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栃木県にてスポーツ救命ライセンス講習会を開催
2018年10月04日
9月23日(日・祝)に栃木県宇都宮市の栃木県グリーンスタジアムにて、公益社団法人栃木県サッカー協会スポーツ医事委員会の協力のもと、「スポーツ救命ライセンス講習会」を開催しました。
今回の講習には初めて高校生が参加し、医師や指導者たちに混じって、熱心に講義に耳を傾け、実技ではバックボードでの搬送やAEDの操作を真剣に取り組む姿が見られました。
本講習会の講義は、スポーツ現場で起こる可能性の高い症例である心臓突然死、脳振盪(のうしんとう)、熱中症、アナフィラキシー、窒息についての予防・対応策を、実技では心停止からのCPR(心肺蘇生法)とAED使用、頭頸部外傷を受傷した場合の頭頸部固定と搬送の方法を行っています。スポーツの場面だけではなく、日常生活の中でも対応できる内容となっているので、身近なこととして質問も多く上がりました。
本講習会の合格者には修了証(3年間有効のライセンス証)が発行されます。また、本講習会は公益財団法人日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーが資格更新のために保有していなければならないBLS(Basic Life Support:一次救命処置)資格取得のための講習会としても認定されています。
※ 講習会開催希望の団体は公益財団法人 日本サッカー協会技術部宛にメール(jfa-igaku@jfa.or.jp)にてお問い合わせください。
コースディレクターコメント
福島理文 JFAスポーツ救命プロジェクトメンバー
このたび9月23日(日・祝)に栃木県サッカー協会でスポーツ救命講習会を開催いたしました。今回は栃木県グリーンスタジアムでの開催となりました。22名の受講者は医師、高校サッカー部の監督、中学校の教員、高校生などが参加しました。うち10名が高校生でした。突然死・脳振盪・熱中症・アナフィラキシー・窒息の講義に加え、心肺蘇生の実技と頸椎損傷が疑われる傷病者搬送の実技について熱心に積極的に受講されており、高校生も含め多くの質疑応答が行われました。本講習会がスポーツの垣根を超えて広がり、あらゆるスポーツ現場で対応出来るようになり、スポーツ中の事故が少なくなることを願っています。本講習会はサッカーに限らずスポーツに関わる方にご参加いただけますので、興味をお持ちいただける方は是非ご参加して頂ければ幸いです。
講師コメント
上牧裕 茨城県サッカー協会医事委員長
今回開催したスポーツ救命ライセンス講習会の受講者は高校生選手が多く、その他監督と医師3名がいました。そこで、高校生にも理解しやすいように、簡単な脳振盪(のうしんとう)の図表を用いて説明するなど工夫をしました。私が帯同していた高校野球の試合で、捕手がホームベース上で走者と激突し、脳振盪を起こした瞬間のリアルなビデオを提示したところ、受講者はかなり関心を持って注目し、良い導入になったと思います。軽い脳振盪と思われても、急性硬膜下血腫となり、急に頭痛、吐き気など多彩な症状が現れ、意識障害となることもあります。サッカーの試合では3分間ルールがあり、ピッチ上でポケットSCAT2を用い、症状、記憶、バランスをチェックし、試合続行の可否、医療機関搬送の要不要を判断します。脳振盪を受傷した日は体調の急変に注意し、見守りが必要です。回復には段階的な競技復帰が必要となり、最短でも7日間ほどかかりますので無理をしないようにしてください。
受講者コメント
中山英之 さん
私はサッカーに関わる人間として現場の安全、子どもたちの未来のためにスポーツ救命ライセンスを取得しました。特に胸骨圧迫・AEDの使い方は重要で、人の命を救うため必要不可欠だと思いました。AEDという言葉を知っている人、見たことがある人はたくさんいると思いますが、実際サッカーの現場で使える人は何人いるだろうか?私はこの講習会に参加して自身のスキルアップはもちろん、サッカーの現場だけではなく日常生活にも役立ちますので数多くの人に取得してもらいたいライセンスだと思いました。そして、みんなで安心・安全なスポーツの環境作りをしていきたいです。