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JFAファミリーフットサルフェスティバル2009 with KIRIN スペシャルステージ in 熊本 11月28日にカベッサ熊本で開催
2009年12月03日
ママからのパスを、それシュートだ! 「JFAファミリーフットサルフェスティバル2009 with KIRIN スペシャルステージin 熊本 カベッサ熊本」が11月28日、熊本県宇城市の巻フットボールセンターカベッサ熊本を主会場に開催され盛り上がった。県内23チームが6つのグループリーグに別れ参加。快晴の空の下、大人と子どもが同じピッチで汗を流した。閉会式では勝敗にとらわれることなくチームに賞が贈られ、ファミリー賞にはイナズマイレブンが選ばれた。フットサル賞は託南ゴールデンリッチFC、フェスティバル賞は橋本商店だった。
ファミリー賞
イナズマイレブンの濱本寛人くん(小2)は、ファミリー賞受賞の表彰式で「がんばったぞー!」と、力強い声を放った。この日の3試合はすべて引き分け。「点がとれなかった」と反省を口にしながらも、寛人くんはさわやかな笑みを浮かべていた。
宇城市に住む濱本家の4人が中心となったチームは、意思の疎通もバッチリ。声で連携しながら、各選手が的確なカバリングを見せた。ピンチの芽を摘み、3試合をわずか1失点で切り抜けた。それでも父祐さん(42)は「どこがよかったんでしょうか…」と受賞が信じられない様子だった。
寛人くんはシュートこそ不発に終わったが、2試合目に母容子さん(37)の得点をアシスト。「家族みんなで(参加)できて楽しかった」と、両親や姉とともに力を合わせて戦ったことを喜んだ。
容子さんも「いつもは息子が少年サッカーの試合に出ると『走れ!』『蹴れ!』とかいろいろ言うんですが、簡単じゃないことが分かりました。得点はとてもうれしいです。でも実は自分がどうやって決めたか、何も覚えていないんです」。フットサルの楽しさと難しさを肌で感じていた。長女の希絵さん(小5)は「初めてで難しかった。お父さんも弟も、とても上手でした」と、頼れる〝チームメート〟をたたえた。
一家の初勝利はならなかったが、フットサルを通して、家族のきずなが一層深まった一日となったようだ。
フットサル賞
熊本市の託麻南小校区で結成された託南ゴールデンリッチFCが、フットサル賞に選出された。県内で行われるファミリーフットサルにはよく出場するというが、この日は3戦全敗。チームを率いる新田昭彦さん(39)は「5年生が来る予定でしたが、ほかの試合に行くことになってしまって。そのぶん下級生たちが頑張ってくれました。この受賞も、そのおかげです」と小学校低学年の子どもたちの労をねぎらった。
チーム唯一の得点をたたき出したのも、小1の古庄慶多くん。1点差に詰め寄るゴールを右足で決めた。慶多くんは「うれしかった」と少しはにかんで笑った。それでも「大会で点を入れたのは5点目くらい」と、ストライカーとして自信をつけた様子だった。
フェスティバル賞
フェスティバル賞は橋本商店が受賞した。代表者の藤本誠さん(31)は、表彰式で「私1人で最後まで戦い抜きました」とジョークを飛ばし、参加者を笑わせた。この日のルールでは、成人男性がシュートしても得点は認められない。全敗ながら受賞したのも、家族のチームワークが評価された。藤本さんの本音は「娘が頑張ってくれましたね。きつそうなときでも、よく走っていました」。小2の輝さんのプレーぶりに目を細めた。
輝さんも「お父さんと(フットサルが)できたので楽しかった。もっと練習してうまくなって、また出たいです」と、上達を誓っていた。
キリンフットサル教室
リーグ戦終了後、フットサル元日本代表でJFAアンバサダーの相根澄(さがねきよし)さん(36)による「キリンフットサル教室」が開かれ、小中学生約120人が参加した。
相根さんはマイクを片手に約1時間、実技練習やミニゲームを通して指導。フットサルで重要となる足の裏を使ったトラップや、つま先でのシュートなどの技術を「普段からやっていればプレーの選択肢が増える」と教授した。生徒たちも上達のチャンスととらえ、真剣なまなざしで相根さんの言葉に聞き入っていた。
教室を終えた相根さんは「今日の子どもたちはみんな、普段からボールをしっかり蹴っているという印象。この地域がサッカーやフットサルが盛んなのが分かりました」。熊本の子どもたちの高い技術レベルを即座に感じたようだった。さらに「施設もすばらしいし、ファミリーで楽しむことでさらに普及できれば。フットサルを、家族のコミュニケーションツールにしてほしい」と話していた。
キリンビール株式会社 熊本支社長 辻順 さん
普段競技をなさっていない方でも参加でき、家族で参加できるのが、ファミリーフットサルの魅力だと思います。熊本での初開催も大成功に終わりました。キリングループはオフィシャルスポンサーとして日本代表を応援する一方で、サッカーやフットサルの裾野を広げるお手伝いをしております。より多くの子どもたちがサッカーに親しむようになれば、将来的には日本代表の強化にもつながることでしょう。巻選手のように日の丸をつける選手が、熊本からまた現れるかもしれません。
サッカー関連以外でも、熊本に地域貢献していきたいと考えています。熊本は水が清く、食が豊かです。おいしい熊本の農産物や水産物を、まずは九州内で売り込んでいこうとイベントを開催しています。おいしい食事とともにキリンビールをご愛飲いただけるなら、地域貢献は弊社にとってもメリットになります。
また、八代市に工場があるあるメルシャンも、キリングループの会社です。米と麦のラインアップがある焼酎「白水」や、麦焼酎「どぎゃん」、黒ごま焼酎「黒胡宝(くろごほう)」などを製造しています。熊本の焼酎として全国に情報発信するとともに、まずは熊本をはじめ九州の皆様により親しんでいただけるよう、アピールしていきます。
今後も九州、熊本と密接にかかわりながら、皆様に愛されるキリングループであり続けたいと思います。
熊本県サッカー協会 専務理事 北岡長生さん
JFAファミリーフットサルのスペシャルステージは、県内初開催です。ここ宇城市小川町出身の元日本代表FW巻誠一郎選手(千葉)がつくったカベッサ熊本で開くことができ、大変喜んでおります。今回は試合以外にも、PKやスピードガン、エキシビションマッチなどで楽しんでいただいたことと思います。地元商工会による歓迎の出店もあり、この大会を通して家族の楽しい思い出ができたなら、これ以上の喜びはありません。来年以降もぜひ、大会開催を重ねていけるよう努力したいと思います。
文・写真提供:日刊スポーツ