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第31回JFAレフェリーキャラバンを新潟県で開催
2017年12月01日
11月25日(土)・26日(日)に新潟県のJAPANサッカーカレッジでレフェリーキャラバンを開催しました。審判員・インストラクター総勢39名にご参加いただきました。
佐幸欣治インストラクターと新潟県サッカー協会加藤審判委員長がこのキャラバンのために何度も打ち合わせを行い、新潟県で抱えている課題等を抽出し、プログラムを作り上げました。指導者は、佐幸インストラクターと山崎インストラクター(北海道レフェリーデベロップメントオフィサー/S級インストラクター)を中心にチュータリングや試合分析を行いました。審判員は、扇谷健司プロフェッショナルレフェリーを中心に審判の魅力について考え、体育館でのミニゲームを活用しながらレフェリングのアドバイス等を行いました。
新潟県は環境に恵まれており、若手審判員を育成するために、審判インストラクター達が積極的な取り組みを行っています。プログラム中、審判員の笑顔も絶えず、これからの活躍が期待される存在であるということを肌で感じることができた2日間となりました。
インストラクターコメント
佐幸欣治 サッカー1級審判インストラクター(富山県)
冬型気圧配置で雪交じりの雨が降り寒い天候のなか、会場には、18名のインストラクター、13名の審判員が集まり、「恋するフォーチュンクッキー」からのスタートで心身ともに熱くなり外の寒さを吹き飛ばすことができました。参加指導者・審判員は前向きに積極的に意欲的に学ぼうとしている姿勢が印象的で、今後の活躍が期待できる研修会になりました。
新潟県キャラバンの目的は「若い審判員の育成及び指導者のスキルアップ」でそのために指導者は新たな指導手法を学び体験することでした。研修内容は、1日目はキャラバンを通して2019年から本格的実施される地域トレセンの理解、その後、指導者はチュータリング・事前配布したビデオの試合分析、審判員は扇谷PRによる審判の魅力・体育館での実技・teaching materialでの判定基準を行いました。2日目は、午前中は、雨の中でのプラクティカルトレーニング、午後は、山﨑氏が指導者に対してプラクティカルの振り返り・試合分析後のロールプレイ、審判員は、扇谷PRによる動きとポジショニングの振り返りを行いました。少し欲張り過ぎなメニューかと思いましたが、参加された方の取り組み姿勢が前向きで、実り多いキャラバンだったと感じました。また、新潟県サッカー協会審判部や素晴らしい環境を提供して頂いたJAPANサッカーカレッジの協力がありキャラバンの成功に結びついたと実感しています。今後の新潟県の活躍を祈っています。
開催FA審判委員長コメント
加藤芳彦 一般社団法人 新潟県サッカー協会審判委員長
新潟県では2009年に開催された国体を契機に審判員の普及・育成・強化という三本柱を立て活動してきました。そしてこの5年間で1級審判員を4名、女子1級を2名、フットサル1級1名を輩出することができました。また1級審判員が県内の審判員へのかかわりを持つことで若手審判員が刺激を受け、新たに意識が高く、意欲に満ちた審判員が生まれる環境ができつつあります。しかし、その若手審判員を育成する指導者の数が圧倒的に足りないというのが現状です。そこで今回のキャラバンでは「若手審判員の育成」をテーマに、17歳から22歳位の若手審判員と今後彼らを指導するインストラクターを対象に今回のキャラバンを行いました。
当日、審判員はPRの扇谷氏の話を間近で聞くことができたくさんのメッセージを受け取ったことだと思います。また自らの意見を述べることで今まで気づかなかった自分を引き出すこともできたのではないでしょうか。インストラクターは佐幸氏、山崎氏から育成するうえでのポイントとなる指導方法を学びました。審判員を指導するうえでの「アセスメント」「ティーチング・チュータリング」「プラクティカル」そして「ゲーム」というサイクル明確にしたことで、今何を学んでいるのかを明確にできたことは非常に有意義だったと思います。参加者が活発に意見を出し合い、積極的に参加してため時間はあっという間に過ぎてしまいました。キャラバンが終了した今、ここからがスタートと考えています。指導者育成に向けた委員会内の役割の見直し、計画と実行、振り返りとやらなければならないことが見えてきました。今後、これを機会に継続させることで厚みのある指導体制を作っていきたいと考えています。
受講者コメント
阿部浩士 サッカー2級審判インストラクター
参加する前はどの様なことをするのか、今まで参加していた研修とはどう違うのか、他県ではもうすでに実施されているにもかかわらず全く分からず、期待と不安で楽しみでした。「チューターリング」という聞きなれない言葉に戸惑いながらも、オープンマインドな佐幸インストラクターの分かりやすいご指導の下で、ラーニングサイクルや6ステップ、ダイヤモンド9などの考え方やスキルを用いて指導を進めていくことを教わりました。それによって、受け手が自分で考えることで理解を深め、気づきを得ることが出来、相互に成長できることを学びました。また、プラクティカルトレーニングでは、オフサイド、手や腕の不正使用、動きとポジショニングの場面を想定し取り組みました。山﨑インストラクターからは、どんなミスが起こりやすいのかを考えようという中で、現在使用している用具や、プレーヤー・ボール・インストラクターの位置の工夫、審判員の動き出すタイミングの取り方などを伝授いただき、途中でもRecapすることなどを合わせてお話いただきました。得たものを今後に活かしていきたいと思います。
湯淺貞夫 サッカー2級審判インストラクター
最新のJFAの考え方や方針、最新のスキルを生で触れることができるという期待で、このレフェリーキャラバンにすぐに参加希望しました。そして、試合映像のアセスメント分析表の作成、プラクティカルトレーニング用のプランニングシートの作成を事前に要求され、果たして、インストラクターで年寄となった私が若手と一緒に上手く受講できるのか不安でした。ところが、オープニング直後の映像・音楽に合わせた踊りやJFAスタッフ皆様のオープンマインドな導きにリラックスして臨むことができました。講義では、ラーニングサイクルによる改善継続の必要性やチュータリングの考え方(少し教えて、深く教えて)に新鮮さを感じました。また、実践では、座学より何倍も効果的なプラクティカルトレーニングでは、懲りすぎてしまい上手く効果を上げることができませんでしたが、「振り返り」での他グループの反省を聞き、コツを少し掴むことができました。
最後のあいさつで、新潟県は環境に恵まれ、ここ数年、毎年1級審判員を輩出しているので継続してほしいとのお話がありました。ただ、新潟県は地域レベルの試合が多い割にインストラクターの数が他県より少ないのが現実です。この研修を通じ、新潟県のインストラクターの増員やレベルアップに少しでも貢献できればと思っています。
阿部達也 サッカー3級審判員
まず今回のレフェリーキャラバンに参加できたことを嬉しく思います。トップレフェリーの扇谷さんのお話をお聞きできたことや、プラクティカルとその振り返りを通して課題を見つめ直せたことは、私にとってとても良い経験となりました。今回の講師には前述のようにプロフェッショナルレフェリーの扇谷健司さんにお越しいただきました。二日間の活動の中で、経験談や信念のお話、実際の動きの中でのご指導などをしていただきました。私は今回の扇谷さんのお話の中で責任という言葉が印象に残りました。私たちのレベルでも、県から派遣されている責任や、試合を作る責任があるのだということを再確認することができました。
またプラクティカルでは、オフサイド判定や手の不正使用の判定という内容を行いました。実践していた時の感覚と、ビデオで振り返りをした時の感覚の差異に驚きを覚えながらも、フィードバックと共に改善することの必要性を感じられました。普段行わない基本の部分の重要性を改めて今一度見つめ直そうと思います。今回聞き、動き、学んだ内容を活かして、まずは早く2級に昇級し、活動の幅を広げられるよう努力します。
藤森暖土 サッカー3級審判員
私は扇谷さんの「逃げるな」という言葉が印象深く心に残っています。今回のキャラバンでもはじめはユース審判であるということから、年上の審判員の方がいる中でどうしても遠慮して一歩引いていました。ですがこの言葉を聞いて「今の自分はただ失敗から逃げているだけだ。」と思えるようになりました。そして話し合うセッションの中で自分から少しずつ積極的に発言することができました。それから別のお話の中で「失敗してもいいんだぞ」といっていただき自分の中にまだ少しあった「逃げ」がなくなり、先輩がいる中でさらに発言することができるようになりました。二日目のプラクティカルでは他の人たちに負けないくらい堂々とチャレンジすることができました。
キャラバンを通して間違っていることを発言したことがあったかもしれません。ですが自分で考えたことを発言する大切さやその挑戦から逃げずに、失敗から学ぶということの大切さを感じることができました。そのことは何より自分がキャラバンで成長できたことだと思いました。受講生のみなさん、インストラクターのみなさん、そして自分の考え方を変えるチャンスをくださった扇谷さん、本当にありがとうございました。