ニュース
浦和、アルヒラルに1-0勝利で10年ぶりアジア王者に~AFCチャンピオンズリーグ2017決勝第2戦~
2017年11月26日
浦和レッズが10年ぶりにアジアを制しました。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2017決勝第2戦が11月25日(土)に埼玉スタジアム2002で行われ、浦和が88分にFWラファエル・シルバ選手のゴールで初優勝を目指したサウジアラビアのアルヒラルを1-0で下し、2戦合計2-1で優勝しました。
浦和の優勝は2007年大会以来2度目で、日本チームの優勝は2008年のガンバ大阪以来9年ぶり。決勝ゴールを挙げたシルバ選手はこの試合のマン・オブ・ザ・マッチに選ばれ、大会MVPにはMF柏木陽介選手が選ばれました。
一週間前のリヤドでの第1戦を1-1で引き分けてアウェイゴールを手にした浦和は、第2戦で勝利、または0-0の引け分けでも2007年以来通算2度目の優勝になりますが、2-2以上の引き分けではアルヒラルが優勝するという状況でした。
浦和はホームでの第2戦に、第1戦と同じ先発メンバーを起用しつつ、ボランチを1枚から2枚に変えて、MF長澤和輝選手をトップ下1.5列目に置く布陣で臨みました。
一方、第1戦で負傷退場したMFカルロス・エドゥアルド選手の代わりに交代出場したMFナワフ・アルアビド選手を先発に採用した以外は同じ顔ぶれで、手応えを得ていた第1戦を踏襲する形で臨みました。
浦和は立ち上がりから長澤選手が積極的に仕掛けて相手ゴールを脅かし、8分にも相手ボールをカットしてシュートまで持って行きますが、相手GKにセーブされます。
しかしその後は、相手のプレッシャーもあり、浦和はボールを奪っても思うようにパスがつながらず、浦和はなかなか思うような攻撃の形が作れません。中盤で相手ボールをカットして攻めに転じた後のボールを再び相手に奪われて押し込まれる場面が見られ、苦しい展開になります。26分に、アルヒラルのMFサレム・アルダウサリ選手にボールを奪われてシュートを打たれましたが、シュートはクロスバーの上に流れました。
アルヒラルは両サイドバックが高い位置を取り、ウルグアイ出身MFニコラス・ミレシ選手が上がり目のポジションに顔を出しながら攻めの組み立てをします。33分には左サイドを攻め上がったDFヤシル・アルシャハラニ選手がゴール前に入ったフリビン選手へクロスを入れますが、DF槙野智章選手がクリアしました。
浦和が攻めあぐねる中、アルヒラルは41分にアルダウサリ選手がシュート、その直後にもミレシ選手がワン・ツーで攻めて右足で狙いましたが、ポストの外に流れました。
前半を0-0で折り返し、浦和は後半開始早々に左サイドから崩してシルバ選手が相手ゴールを脅かし、6分後には長澤選手が左足で狙いますが、枠を捉えることができません。
その後、引き気味に試合を進める浦和に対して、アルヒラルはミレシ選手やアルシャハラニ選手が浦和ゴールに迫りますが、62分に今大会10得点で得点ランクトップのフリビン選手が負傷で交代となり、さらに78分にはアルシャハラニ選手が2枚目の警告で退場になります。
浦和は70分に宇賀神選手の左クロスに武藤選手が頭で合わせ、73分には柏木選手のFKに興梠選手がヘディングで相手ゴールに迫る場面を作りましたが、いずれも相手GKに止められます。
その後、ベンチから投入のDFマウリシオ選手を加えてブロックを作って守備を固めながらカウンターの機会をうかがっていた浦和は88分、ついに均衡を破ります。
ハーフウェイライン付近で相手DFのクリアボールを奪った武藤選手が前線へ縦パスを送ります。これに反応したシルバ選手が、反転して相手マークを外し、右足を鋭く振り抜いてゴールネットを揺らし、その瞬間、57,727人で満員のスタジアムが弾かれたように歓声に包まれました。シルバ選手はこれが今大会9得点目でした。
この結果、浦和は12月6 日からアラブ首長国連邦のアブダビで行われるFIFAクラブワールドカップへアジア王者として出場します。
監督・選手コメント
堀孝史 監督(浦和レッズ)
今日も素晴らしい雰囲気を作ってくれたファンやサポーターに感謝し、このチームのベースを築いてくれたペトロビッチ前監督に感謝と敬意を伝えたいです。第1戦を踏まえて準備してきたものをしっかり出せたことで勝利を得ることができました。アウェイでは守備を意識しましたが、ホームでは積極的にボールを奪って保持する時間を作りたいと考え、前回は全体にボールへの規制が緩くて歪みが生じていたので、今日はボールの出処を押さえようと考えました。選手たちのACLへかける思いは非常に強く、モチベーションは大きかったと思いますし、ファンやサポーターがホームで素晴らしい雰囲気を作ってくれました。(結果を出せたのは)そういう部分が大きかったと思います。
FW ラファエル・シルバ 選手(浦和レッズ)
武藤選手のボールを受けて上手くターンして強いボールを打てました。自分たちが第1目標としてきたタイトルを獲れて、言葉にならない喜びを感じています。相手は非常に強くて個人技が高い、いいチームでした。そういうチームに自分たちの力で勝てて、非常に嬉しいです。クレバーにプレーしてチームの力を出すことができたと思います。
MF 柏木陽介 選手(浦和レッズ)
今大会では本当に良いチームとばかり試合をしてきました。アウェイで結果を出せずにホームで結果を出すことが続きましたが、全て自分たちが思っているよう感じで進めて来ることができました。チーム力と埼玉スタジアムがもたらしてくれるもので、サポーターを含めて浦和レッズ全体の素晴らしい力だと思います。
DF 阿部勇樹 選手(浦和レッズ)
簡単な試合は一つもなく、今日もそうでした。レッズで働いている方やサポーターが一緒に戦ってくれたことが心強かったです。勝ち取るためにチームみんなが戦った結果だと思います。これを今後に活かしていかなければいけないと思いますし、今後につなげていく責任も僕らにはあると思うので頑張っていきたいです。
ラモン・ディアス 監督(アルヒラル)
我々の選手も良いゲームをしてくれたので、私は満足です。会長以下クラブの全員が望んだ優勝でしたが、第1戦で多くのチャンスを作りながらゴールに結び付けられなかったことが響いたかと思いますし、不運だったのは第1戦でキー選手のカルロス・エドゥアルド選手を怪我で失い、今日はFWフリビン選手を後半失って難しくなってしまいました。浦和は良い守備をしていて、特に中盤でのプレスをよくかけていました。浦和の優勝を祝福します。
大会期間:2017年1月24日(火)~2017年11月25日(土)