2019年以来の実施となったJFAエリートプログラムU-13 日韓交流戦(JOC日韓競技力向上スポーツ交流事業)が終了
2022年11月21日
11月14日(月)から大阪府のJ-GREEN堺で活動していたエリートプログラム U-13 日韓交流戦が18日(金)に最終日を迎え、5日間のキャンプを終えました。
北海道から九州まで、全国9地域から選ばれた20人の選手たちは、初日から最終日まで、それぞれ設定されたテーマを基にトレーニングに臨み、自分のストロングポイントや課題を見つめ直し、自身の力を100%出せるように取り組みました。日韓交流戦は2019年以来での実施となりましたが、選手たちは積極的に交流を深めていました。
2日目と4日目にはU-13韓国代表との試合が実施されました。このカテゴリーとしては初の国際試合で、選手たちは緊張感をもって試合に臨みました。試合はインテンシティの高いゲームとなり、一進一退の攻防が続きましたが、次第にゲームのペースを握った日本が後半に得たセットプレーを生かします。こぼれ球を草野陸選手(横浜F・マリノスジュニアユース)が押し込んで先制すると、その後も押し込む時間が続き、長南開史選手(柏レイソルU-15)がミドルレンジからのシュートを沈めて2-0というスコアで勝利を飾りました。
2試合目は、1試合目で得た経験を活かしながら、インテンシティを高く持って戦い抜き、自らのストロングポイントを積極的に出したプレーを見せました。コンビネーションを活かしたプレーから、山根璃久選手(サガン鳥栖U-15)がサイドからのクロスを冷静に流し込み先制点を獲得すると、直後に相手の連係ミスを見逃さずに再び山根選手が冷静にゴールを奪って2-0とリードを広げます。終盤に韓国の猛攻を受けて1点を失ったものの、粘り強く戦い抜き、最終スコア2-1で連勝をかざりました。
トレーニングでも、日韓合同で行うなど、積極的に交流をはかりました。日本と韓国の選手が同じグループとなりミニゲームを行い、どのチームも勝負にこだわりながら楽しんでプレーしていました。
オフザピッチでは、毎晩のミーティングで担当スタッフからメディカル面、フィジカル面、自身の経験や、映像分析等様々なことが選手たちに伝えられ、多方面から学びを得た様子でした。
また、オフザピッチプログラムとして、日韓合同でグループをつくり、四天王寺見学および大阪なんばの観光を実施。ジェスチャーや携帯の翻訳アプリなどを活用し、悪戦苦闘しながらもコミュニケーションを積極的にはかり、最終的には和気あいあいとしたムードで選手たちはとても刺激を受けている様子でした。
ピッチの内外で様々な刺激を受け、選手たちは自身の強みと弱みを認識し、より成長するための模索をした活動期間となりました。今回の経験を所属チームに持ち帰り、日常でも切磋琢磨、試行錯誤を繰り返しながら、世界で戦えるように成長するために自身で考え、積極的に行動していきます。
星原隆昭 監督(JFAコーチ)
今年度5回目となるJFAエリートプログラムU-13キャンプが、日韓交流戦として大阪J-GREEN堺にて開催されました。招集選手は20名(FP18名GK2名うち初招集は5名)で、今回はU-13韓国代表との試合(2試合)がメインでした。体格・フィジカルに勝る相手に対し、準備・関わり・判断を伴った技術で対抗し、第1試合2-0(0-0.2-0)第2試合2-1(2-0.0-1)と連勝することができました。また、合間にはオフザピッチプログラムとして、日韓合同で四天王寺見学、小グループでの大阪ミナミの散策を行い、身振り手振りで楽しそうに案内していました。他にもサポートスタッフとして中体連から岩手県の菊地満氏に参加いただき、東北大震災からの復興のお話をいただきました。参加者にとっては有意義な5日間になったと思います。関係者の皆様には今回のプログラムに際しご理解ご協力を賜り、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。
八色隼人 選手(名古屋グランパスU-15)
今回このプログラムのメンバーに選出して頂けたこと、本当に嬉しく思います。全国から集まったトップレベルの選手達と一緒にプレーができ、とても良い経験ができました。交流戦では、勝利への執念やフィジカルの強さ、その中での判断スピード、技術やプレーの質など、今までに感じたことのない高いレベルの中で試合ができ、とても刺激を受けました。自分に足りない部分をたくさん感じました。まだまだ自分は成長できるとプラスに考えて、今回学んだことや課題をこれからの日々の練習一つ一つにしっかり取り組みたいと思います。また韓国選手達との合同練習や、大阪観光は、言葉が通じなくて難しかったですが、コミュニケーションの取り方を工夫し、普段経験できない貴重な時間を過ごすことができました。
古川蒼空 選手(北海道コンサドーレ札幌U-15)
今回のキャンプでは通用する所、しない所が明確になりました。守備は1対1の対人の場面で体の大きい韓国の選手に対して、上手く対応することが出来ました。攻撃は、パス、コントロール、ドリブル、シュートの全てをもっと極めていかないといけないと実感しました。そして、フィジカル面でももっと食事、睡眠、トレーニングにこだわり、技術とフィジカルで圧倒できるようになりたいです。韓国の選手、日本の選手とたくさんコミュニケーションがとれて楽しかったです。試合中もコーチングをたくさんすることが出来ました。日常のコミュニケーションが試合につながると改めて思いました。少しのパスのずれが命取りとなるこのレベルを経験出来たので、プレスの速さ、プレーのスピード感を忘れずにチームに戻っても基礎練習からこだわり、またこのエリートプログラムに参加し、活躍できるように頑張りたいと思います。
佐々木翔大 選手(ブラウブリッツ秋田U-15)
プログラムの初日には、ドーピング検査について話を聞くことができました。これからの自分の将来の夢を叶えるためにはとても大切な話でした。これからの日常生活において、意識していこうと思いました。また、東日本大震災についての話もありました。僕は東北で生まれ育ったのでとても心に響きました。震災後は、グラウンドでサッカーをするのが難しかったということを忘れずに今、自分が当たり前のようにサッカーができていることへの感謝の気持ちを忘れずに、今後も頑張っていこうと思いました。今回、U-13韓国代表との試合を通して、オンザピッチ、オフザピッチにおいてとても良い刺激を受けることができました。オンザピッチでは、ゴールマウスを守るだけでなく、攻撃の起点になること、苦しい状況でもいい掛け声をする、みんな一人ひとりキャプテンシーを持つ重要性を学べました。韓国代表との試合では、勝利への思いのこもったインパクトのあるシュートを受けたり、球際の接点の強さなどを感じることが出来ました。オフザピッチプログラムでは、韓国の選手との交流がありました。最初は、韓国の選手とのコミュニケーションを取ることに難しさも感じましたが、ジェスチャーなどを使うことで徐々にコミュニケーションが取れるようになり、とても有意義な時間にすることができました。とてもいい経験になったと思います。来年もエリートプログラムU-14、U-15日本代表があるので今の自分に満足せず必ず選ばれるよう頑張っていきたいと思います。
山根璃久 選手(サガン鳥栖U-15)
今回は、韓国との交流ということでたくさんのことを経験できたし学ぶこともできたし、成長したこともたくさんありました。まずは、コミュニケーション能力が高まったことです。自分から積極的に話しかけに言って、「日本はこういうとこだよ。」または「名前・自分の特徴・利き足・ポジション」など、自分を知ってもらうために行動できたし、それでいうと行動力も成長できたと思います。試合、練習の中でも強度を落とさない、また誰よりも声を出すや誰よりも走るなど自分の特徴をいつもではないけどしっかりと発揮できたのではないかと思います。また、ミーティングの時にあった、ここを通過点にするのか、それとも思い出にするのかそういう話があり、僕は通過点にしなければと思いました。選ばれたから、これでいいやと思うのではなくて自分はまだまだ下手だから、練習をもっともっとして上手くなりそして、またU-14世代のエリートプログラム、U-15日本代表という活動があるので、また選ばれるようにもう一回リセットして誰よりも努力し上手くなって選ばれるようにしていきたいです。やはり、エリートという活動はただサッカーをするだけではなくONの時・OFFの時の大切なことなどを学べるとこであり成長できる場であると思います。繰り返しになりますが、またここに戻ってこられるように頑張っていきたいです。本当に4月の自分よりも少しでも変わった・成長できたと思います。