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ありがとう日本 - フットサル日本代表 ブルーノ・ガルシア前監督より皆様へ
2021年11月04日
フットサル日本代表を率いてFIFAワールドカップリトアニア2021を戦い、10月末に退任、スペインに帰国したブルーノ・ガルシア前監督からメッセージが届きましたので掲載いたします。
コメント
ブルーノ・ガルシア 前監督
誇りと感謝; この国で五年間過ごした私の気持ちはこの二つの言葉に集約されます。
誇らしいとは、これまでに達成した数多くのこと、代表チームのアイデンティティをリードする役割を担ったこと、ピッチの内外に示せた際立つメンタリティとパーソナリティ、フットサルを取り巻く全ての人たちを結びつける役割を果たせたこと。代表チームのパフォーマンスと育成分野に残した、ゲームモデル、トレーニングモデルそしてワークモデル。これらは私たちだけの“スタイルブック”というチームの指南書を生み出すこととなりました。
誇らしいとは、この国のフットサルを再びアジアの表彰台に立ち返らせることができたこと。待望されたFIFAフットサルワールドカップリトアニア2021への出場。そしてそこでスペイン、パラグアイ、ブラジルといった歴史ある列強の国々を終盤のギリギリの時間帯まで競り合うゲームを見せることができ、5年前よりも大きく差を縮め近づいたことを示すことができたこと。これらは日本が世界の舞台での成長を続けていく上で正しい道であることを確信させるものだったと思います。
誇らしいとは、指導者養成に携われたこと。特に、近い将来、日本人指導者が日本代表を率いて、協会が予てから描いてきた計画を進めることに貢献できたこと。
誇らしいとは、コロナ禍における度重なる変更や逆境に適応したこと。ワールドカップ直前までの18か月間、国際試合をすることが叶わない中で、みんなで力を合わせて“一期一会”の心で一つ一つのことに取り組み、乗り越えることができたこと。
誇らしいとは、日本のフットサル強化がより健康的な状況となるために、U-20からフル代表にかけて世代交代を進め、中長期的な強化に向けたタレント発掘計画を主導できたこと。
そして、日本国内を含めたさまざまな国のフットサルファンの皆さんからのたくさんのメッセージの中に、代表がその姿で示し伝えたものを感じ取れたこと。他にもこの手紙に書こうとすれば、何章にもわたる本のようになってしまうほど、たくさんの取り組みに誇りを感じています。
そして感謝。これを伝える上ではどなたも漏れがないようにしたいのですが、つい失念することがあるかもしれません。先んじてお詫びします。
心の底からの、親愛の情を込めた感謝をお伝えしたいと思います。
日本サッカー協会に対して。私を信じ、このワールドカップに向けた牽引役を託してくれたことに感謝申し上げます。私と私の家族に対するサポートとホスピタリティのおかげで本当に気持ちよく過ごすことができました。理事、職員の皆さま、同僚である男女サッカーの各カテゴリー、ビーチサッカー代表のスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。
この5年間、光栄にも共にフットサルに取り組む機会をもらった選手の皆さん。一人一人にその献身性、一緒に色々なことを感じあえた時間に感謝します。ファミリーとなり、その姿を世に示した皆さんこそまさに主役でした。また、代表チームでは一緒にフットサルをしなかった選手の皆さん。皆さんの日々の取り組みが、代表チームでプレーした選手たちを支えたことに間違いありません。
代表チームのテクニカルスタッフの皆さん、そしてメディカルスタッフの皆さん。毎回見せてくださった皆さんの忠実な取り組みと惜しみない努力、そして情熱に感謝いたします。
Fリーグ、全てのクラブとそのマネージメントに関わる皆さん、監督、テクニカルスタッフの皆さん。その温かい協力と気遣い、そして一緒にこのフットサルのプロジェクトを進めていけたことに感謝いたします。
全ての審判員の皆さん。私のメッセージをいつもフットサルの向上のためと善意で汲み取り、理解し、耳を傾けてくださったことに感謝いたします。
メディアの皆さま。その熱心な取材、情報の配信、特にコロナ禍の困難な状況の中で私たちの様子をサポーターの皆さんに届けてくださった活躍は非常に大きなものでした。ありがとうございました。
そして最後に、私たちの取り組みに意義を与えるそもそもの存在であるファン、サポーターの皆さま。これには国外にいる人たち、私の家族や友人を含みます。皆さんは私たちの原動力でした。たとえ遠く離れていても、常にそのサポートを感じていました。皆さんは本当に素晴らしい、特別な存在です。ぜひこのまま、決して変わらずにサポートを続けてください。
ここに挙げた皆さんこそ、この国のフットサルの歴史に新たに素晴らしいページを記した主役です。それは、国内だけでなく世界中に影響を与え、これからさらにその影響力を高めていくことになるだろうと確信しています。自分は、それを牽引する役割を任せていただけたことを光栄に思っています。
私が忘れたくないのは、先任者たちの存在です。特に日本に来ていた外国人指導者であるセルジオ・サッポ氏、ミゲル・ロドリゴ氏。彼らはこの国のフットサルの発展に尽力し、日本人指導者に代表チームの手綱を引き継いでいけるようにすべく共に働いた仲間です。
そして最後に、私の後任となる次の代表監督には心より幸運をお祈りします。監督の幸運はきっと日本フットサル全体の幸運となるはずです。
私は一人のプロとして、今は一旦落ち着いてこの先のキャリア、個人、そして家族の生活の面で、どんなチャレンジに臨んでいくべきかを検討したいと思います。
今後はこの日本代表チームを無条件に応援する一人のファンとして、多くの成功を重ね、世界中のそのファンにたくさんの喜びをもたらす姿を見つめていきます。
この日本という素晴らしい国が、何かで私を必要とすることがあれば、私の扉はいつも開いています。来た当初から共感し、それ以来、心に生涯消えることのないたくさんの素晴らしい思い出を刻みました。日本の皆さん、ありがとうございました。
親愛を込めて
Bruno García
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