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長野県須坂市に新しいサッカー施設が完成
2022年05月10日
JFAではグリーンプロジェクトの一環として、2015年から全国各地に都道府県フットボールセンターや地区サッカー施設を整備する「JFAサッカー施設整備助成事業」を行っています。長野県須坂市では、北部運動広場に新たに人工芝一面のサッカー場が完成し、そのキックオフセレモニーが4月24日(日)、須坂市の三木正夫市長など地元の関係者や田嶋JFA会長が出席して行われました。
この施設は、2019年の「令和元年東日本台風(台風19号)」で千曲川岸にあった福島スポーツ広場サッカー場が大きな損傷を受け、災害の少ない場所への移転と人工芝ピッチ新設の要望が同市内のスポーツ団体からあり、長野県内の各地域にサッカーの拠点を整備する長野県サッカー協会の構想とあわせて、須坂市が主体となって整備されることになりました。
キックオフセレモニーでは、出席した来賓の挨拶の後、ソーシャルディスタンスを確保してボールを蹴り、施設のオープンを祝いました。その後、地域の子どもたちと一緒に記念撮影を行いました。セレモニー後はAC長野パルセイロのスタッフによるサッカー教室が行われ、さっそく地域の子どもたちのサッカーを楽しむ姿が見られました。
今回の人工芝設置にあたっては、ゴムチップが流出しにくい設備が取り入れられるなど、環境面を中心に持続可能性にも配慮されています。新たに冬季の利用が可能となり、長野県サッカー協会や須坂市サッカー協会、AC長野パルセイロなどを中心に、ほぼ年間を通じた利用が見込まれています。
コメント
三木正夫 長野県須坂市長
北部運動広場の人工芝化ができましたことは、技術面、財政面など幅広くご支援、ご指導を賜りました公益財団法人日本サッカー協会会長 田嶋幸三様をはじめ関係団体の皆様、そして、整備事業に携わっていただいた皆様のご尽力の賜物と、心から感謝申し上げます。
北部運動広場の人工芝化は、令和元年東日本台風災害により、千曲川の河川敷内にある体育施設が甚大な被害に遭ったことから、須坂市スポーツ協会等から要望があり、検討した結果、整備することを決定しました。
導入した人工芝は、マイクロプラスチックの流失を可能な限り少なくし、かつ、環境負荷を軽減するため、耐久性や温度抑制効果の高い素材を選定しました。
果樹園に囲まれ、我が国を代表する北アルプスなどの山々が望めるこの場所でスポーツが出来ることは、未来を担う子どもたちの心身の健やかな成長につながると確信しております。
今後とも、地域住民に愛される施設として、また、スポーツの拠点として多くの方に有効利用されるよう努めてまいります。
田嶋幸三 会長
「須坂市北部運動広場」の完成を心よりお慶び申し上げます。3年前の台風19号によりこの地区の住民の皆さんが被災され、また、市民に親しまれてきた河川敷一帯のスポーツ施設が冠水するなど甚大な被害に見舞われました。それだけに今日、こうしてこの地域初となる人工芝グラウンドが完成し、関係者の皆さまはもちろん、地域の皆さまの喜びもひとしおだと思います。
日本サッカー協会にとっても、我々のサッカー施設整備助成事業が須坂市の皆さんをはじめ、サッカーを愛する県民の皆さんのお役に立てたことを心から嬉しく思います。何より私が感銘を受けたのが、SDGsの実現を市の総合計画の核とされており、この施設も雨水を集めて地下浸透させる施設内排水を採用し、マイクロプラスチックが地下に浸透しないよう集水桝にフィルターを設置している点です。
人工芝ピッチは維持管理が容易で、高い稼働率にも耐えうるなどサッカー活動の推進に大きく貢献していますが、張替え時の廃棄の課題や雨水と流出する懸念のある充填剤など、SDGsの観点から環境に影響を及ぼしかねないという課題もあります。
JFAは現在、安全・安心で社会課題にも対応する人工芝ピッチを推進すべく、人工芝の関連企業と共に中長期的な視点に立ってその在り方や将来像について検討しています。この北部運動広場は、今後、全国各地で人工芝ピッチを整備していくにあたって参考とすべき貴重な施設だと思っています。
この広場を拠点に市民のスポーツ大会やサッカー活動などが行われ、多くのスポーツ愛好家が集い、交流を深める場になることを心から願っています。
最後になりましたが、三木正夫須坂市長をはじめ、北部運動広場の整備にご尽力いただきました関係者の皆さまに敬意と感謝を表し、お祝いの言葉とさせていただきます。