわして至近距離からシュート。これはGK Maja Bay Østergaard選手のファインセーブに阻まれました。

後半も試合を優勢に進めた日本は、51分、前線で植木選手が倒されて絶好の位置でフリーキックを獲得。遠藤選手のキックに三宅史織選手が頭で合わせますが、惜しくも枠を外れます。

58分には、宮澤ひなた選手と守屋都弥選手を投入。62分には右サイドのスペースにフリーで抜け出した藤野あおば選手がクロスから決定機を演出。さらに、その1分後には左サイドで宮澤選手と遠藤選手の連係からゴールに迫りますが、これもGK Østergaard選手に阻まれます。

75分には、浜野まいか選手を投入して攻撃のギアを上げましたが、78分にJanni Thomsen選手と競り合った南萌華選手のバックパスが、飛び出したGK山下杏也加選手の脇を抜けてゴールに吸い込まれ、オウンゴールとなりました。

1点を追う日本は87分に杉田妃和選手を投入し、両サイドから積極的にクロスを入れて最後まで反撃を試みます。しかし、自陣でハードワークを続けたデンマークの堅守を破ることはできず、0-1で敗戦となりました。

試合後、池田太監督はピッチ内で円陣を作り、「これが本番だったら競った試合でも敗戦になる。一人一人が7月に向けて成長していこう」と総括。FIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023前最後の海外遠征を1勝1敗で終えたなでしこジャパンは、新たな積み上げと課題を得て、6月のメンバー発表、そして7月の本大会へと向かいます。

監督・選手コメント

池田太 監督
立ち上がりからデンマークが人に合わせてプレスに来ている中で、それをかわしていくためにどのスペースが空いているかを共有したかったのですが、相手の圧力を受けてしまった部分がありました。前半のうちに修正して、後半はボールを動かしながら押し込む時間帯を多く作れた点は良かったです。勝利できなかったことは悔しいですが、ワールドカップ出場国と対戦し、拮抗した試合の中でいろいろな選手の組み合わせやプレーの特徴を見られたことは収穫でした。その中で1点の分かれ目になるプレーなど、勝負の厳しさを学んだ試合になりました。

DF #3 南萌華 選手(ASローマ/イタリア)
北欧のチームはビルドアップも上手なので、対応できるアジリティや守備の細かいところまで合わせてコースを切らなければいけないのですが、前半はうまく合わせられませんでした。相手の立ち位置で判断を迷ったり遅れたりしたところがあったので、チームとしてその決断をもっと早くしていかなければいけないと思います。失点シーンは、ああいう一本のミスで試合が決まってしまうので、難しいことをしないで、はっきりクリアすることが最善の判断だったと思います。ロングボール一本でやられて試合に負けてしまうのは一番良くない負け方だと思うので、守備の選手としてもっと気を引き締めてやらせないようにします。

DF #4 熊谷紗希 選手(FCバイエルン・ミュンヘン/ドイツ)
入りで相手の勢いに飲まれてしまいました。早い時間帯にコーナーキックを与えて失点したら本当に苦しい試合になるので、今一度、確認して気を引き締めたいと思います。立ち上がり15分は苦しい時間が長い中でも失点しなかったところは収穫です。試合中に話しながら立ち位置を変えたり、工夫して前に進む回数を増やすことができましたが、「いかに得点するか」、「いかにあの一本を守り切れるか」という細部は詰めていきたいです。本大会なら私たちはここで帰国になってしまうので、「本番じゃなくて良かった」と考えるしかないですが、自分も含めて全員がチームに帰ってもう一度パワーアップしなければいけないと感じています。

MF #13 遠藤純 選手(エンジェル・シティFC/アメリカ)
試合の入りは相手のプレッシャーが強かったので、難しさがありました。デンマークの前線の選手が速いことはわかっていたので対応できましたが、プレッシャーをはがした時には、自分からもっと早い段階で質の高いクロスや足を振り切ることができたと思います。
後半はチャンスの数が増えましたが、質の悪いパスが何本もあったのは反省点です。試合を通じて自分らしさ、チームらしさを出せた部分もあったので、そこはポジティブに考えながらも、敗戦という結果を受け止めて課題と向き合っていきたいです。

MF #14 長谷川唯 選手(マンチェスター・シティ/イングランド)
ポルトガル戦のように、ボールを持てる試合ではリズムを作りながら打開方法を考えられるのですが、この試合のように、日本を分析してハイプレスで対策された中では、立ち位置を変えながら、どのスペースが空いているかをもう少し早く見つけて修正する必要があると感じました。ゴールに迫る怖さもまだ足りないと思いますし、点を取らなければいけない終盤に攻撃が単発に終わってしまうことがあったので、最後の精度はもっと高めていきたいです。所属チームではアンカーのポジションですが、もっと前に顔を出すことやチャンスメイクに関わっていけるように意識して取り組みたいと思います。

国際親善試合

2023年4月11日(火) 18:00 キックオフ予定(日本時間 4月12日(水) 1:00) vs デンマーク女子代表
会場:オーデンセ(デンマーク)/Odense Stadium
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