天皇杯 JFA 第100回全日本サッカー選手権大会が開幕!奈良クラブは終了間際の一撃でおこしやす京都を破る
2020年09月17日
天皇杯 JFA 第100回全日本サッカー選手権大会が9月16日(水)に開幕し、1回戦16試合が行われました。京都府立山城総合運動公園太陽が丘陸上競技場ではおこしやす京都AC(京都府代表)と奈良クラブ(奈良県代表)が対戦しました。
おこしやす京都AC 0-1(前半0-0、後半0-1)奈良クラブ
京都と奈良による一戦は、最後まで目が離せない展開となりました。前半に見せ場を作ったのは、関西社会人リーグに所属する京都です。JFL所属の奈良を相手に、「普段から相手ではなく、自分たちがやるべきことをやろうと伝えている。今日も自分たちが昇格を目指しているカテゴリーのチームに向かって、挑戦者として挑む姿勢を共有した」(瀧原直彬監督)と前線からアグレッシブな守備を繰り返しました。奪ってからは俊足のFWイブラヒム選手を積極的に活用し、前半終了間際に2度の決定機を迎えましたが、GK上田智輝選手の好セーブに阻まれました。
劣勢が続いた奈良ですが、「前半は0-0で良いと思っていた」(林舞輝監督)と焦りの色は見られません。後半開始と同時に2トップを入れ替え、イブラヒム選手へのロングボール阻止を狙いました。50分には中盤でのボールロストからイブラヒム選手にゴール前まで運ばれるピンチもありましたが、辛うじて無失点のまま「勝負どころだと思っていた」(林監督)ラスト25分を迎えます。攻勢に出るにあたり、キープ力の高いMF早坂翔選手を投入していた奈良は、79分には連携でゴール前を崩し、MF吉田大河選手がシュート。こぼれ球を拾ったMF菅野哲也選手の右クロスをDF寺島はるひ選手が頭で合わせましたが、枠を捉えることができませんでした。
それでも、勝利を諦めない奈良は攻撃の手を緩めません。切り札として76分に投入したDF加藤徹也選手が積極的に左サイドを攻め上がることで、京都の攻撃の起点となっていた右サイドを相手陣内に押し返し、チャンスをつくりました。90分には左サイドの高い位置で加藤選手がボールを奪うとペナルティーエリア内でボールキープ。最後はゴール前に走り込んだ早坂選手が冷静に決めると、そのままタイムアップを迎えました。2回戦進出を決めた林監督は「勝負どころでチャンスをつくり、点を取り切れたのが大きかった。そして何より、相手の時間が多い中、我慢を続けて無失点で終えられたのがすごく大きかった。僕らが勝つにはこれしかないと思っていた形」と口にしました。奈良クラブは2回戦で大阪府代表のFC TIAMO枚方と対戦します。
瀧原直彬 監督(おこしやす京都AC)
選手は立ち上がりから、自分たちがやろうとしている前からの守備や奪ってからシュートまで持ち込むプレーを見せてくれました。ゴールにつながるプレーができなかったので、細かい部分までやり続けるしかないと思いました。守備もしっかりリスク管理ができ、ピンチを最小限に抑えてくれましたが、最後に甘さが出ました。あと一歩足を伸ばすところまでこだわり、リーグ戦に向けて切り替えたいです。
DF #35 有薗真吾 選手(おこしやす京都AC)
相手は昨年一年間お世話になったクラブなので、京都に来てからの半年間で少しでも成長した姿を見せることができればと思いながらプレーしました。リーグ戦でスタメンに絡めていないので、今日は結果を出してアピールしたいと考えていました。こうした結果で終わったのは残念です。守備の時間が増えた後半は、相手の特徴を把握しているので、みんなに特徴を伝えながら冷静に対応しようと考えていました。良い流れの中でもミスから失点してしまうのは自分たちの実力だと思います。当たり前に失点を防げるDFでありたいし、ピンチを防げる選手でありたいと改めて思いました。
林舞輝 監督(奈良クラブ)
サッカーは難しいです。よく分からないことばかりなので毎回悩みます。今日はJFLの試合から中2日だったため、回復を優先し、相手対策の練習は何もできませんでした。練習したこと、分析したことが試合でできるのが、このチームのすごさです。それは選手たちがスーパーだからです。ただ、今日のMVPは試合に出なかったDF都並優太です。彼が毎試合ベンチとロッカールームで盛り上げてくれるのは大きい。今日も苦しい状況で前半を終えた時に、「行けるよ、大丈夫だよ」と励ましてくれました。戦えるか、戦えないか最後紙一重の気持ち勝負になった時こそ、彼の存在は大きかったです。
MF #25 早坂翔 選手(奈良クラブ)
前半は自分たちの時間がつくれずに押し込まれる時間帯が多く、足元でつなぐプレーが少なかったので、自分が出た時に改善しようと考えていました。ゴールの場面は加藤がシュートを打たずにギリギリまで時間をつくってくれたので良いパスが来て、流し込むだけでした。連戦で体力的には厳しい部分はありましたが、気持ちでカバーしようと考えていました。攻め込まれる時間帯を無失点で抑えられたのは収穫ですが、相手陣地で自分たちがボールを持つ時間が少なかったのは課題です。トーナメントは勝つことが大事なので、2回戦以降も勝ちにこだわってやっていきたいです。
【1回戦】9月16日(水)
【2回戦】9月23日(水)、30日(水)
【3回戦】10月28日(水)、11月11日(水)
【4回戦】12月12日(土)、13日(日)
【5回戦】12月20日(日)
【準々決勝】12月23日(水)
【準決勝】12月27日(日)
【決勝】2021年1月1日(金・祝)