アルテリーヴォ和歌山は延長の末にFC TIAMO枚方を破り4回戦へ 天皇杯 JFA 第100回全日本サッカー選手権大会
2020年10月29日
天皇杯 JFA 第100回全日本サッカー選手権大会は10月28日(水)に3回戦の7試合を実施しました。
アルテリーヴォ和歌山 3-2(前半0-1、後半2-1、延長前半0-0、延長後半1-0)FC TIAMO枚方
ヤンマースタジアム長居では、関西サッカーリーグでしのぎを削るアルテリーヴォ和歌山(和歌山)とFC TIAMO枚方(大阪)が激突しました。序盤に見せ場をつくったのは、MF田中英雄選手が「判断良くボールの移動中に次のサポートへと走れていた」と振り返る枚方。12分にはDF樋口総選手がペナルティーエリアに展開したロングボールは相手GKに触られましたが、MF佐藤諒選手が高い位置でカット。そのまま無人のゴールを狙おうとしましたが、シュートを打ち切れずに終わりました。
対する和歌山は「我々は負けてしまえば、シーズンが終わってしまう。また、今季限りで引退するFW久保裕一が出場停止だったので、彼のためにも勝ちたかった」(北口雄一監督)。16分にDF三浦修選手のクロスから、MF山本大稀選手がゴールを狙うなど右サイドを連携で崩し、枚方ゴールを目指しました。35分には三浦選手の縦パスからMF大北啓介選手がゴール前にパス。MF井ノ内拓也選手がダイレクトで合わせたボールがゴールネットを揺らしましたが、オフサイド判定となりました。
ピンチを逃れた枚方に二度目のチャンスが訪れたのは42分。FW木田直樹選手がゴール前にクロスを入れると、ファーサイドのMFチョ・ヨンチョル選手が打点の高いヘディングシュートをたたき込み、枚方が均衡を崩しました。52分にもFW木田直樹選手がGKとの1対1を決めてリードを広げました。
追い掛ける展開となった和歌山ですが、気落ちした様子は見られません。北口監督は「ハーフタイムに、この状況にわくわくできないとダメだよと話をした」と振り返ります。積極的に交代カードを切って反撃に出ると、68分には左サイドから井ノ内選手が入れた低いクロスがオウンゴールを誘いました。直後の70分にはDF白明哲選手がヘディングでクリアしたボールが、DFラインの背後を抜けると、フリーの山本選手が決めて同点に追いつきました。
2-2で迎えた延長戦は互いに見せ場をつくりながらも試合が動かないまま時間が進みます。109分にけがからの復帰初戦となったMF林祥太選手が「それまでは消極的な選択をしていたので、次来たら思い切り振り抜いてやろうと思っていた」と振り返る豪快なミドルシュートを決めるとそのままタイムアップ。見事な逆転劇に対し、北口監督は「最後の最後まで全選手が運動量を落とすことなく走り抜き、タフに戦ってくれた。90分間諦めずにやり切ったメンタリティーが勝利を生んだ」と口にしました。
なお、3回戦の残り1試合、高知ユナイテッドSC(高知)vs FC徳島(徳島)は11月11日(水)に実施される予定です。
北口雄一 監督(アルテリーヴォ和歌山)
枚方の守備力と我々の攻撃力を比べ、必ずチャンスはあると思っていました。リーグ戦が終わり、天皇杯だけになってから、しっかり守るのではなく、攻め勝つ意識を持ってビルドアップの準備をしてきました。天皇杯は歴史のある大会で重みを感じます。第100回という記念すべき年に和歌山県勢として初めて3回戦まで進みました。また、次に進むことができるのは歴史をつくっている感覚があり、とてもうれしく思います。
大北啓介 選手(アルテリーヴォ和歌山)
この試合で負けてシーズンが終わるわけにはいかないという気持ちがありましたし、今季限りで引退する久保選手が累積警告で出られないので、「このまま引退させて良いのか?」という気持ちもありました。もっとこのチームで戦いたい気持ちを出しました。この試合で1年通して取り組んできた戦術を出せたのが良い流れにつながりました。最後まで粘り強く戦うことも年間を通じて監督から言われており、そういう部分で枚方を上回ることができたのは取り組みの成果です。
小川佳純 監督(FC TIAMO枚方)
立ち上がりから、この試合にかける気持ちの強さを相手チームから感じていました。それでも、2点取れたのは良い流れだったのですが、ミスや相手の選手交代で流れを持っていかれ、そこから立て直すことができずに終わりました。特に1失点目が相手に勢いを与える原因になりました。試合後、選手には「こういう敗戦から何かを学ばなければいけない」と伝えました。地域チャンピオンズリーグを勝ち上がり、JFL昇格を果たした際に、今日の敗戦があって良かったと言えるようにしなければいけません。
田中英雄 選手(FC TIAMO枚方)
後半途中までは流れ的にもプラン的にも狙い通りでした。ピッチで「2-0は危ない。次の1点が大事だ」と中で話していたのですが、1点取られてから相手の勢いにのまれました。天皇杯で勝ち続けて、Jリーグのチームと対戦するのを目標にしていました。それができないのは残念ですが、まだ最大の目標である全国地域サッカーチャンピオンズリーグは残っています。今日が今年に入ってから公式戦で初めて許した敗戦です。この敗戦を生かしたいです。
【1回戦】9月16日(水)
【2回戦】9月23日(水)、30日(水)
【3回戦】10月28日(水)、11月11日(水)
【4回戦】12月12日(土)、13日(日)
【5回戦】12月20日(日)
【準々決勝】12月23日(水)
【準決勝】12月27日(日)
【決勝】2021年1月1日(金・祝)