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JFAファミリーフットサルフェスティバル2011 with KIRIN スペシャルステージ in 熊本 9月4日にフットサルパーク熊本で開催
2011年09月09日
家族の触れ合いと、ボールを蹴る楽しみを味わうことをテーマに開かれる「JFAファミリーフットサルフェスティバル2011 with KIRIN スペシャルステージ in フットサルパーク熊本」(熊本県菊池郡)が9月4日、熊本県内から24チーム、約250人が参加して開催された。折からの台風12号の影響も懸念されたが無事実施、当日は元気な子どもたちの歓声が終日ピッチに響いた。ファミリー賞は「ファンタジスタ」が授賞。フェスティバル賞に「SVCレンジャー」、フットサル賞に「クラッキ」がそれぞれ選ばれた。
ファミリー賞
ファミリー賞を授賞した「ファンタジスタ」は代表の上村浩徳さん(34)、里美さん(34)夫妻と、大輝くん(10)、美月ちゃん(8)の家族4人を中心に、大久保塁太くん(11)、それに荻憲美さん(34)、憲章くん(7)親子、7人がチームを組んで熊本市清水から出場した。
代表の上村さんと荻さんは同級生で大津高校(熊本県菊池郡大津町)サッカー部OBだ。上村さんは熊本市内にある小学生のサッカークラブ「FC USD」のコーチ。メンバー4人の子どもたちもクラブに所属している。「クラブは昨年から学童五輪や全日本少年サッカー大会にも参加するようになりました。麻生田小学校と清水小学校の子ども25人で週に3回練習しています」と上村さん。子どもたちに最初に教えることはボールの片付けや、あいさつ。それに親や家族、サッカーできることへの感謝の気持ちを持たせることだそうだ。「そう言う意味でも、この大会にはこれまで3回出場していますが、親子のふれあう場として、すごくいいですね」と話す。
子どもたちに負けずにハッスルした里美さんは「フットサルはサッカーと違って、無理しないのでやりやすい」と楽しそう。対照的に大汗をかいたのは、ボールを蹴ることから離れていた荻さんで「久しぶりに動いて息が上がった」と、気持ちと体のギャップを痛感し、日頃の運動不足を反省したしきり。子どもたちは将来の夢に向かって元気いっぱいだ。大輝くんは「シュートはするけどゴールの壁は厚かった」と悔しがったが、目標はアルゼンチン代表のメッシ。全試合得点を目指した塁太くんも、スペイン代表のビジャが大好きだ。みんなで楽しんだフットサルの1日。子どもたちの夢も大きく膨らんだに違いない。
フットサル賞
今年4月に熊本市内に誕生したフットボールクラブ「クラッキ」の子どもたちとその関係者が、「グラッサ」と「クラッキ」の2チームに分かれて参加したが、フットサル賞を獲得したのは「クラッキ」。チームを率いた鹿尾英司さん(33)は、フットボールクラブ「クラッキ」を主宰する代表でもある。「クラブの練習は熊本市内の湖東中学校と阿蘇西小学校の2カ所で行い、週末は合同でやっています。子どもの指導は、個人技に比重があった自分自身の反面教師で、組織やシステムを意識できるようにしてやりたいと思ってます」と話す。鹿尾さん自身、大津高校で県の高校総体準優勝、高校選手権優勝など選手として活躍した1人。今月30日から山梨県甲府市で開催される全国選抜フットサル大会に県選抜メンバーとしても出場する。「クラッキ」とはポルトガル語で名手を意味する言葉。どんな局面でも自分の力を十分に発揮できるサッカー選手をたたえる最高の賛辞だそうだ。
フットサル賞を受賞したメンバーは、清田将哉くん(13)、井郷一郎くん(13)成房康太くん(12)、弓取隼くん(12)、佐藤成竜くん(12)。佐藤くんは「クラブではなかなかシュートが打てんけど、今日のフットサルはみんなでたくさんシュートできて、楽しかったです」と笑顔で話した。高校サッカーの強豪・大津高校のお膝元で開催されたスペシャルステージ。どのピッチにも将来のストライカーが駆け回った。
フェスティバル賞
異色のチーム? 「SVCレンジャー」がフェスティバル賞をゲットした。なんとピッチに立った全員が、TVの大人気ヒーローそのままの赤レンジャー、青レンジャー、黄レンジャー姿でプレーし、対戦相手や声援を送るサポーターを驚かせた。「SVCレンジャー」は、熊本市保田窪にあるソフトウエアビジョン株式会社の社員とその家族で、「ソフトウエアビジョン」と2チームに分かれて参加した。代表は同社専務の福山太志さん(50)。会社では月に1、2度は社内フットサルを楽しんでいるそうだ。福山さんは「大会関係者から誘ってもらったんですよ。職場の仲間と家族でやろうとなったんですが、本音はメタボ対策ですよ…」と笑顔を見せて、自らも息子の太平くん(10)とピッチに立った。
ピッチを駆け回り会場を盛り上げた覆面姿のレンジャーたち。“メタボ”代表の? 白レンジャー広瀬雄士さん(49)も息子の敬梧くん(13)と出場。「気持ちはあるんですけど、体がね…」と、こちらはTVのヒーローにはほど遠く格好良くない。それでも、チームの明るい雰囲気は最高だ。熊本商業からマツダ自動車とサッカー経験のある後藤正博さん(25)は「専務は情熱があって、何事にも真剣に取り組む人で、みんなを引っ張ってくれます。チームのレベルは論外ですが楽しいですねー」。チームのムードメーカー女子社員の本井美甫さん(24)も「会社もフットサルも楽しいですよ」と、楽しそうに笑った。
キリンフットサル教室
JFAスペシャルインストラクターで元フットサル日本代表の藤井健太さん(35)による「キリンフットサル教室」が、午前の部終了後、大会に参加したチームの小学生約80人を対象に行われた。藤井さんは、子どもたちの指導にあたって、毎回掲げる3つのポイント。「話しを良く聞くこと、自分で考えて行動すること、フットサルを楽しむこと」。この3つをしっかりと忘れないで実践してほしいと呼びかけた。
準備運動の後、狭いピッチの中を全員が思い思いにランニングする。ぶつからないようにするのは大変だ。そのためには、真剣に冷静に「どんな時でもフットサルのことを考えて、集中力をもって取り組むこと」だという。次は2人組になって、フェイントをかける藤井さんの合図を聞き間違わないようにして、一瞬でボールを奪い合う練習。これも反射神経とやはり集中力が大切になる。
藤井さんの軽妙なトークと、遊びの要素も取り入れたフットサル教室は、あっという間に時間が過ぎていく。最後は全員が分かれてチームを作り、藤井さんとミニゲームを楽しんだ。藤井さんに果敢に挑んだ山田理矩くん(10)は「ミニゲームで藤井さんのボールを取りにいったけど、うますぎて取れんかった。ドリブルがうまい選手になりたい」と感想を話してくれた。
キリンビール(株)九州統括本部熊本支社長 糸魚川 寛水さん
表彰式でプレゼンターを務めた、糸魚川寛水キリンビール(株)九州統括本部熊本支社長は「キリングループは、サッカーがこんなに盛んになる前の1978年の『ジャパンカップ』(現・キリンカップ)に協賛して以来、32年間にわたり、日本代表チームのオフィシャルスポンサーとして、日本のサッカーを応援してきました。そして、これからも日本代表をサポートしていきます。そして、本日のように、みなさんに楽しんでいただけるようなファミリーフットサルも応援していきます。また、キリングループのスローガンでもある〝おいしさを笑顔に〟のもと、ビール、清涼飲料などさまざまなキリン商品を提案し、地元の熊本のみなさんの笑顔に貢献していきたいと思っています」とあいさつした。
熊本支社では、地域とのきずなを大切にする取り組みとして、「黒毛和牛」など熊本県の特産品をキリン商品といっしょにPR。全国に向けた熊本からの情報発信を継続的に実施していく。また、30日にはJAグループ熊本とタイアップした「くまもと地産地消フェア~くまもと六つの味紀行に乾杯!!~」(ホテル熊本テルサ)を開催する。熊本の農畜産物を使用した料理とキリンビールのおいしい飲み物を味わう趣向のイベントだ。
熊本県サッカー協会専務理事 北岡長生 さん
サッカー協会では、ファミリーフットサルフェスティバルのほか、キッズサッカーフェスティバル、女子のフェスティバルと年間を通じてさまざまなイベントを企画しています。この「ファミリーフットサルフェスティバル2011スペシャルステージ」のように、大勢の参加を期待しています。協会ではみなさんに天然芝などをはじめ、良い環境でサッカーやフットサルを楽しんでもらえるように努力しています。春先はJリーグや韓国からのチームがキャンプにやって来ます。今春は女子のなでしこ代表選手が多い『INAK』もキャンプしました。子どもの時から良い環境でサッカーやフットサルができることは素晴らしいことです。本日参加した子どもたちの中から、将来の日本代表で活躍する選手が出ることを楽しみにしています。
文・写真提供:日刊スポーツ