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ずっとEnjoy♫ みんなPlay! だれでもJoin♪ 選手の自主性を促して 未来を見据えた選手育成を(JFAnews2017年3月情報号より転載)
2017年03月31日
日本サッカー協会機関誌『JFAnews』では、「JFAグラスルーツ推進・賛同パートナー」の活動紹介を行なっています。その第7回目として2017年3月情報号(No.395)に「引退なし(ずっとEonjoy♫)」「補欠ゼロ(みんなPlay!)」「障がい者サッカー(だれでもJoin♪)」賛同パートナーであるNPO法人 スポーツクラブ・エスペランサ熊本(熊本県八代郡氷川町)の活動を紹介しました。
■JFAnews2017年3月情報号(No.395)より転載 ■情報提供:サカイク、大塚一樹
NPO法人スポーツクラブ・エスペランサ熊本は熊本県氷川町を拠点に、保育園・幼稚園から中学生までを対象として活動するサッカークラブだ。サッカーやフットサルの活動に留まらず、 総合型スポーツクラブとしての活動(ヨガ・ランニング・骨盤エクササイズ)や年3回のグラスルーツフェスティバル開催など幅広い活動を展開している。地域の小学生を対象としたフェスティバルでは、サッカー教室のほか、昨年はバブルサッカー体験や地元の陸上クラブの協力を得て走り方教室などを実施した。これらの取り組みを通して参加者に笑顔の輪が広がっている。
クラブは、“エスペランサビジョン”と銘打った「将来、サッカーだけでなく人間的にも成長して、自分の望む結果、勝利を得られるように」という指針のもとに活動。勝利を追求するのではなく、 長期的なプランを持って子どもたちの育成に取り組んでいる。
光永誠司総監督は、「選手はもちろん、保護者にも共有しているが、小・中学生年代では『勝つこと』を第一にはしていない」と言う。さらに、この“エスペランサビジョン”について、「短期、中期、長期の目標があって、それぞれやるべきことがある。小学生のうちは勝つことが目標ではないので、次のカテゴリーで大きく成長するために、体と心を大きくする時期と考えています」と説明する。
この考えはクラブ全体に行き渡っており、クラブに関わる誰もが「小学生時代の1勝より、中学生になったときに役立つことを身につけよう、高校生になったときに自分の好きなサッカーを楽しく続けられる成長を遂げよう」と、長期展望を持ってサッカーに取り組んでいる。
また、子どもたちが未来を切り拓くためには「自分で考えてサッカーをすることが必要」と光永監督は言う。トレーニングでは、戦術やテクニックを習得させるために熱心な指導をしているが、「試合中に私のすることは何もありません。大人が手伝うのは交代の手続きくらい。あとは自分たちでやっています」(光永監督)と、選手たちの自主性を伸ばしている。
これは、サッカー活動だけにとどまらない。
光永監督は学校の先生と連携して選手たちの成績や学校での生活態度も把握、進路の相談も受けている。高校からスポー ツ推薦の誘いがある選手もいるが、まずは本人がどうしたいかに耳を傾ける。「推薦があることを教えないでいると面白いことが起こるんです」と光永監督。勉強が苦手だった選手が自ら目標を立て、高校受験のために意欲的に勉学に励むようになったという。自主的に取り組む姿勢がサッカーのレベルアップだけではなく、学力の向上をもたらしている。
クラブの規模は決して大きくはないエスペランサだが、このような選手の育成は確実に実を結び始めている。2016年に卒業生の一美和成選手が大津高校を経て、ガンバ大阪に加入。さらに翌17年も8期生の林田隆介選手がV・ファーレン長崎でプロとしての第一歩を踏み出した。
確固たる信念を持って活動を続けるエスペランサは、これからも選手の自主性を育みながら、サッカー選手として、また一人 の人間としての成長を後押ししていく。