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川崎が5ゴール快勝でACLグループ首位浮上、横浜FM、神戸は突破へ前進
2022年04月26日
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022東地区グループステージ第4節の試合が4月24日(日)、25日(月)に各地で行われ、川崎フロンターレはマレーシアのジョホールバルでMF脇坂泰斗選手、FW小林悠選手らの得点で地元のジョホール・ダルル・タクジムに5-0の快勝を収めてグループI首位に浮上。横浜F・マリノスもシドニーFC(オーストラリア)に3-0で勝ち、ヴィッセル神戸はチェンライ・ユナイテッド(タイ)に0-0で引き分けて、グループステージ突破に大きく前進しました。浦和レッズも大邱FC(韓国)にスコアレスドローでしたが首位を維持しました。
慣れないマレーシアの高温多湿の気候と中2日での連戦に、前半戦の3試合を1勝2分と苦しんできた川崎でしたが、テンポの良い攻撃と得点力が戻り、3日前の対戦で0-0に持ち込まれたジョホールを圧倒。アジア制覇を狙うJリーグ王者がグループステージ突破には落とせない一戦で、求めていた勝点3を手にしました。
ノックアウトステージ進出には各グループ1位での突破か東地区5グループの2位の中で上位3チームに入らなければなりません。しかも、後者の決定にはグループJが3チームのため、それ以外のグループでは4位との対戦成績が無効とされる厳しい条件が加わります。グループIでは川崎、ジョホール、蔚山現代(韓国)の接戦となっており、川崎は前節から先発6人を入れ替えて必勝態勢で臨みました。
立ち上がりこそ相手の出方に慎重な様子を見せますが、前半10分過ぎに小林選手が仕掛けてFKを獲得。これを14分に脇坂選手が直接決めて早々にリードを奪うと、切れのある動きとパスで攻撃を組み立ててペースを掴みます。
31分には家長昭博選手、脇坂選手、DF山根視来選手が華麗なパスワークで右サイドを崩すと、山根選手がゴール前に折り返したパスを小林選手が捉えて2-0。さらに43分には、再び小林選手が山根選手の右クロスに右足ボレーで合わせて3-0としました。小林選手はこれが今大会4得点目です。
初の16強入りを目指すジョホールは、前節の対戦から5人先発を変えてMFナチョ・インサ選手やFWベルクソン選手らをベンチ外に置きながらも、地元サポーターの大声援を受けて、頻繁にフォーメーションを変えながら反撃の糸口を探します。
しかし、川崎は終始冷静に対応。59分にFWマルシーニョ選手とFW知念慶選手、77分にはMF小塚和季選手とMF塚川孝輝選手、さらに終盤にはMF山村和也選手をベンチから送り出し、主導権を渡すことなく試合を進めます。
81分にはタイ代表MFチャナティップ選手がドリブルで切り込み、パスを受けたマルシーニョ選手が右足でフィニッシュ。88分にはチャナティップ選手がマルシーニョ選手のシュートリバウンドを捉えてゴールネットを揺らし、5-0としました。
この結果、川崎は2勝2分の勝点8でグループ首位に浮上。ジョホールは初黒星で2勝1分1敗の勝点7。蔚山現代(韓国)も広州FC(中国)に5-0で勝利して勝点7で並びましたが、直接対決の結果で上回るジョホールが2位。川崎は次戦27日(水)に今大会初戦で1-1と引き分けた蔚山と対戦します。
川崎の鬼木達監督は、「残り2試合勝つことしか考えていない。1位だけを目指して戦う」と宣言。脇坂選手も「頭を切り替えて最善の準備をして総力戦で向かいたい」と話して、ジョホール戦でつかんだ良い流れを活かして勝点3獲得へ意気込んでいます。
横浜FM、3-0勝利で首位浮上
グループHの横浜FMは25日(月)にベトナムのホーチミン・シティでシドニーFCと対戦。開始11分で2得点を奪って優位に立つと、後半退場者を出しながらも攻勢を維持して3勝目を挙げました。
前半6分にCKの流れからDF實藤友紀選手がMF水沼宏太選手の左クロスにダイビングヘッドで合わせて先制。その5分後にはDF松原健選手の右クロスをFW西村拓真選手がゴール前で受け、反転して相手DFのマークを外すと左足を振ってゴールネットを揺らしました。
後半は反撃を試みる相手に攻め込まれる場面もあり、相手と競り合ったDF角田遼太朗選手がレッドカードを受けて数的不利な状況になりましたが、MF藤田譲瑠チマ選手ら途中出場選手がチームを活性化。攻めの姿勢を失わずに87分には藤田選手、DF岩田智輝選手の右サイドの崩しからFWアンデルソン・ロペス選手が決めて3-0としました。
横浜FMのケビン・マスカット監督は、「結果には満足している。メンタルの強さをチームで示してくれて、2点獲ったあとも、一人少ない状況になっても、攻め続ける姿勢を見せてくれた」と選手の姿勢を評価しました。
この結果、横浜FMは3勝1敗で勝点を9として首位に浮上。全北現代(韓国)がホアンアイン・ザライ(ベトナム)と1-1で引き分けて勝点8で2位に後退です。横浜FMは次節28日(木)にホアンアイン戦に勝って全北がシドニーに敗れると、1節を残して勝点が4差となるため1位突破が決まります。
神戸は引き分けも16強進出へ大きく前進
グループJのヴィッセル神戸は25日(月)にタイのブリーラムでチェンライ・ユナイテッドと対戦。前節の3バックから4バックにシステムを変更して守備を固める相手に苦戦し、スコアレスドローとなりました。
3日前に6-0と快勝した地元タイのチームに対して神戸は前節から先発8人を維持して臨み、MFボージャン・クルキッチ選手やMF郷家友太選手らが決定機を作り、後半交代出場したMF汰木康也選手とMF日高光揮選手らも相手ゴールに迫りましたが、最後までゴールネットを揺らすことはできませんでした。
しかし、神戸はこれで2勝1分として勝点7で3チーム編成のグループで首位を維持。2位の傑志(香港)との勝点差を4としました。この結果、次に迎える5月1日(日)の傑志との最終戦で勝点1を取ることができれば、1位突破で16強進出が決まります。
神戸のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督は、「ゴール前での決定力が足りなかった」と振り返り、2戦連続で先発出場したMF井上潮音選手は、「相手に引かれた状態での攻撃のバリエーションやアイデアの共通理解を増やしたい」と話して次へ切り替えていました。
浦和は前半の好機を活かせず、痛い引き分け
グループFの浦和はタイのブリーラムで大邱と対戦。前節0-1で敗れた相手に積極的な攻撃を展開しましたが、得点機に決めることができず、スコアレスドローとなりました。
浦和は試合開始からMFダヴィド・モーベルグ選手、FWアレックス・シャルク選手らが立て続けに相手ゴールを脅かしましたが、大邱はGKを中心にゴールを死守。後半もMF江坂任選手、MF柴戸海選手らが仕掛け、DFアレクサンダー・ショルツ選手やMF明本考浩選手らが相手ゴールに迫りましたが、相手の4倍の16本のシュートを放ちながら最後までゴールを割ることはできませんでした。
浦和のリカルド・ロドリゲス監督は、「選手たちは闘争心を見せて2-0、3-0で勝ってもおかしくない試合だったが、ゴールだけが足りなかった」と振り返り、残り2試合へ「チームとして良い部分を続けて、突破を目指したい」と話しました。
この結果、両者は勝点1を分け合って勝点7に。さらに、山東泰山(中国)に3-2で勝ったライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール)が2勝目で勝点7として、3チームが並ぶ混戦です。浦和は次戦27日(水)にライオン・シティと対戦します。
なお、日本チーム不在のグループGではBGパトゥム・ユナイテッド(タイ)がユナイテッド・シティ(フィリピン)に3-1で勝って3連勝。勝点を10に伸ばして、全南ドラゴンズ(韓国)と1-1で引き分けた2位のメルボルン・シティに勝点2差で首位をキープしました。パトゥムは27日(水)に行われるメルボルンとの上位対決に勝てば、1節を残してグループステージ突破が決まります。
監督・選手コメント
鬼木達 監督(川崎フロンターレ)
勝たなければいけないゲームでしたが、選手が覚悟を持って挑んでくれて、早い時間に先制点を獲れて、そこから得点を重ねることができました。試合の入りは少し重心が重かったですが、選手の中で修正できたことと、1点を獲って自分たちらしい崩しからの得点が力を与えてくれました。このスタジアムで戦うのは簡単ではないのですが、選手たちが心と体の準備をしてくれて、自分たちらしいサッカーをしようという気持ちが表れた試合でした。ここからが勝負なので、気を引き締めてやっていきたい。このグループには2位突破はないと思っているので1位だけを目指して、残り2試合に勝つことしか考えていません。
FW 小林悠 選手(川崎フロンターレ)
得点場面については、山根選手と家長選手はいつも右サイドで組んでいるコンビなので、必ず突破してくれると思って、自分はマークから離れてフリーになることを考えていました。それが自分の2得点につながったと思っています。
MF 山根視来 選手(川崎フロンターレ)
今日は勝たなければいけない状況で、みんなで気持ちを込めて最初から良いサッカーができたと思います。次は蔚山戦で、大会が始まる前から一番のライバルだと思っていました。前回の対戦は引き分けで、去年も(16強で)負けているので、絶対に叩いて首位でグループステージを突破したいです。