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J王者横浜、ホームで仁川とACL2023/24 グループステージ開幕戦へ
2023年09月19日
アジアクラブ王者を決めるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)2023/24東地区グループステージが開幕します。Jリーグ王者の横浜F・マリノスはホームで韓国の仁川ユナイテッドと、昨季Jリーグ2位の川崎フロンターレはアウェイでジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)といずれも9月19日(火)に、前回大会優勝の浦和レッズは武漢三鎮(中国)、天皇杯優勝のヴァンフォーレ甲府はメルボルン・シティ(オーストラリア)とどちらもアウェイで20日(水)に対戦します。
今大会は来年から新方式で再編されるアジアクラブ大会の導入を控えて、現行方式で最後の大会です。いくつか変更点があり、開催時期が9月~翌5月の秋春制に移行しました。グループステージは12月13日(水)(浦和はFIFAクラブワールドカップ出場のため12月6日(水))まで行い、年明け2月からノックアウトステージに入り、ラウンド16、準々決勝、準決勝を経て決勝は5月11日(土)、18日(土)に行われます。
準決勝まで東西各地区での対戦は変わりませんが、コロナ禍の対応として採用されていた集中開催や一戦必勝方式などから従来のホーム&アウェイ方式が復活。全40チームが4チームずつに分かれてグループステージを戦い、各組1位と東西それぞれの2位チームのなかで上位3チームがノックアウトステージに進出します。
また、外国籍選手枠は来年から導入予定の外国籍選手枠の撤廃を前に、アジア枠1以外の起用が3人から5人に増加。ノックアウトステージで採用されていたアウェイゴールが撤廃となり、2戦を終えて両チーム同点の場合は15分ハーフの延長戦を実施。それでも決着がつかない場合にはPK戦で勝者を決めることになりました。
今大会の優勝チームはFIFAクラブワールドカップへの出場権を獲得することは変わりませんが、FIFAクラブワールドカップも2025年大会から新方式への移行が決定。従来の毎年開催から出場チーム数を32に拡大して4年に1度の開催となり、今大会のアジア王者はその第1回となる2025年大会へ出場することになります。
F・マリノス、初出場の仁川とホームで開幕戦
Jリーグ王者の横浜F・マリノスはグループGに入り、開幕戦でACL初出場の仁川ユナイテッドをホームに迎えます。
仁川は昨季のKリーグで4位に入り、8月のプレーオフでハイフォンFC(ベトナム)に延長3-1で競り勝って本戦出場権を獲得しました。今季はここまで11勝10分け9敗の7位で、9月16日のリーグ戦では済州ユナイテッドに勝利。KリーグFAカップでも準決勝へ進出しています。
チームには、浦項スティーラーズやアルアイン(UAE)などでもプレーした元韓国代表MFイ・ミョンジョ選手やオーストラリア代表歴のあるDFハリソン・デルブリッジ選手、スタンダール・リエージュなどでプレーした元コンゴ代表MFポールジョゼ・ムポク選手、ブラジル人FWエルナンデス選手らを擁しています。また、ヴィッセル神戸に在籍したモンテネグロ代表FWステファン・ムゴシャ選手が今年7月に復帰して、古巣で再び活躍しています。
横浜はMFマルコス・ジュニオール選手やMF藤田譲瑠チマ選手が今季途中に移籍で、DF畠中槙之輔選手が負傷で離脱していますが、FW宮市亮選手が怪我から復帰し、韓国代MFナム・テヒ選手がカタールのアルドゥハイルから加入しました。現在J1リーグでは首位の神戸に勝点1差の2位につけ、優勝争いを続けています。
横浜のケヴィン・マスカット監督は、「仁川は切り替えがアグレッシブで、難しい試合になるだろう。我々は我慢強くプレーしてチャンスをつくり、いかにそれを生かせるかだ」と話しています。
また、横浜のMF水沼宏太選手は、「昨年の大会、ノックアウトステージ1回戦で負けて悔しい思いをした。今年にかける思いはすごく強い。自分たちの強みを生かして勝っていきたい。相手に隙を見せず、相手のやり方を見て落ち着いて対応したい」と意気込んでいます。
横浜は仁川のほか、中国FAカップ3連覇中の山東泰山、フィリピンリーグ優勝のカヤFCイロイロと対戦します。山東は昨年のACLではグループステージ敗退。今年5月に韓国の全北現代で2度のアジア制覇を遂げたチェ・ガンヒ監督を招聘しました。カヤFCも2大会ぶりのACLグループステージ出場で初のノックアウトステージ進出突破を目指しています。
川崎F、因縁の組み合わせ
グループIの川崎Fは、同組3チームのうち、ジョホール・タルル・タクジム(マレーシア)と蔚山現代(韓国)の2チームとは昨季もグループステージを戦った相手です。
昨季はジョホールがグループを1位で突破し、2位となった川崎Fは2位のなかの上位3チームに届かず敗退。今回は雪辱を期しての戦いとなります。このほか、タイ強豪のBGパトゥム・ユナイテッドとも対戦します。
ジョホールは現在マレーシアリーグ9連覇中で、今季も20勝1分け無敗でリーグトップを独走中です。ブラジル出身のFWベルグソン選手やFWジオゴ選手、アルゼンチン出身MFフェルナンド・フォレスティエリ選手ら攻撃陣にタレントが揃っています。今夏には全北現代などでもプレーしたMF邦本宜裕選手が加入しました。
蔚山は元韓国代表でJリーグでも活躍したホン・ミョンボ監督が今季も指揮を執っており、2度のアジア制覇を誇り、2021年大会でも4強入りの強豪です。Kリーグでも現在首位を独走中で、今季はMF江坂任選手が浦和から加入しています。
川崎Fとは昨年だけでなく過去に何度もACLで顔を合わせており、2021年はラウンド16で延長PK戦の末に敗れ、2014、2018、2019年にもグループステージでしのぎを削りました。
また、パトゥムは今回プレーオフ経由での参戦ですが、昨年のACLでは8強入り、一昨年には16強入りという実績のあるチームです。タイ代表選手も多く、この6月にはタイ代表MFチャナティップ選手が川崎Fから移籍しています。
川崎Fは今季J1リーグで10勝6分け11敗の7位ですが、天皇杯ではベスト4に進出しています。今夏の移籍で元フランス代表FWのバフティンビ・ゴミス選手を獲得し、勝利を収めた9月15日のFC東京戦では先発に名を連ね、Jリーグデビューを遂げています。
川崎Fの鬼木達監督は初戦へ向けて、「フロンターレとしてタイトルを目指すべき大会。アウェイのジョホールで非常に難しい試合になると思うが、しっかり勝利を求めて全員で一丸となって戦いたい」と抱負を述べ、キャプテンの橘田健人選手も「ACLで優勝するのが目標。初戦が大事になる」と強い気持ちを示しています。
アジア王者浦和、ACL初挑戦の甲府もアウェイで初戦
今年5月に3度目のアジア制覇を遂げた浦和は、8月にアジア王者としてプレーオフに出場し、香港の理文を3-0で下して本戦出場権を獲得。今回、サウジアラビアのアルイテハド以来となるアジア連覇に挑みます。
グループJに入り、中国リーグ王者の武漢三鎮(中国)、浦項スティーラーズ(韓国)、ハノイFC(ベトナム)と対戦します。ハノイは昨季リーグ戦とカップ戦、リーグカップ戦で3冠を達成。浦項は昨季Kリーグ3位で2年ぶりのACL出場ですが、2021年大会では準優勝した実績を誇っています。
初戦の相手の武漢は今回がACL初参戦ですが、2部から昇格1年目の昨年リーグ戦で優勝しました。現在国内リーグ戦では3連勝中で11勝9分5敗の5位で、川崎Fで監督経験のある高畠勉監督と元アルビレックス新潟監督の黒崎久志コーチの日本人コンビがチームを率いています。
浦和は現在、国内公式戦6戦負けなしでJ1リーグでは4位につけており、DFアレクサンダー・ショルツ選手とDFマリウス・ホイブラーテン選手のセンターバックコンビにGK西川周作選手を中心に安定した守備力があり、MF伊藤敦樹選手は日本代表で9月のトルコ代表戦で初ゴールを決めています。
一方、天皇杯初優勝で初のACL参戦となったJ2の甲府は、グループHでタイリーグ強豪のブリーラム・ユナイテッド、オーストラリアAリーグ優勝のメルボルン・シティ、中国の浙江FCと同組です。
初戦は長旅を伴うメルボルンとのアウェイでの対戦。2年連続出場のメルボルンは、昨年の大会ではグループステージで3勝3分けと健闘も、得失点差でBGパトゥム・ユナイテッド(タイ)に敗れ、2位争いでも勝点でわずかに及ばずにグループステージ敗退となりました。現在J2リーグで7位につける甲府は、初挑戦のACLでは初戦から厳しい戦いになりそうです。
ブリーラムは昨季、国内リーグ9度目の優勝とカップ戦を制して3大会ぶりのACL復帰です。浙江は杭州緑城から改名。昨季国内リーグで3位に入り、ACLプレーオフでポートFC(タイ)を破って2011年大会以来出場です。
このほか、東地区のグループFでは2度の大会優勝経験を誇る韓国強豪の全北現代、バンコク・ユナイテッド(タイ)、ライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール)、傑志(香港)が対戦します。
なお、西地区のグループステージは一足早く9月18日(月)に開幕。各国代表レベルの大物を次々と獲得してきたサウジアラビア勢が注目を集めています。
ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド選手を擁するアルナスルはグループEで強豪ペルセポリス(イラン)やアルドゥハイル(カタール)などと対戦。大会史上唯一の連覇を達成しているアルイテハドは、フランス代表のカリム・ベンゼマ選手らを加えてグループCで、また、昨年大会決勝で浦和に敗れて連覇で3度目の優勝を狙ったアルヒラルも、ブラジル代表FWネイマール選手をパリ・サンジェルマンから獲得。グループDで戦います。