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2020年を振り返る ~JFAアカデミー福島男子 スタッフ通信Vol.36
2020年12月16日
JFAアカデミーでは「常にどんな時でも(日本でも海外でも)ポジティブな態度で何事にも臨み、自信に満ち溢れた立ち居振る舞いのできる人間の育成」というフィロソフィーを掲げ、真のエリートを目指して日々活動しています。
JFAアカデミースタッフ通信では選手たちの日常の様子や、日々の活動を詳しくお伝えしています。今回JFAアカデミー福島男子のレポートを担当するのは加藤好男GKコーチです。
激動の1年間の始まり
JFAアカデミー福島でGK統括コーチを務めます加藤好男です。就任して6年目となりました。今回のレポートは2020年を振り返り、次年度へ如何に繋げていけるのかを考えてみたいと思います。
今年の正月明けはいつも通りの日常が始まりました。選手達は帰省から寮へ戻り、身の回りの片付けから学校へ向かう準備を行いました。2週間程度会わないだけでまた少し身長が伸びた選手や、おせち料理か餅の食べ過ぎで大きくなった選手もいました。練習も通常再開して走り込みや蹴り込みを行う日々が続きました。
9期生(高3)が新たにJリーグや大学の練習に参加するために、一人、また一人と寮から旅立って行きます。新たな希望と夢に向かっていく姿は成長を感じさせます。少しずつ寮が静かになり、食堂の空席から少なからずの寂しさも感じます。そんな中の2月3日、豪華客船ダイヤモンド・プリンス号が横浜港に入港したという報道がテレビから流れて来ました。どうやら、新型コロナウイルスに感染した方が乗船されているので下船させないということです。この時我々は対岸の火事で自分たちには関係ない話のように受け取っていました。
3月に入るとコロナ感染者が増加し、多くの移動や行動に自粛を求められるようになってきました。当初計画されていたU-18のチュニジア遠征が中止となり、U-18東海プリンスリーグやU-15/U-13の東海リーグ延期など、サッカーの公式戦が開催出来ない状況となってしまいました。先行きが不透明の中で4月を迎え、高校や中学校では感染予防対策を図りながら入学式や新年度を限定された人数で粛々と行われました。
JFAアカデミー福島でも15期生を迎える入校式を最少人数で3密を避け行いました。彼らの初々しさと夢や目標を語る入校生の決意表明に、今一度初心に立ち返って選手と接することを噛み締めました。15期生が入寮を終え、新生活を迎えてまだ間もない4月16日、政府は緊急事態宣言を全国に発令しました。これに伴い、寮を閉鎖させるために選手達は再度帰省を余儀なくされました。サッカー活動の停止は選手にとってもコーチにとっても初めての体験で、それはそれは大変苦痛となるものでした。
サッカーが出来ることの喜び
およそ1か月の帰省による自粛生活は、多くの考える時間と家族と向き合う時間となりました。日常の何気ないことが大切であることや、限られた時間や空間の中で如何に有効な生活を送れるのか。我々コーチ陣と選手はメール等で連絡を取り合い、お互いの過ごし方をプレゼンしあったり、地元の名所や名産を紹介しあったりしながら過ごしました。
5月には緊急事態宣言が解除され、各自帰寮して学校再開に向けた準備を始めました。練習も8週間で通常活動へと戻すための練習計画を立て進めました。最初は鈍った体を起こし、少しずつボールに触れ、ピッチ内であっても3密を避けて行動しました。6週間後からはチーム内での紅白戦を開始して試合形式の練習も取り組んで行きました。寮では感染予防対策を講じ、風呂場や食堂でも小グループで活動して3密を避けると同時に、うがいや手洗い、消毒を繰り返して生活しました。学校や寮生活、そしてサッカー活動が行える日常の喜びを再確認出来ました。
平穏な日常を迎えることが出来る全てに感謝
8週間かけてサッカー活動を通常活動へ戻していく中で地元チームとの対外試合が再開されました。自粛した活動が余儀なくされる中で、県内のチームと練習試合が出来ることは大変喜ばしいです。相手チームへのリスペクトと同時に感謝する気持ちを持ってフェアプレーで戦いました。
コロナ禍でのサッカー活動や試合で、我々は多くを学ぶことが出来ました。海外遠征や多くのイベントが中止されましたが、夏以降は多くの関係者のご尽力によって東海リーグ再開など公式戦が戻ってきました。日常のサッカー活動が出来ることの喜びと感謝を持って取り組む重要性が理解出来ました。まだまだコロナ禍の活動が続きますが、こうした精神をもって来季へ繋げていきたいと強く感じています。
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