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【ホットピ!~HotTopic~】JFA 第48回全日本U-12サッカー選手権大会アンバサダー 中村俊輔さんインタビュー#2

2024年12月23日

【ホットピ!~HotTopic~】JFA 第48回全日本U-12サッカー選手権大会アンバサダー 中村俊輔さんインタビュー#2

U-12年代の日本一を決めるJFA 第48回全日本U-12サッカー選手権大会が12月26日(木)にスタートする。大会アンバサダーを務める中村俊輔さんが全国の少年少女にエールを届けてくれた(全2編の後編)。

前編はこちら

失敗なんてない。思い切りいけ

――U-12年代の子どもたちがサッカーをする上で特に重視すべきことは何だと思いますか。

中村 メンタルを成長させることですね。僕は幼稚園児のころから厳しい指導者の下で育ちました。厳しいのですが、愛情や情熱を感じる指導者で、意図があるので教わる側も理解ができる。幼稚園の先生なので道徳的なことも教えていただきました。移動のときは自分たちだけでお金を管理しながら行動することや、バスの中でのマナーなども教わりました。技術を教えられる監督やコーチは大勢いると思いますが、人として成長させてくれる指導者に出会えたのは大きかったです。

――周囲の大人の関わり方も難しい部分があると思います。

中村 親や指導者がどれだけ関わるべきかは、人によると思います。親が深く関わることでトップレベルに到達している選手もたくさんいますし、オリンピックのさまざまな競技を見ても、親が子どものコーチを務めるケースがよくあります。そのほうが信頼関係を築ける部分もあるでしょうし、親は口出しせずに見守るだけでいい、とは一概には言えず、人それぞれだと思います。


2023シーズン以降、横浜FCトップチームのコーチとして研鑽を積んでいる

――近年は10代のうちから世界に出ていく日本人選手もいます。ご自身の経験も踏まえて、世界の舞台で早くから活躍するために必要なことは何でしょうか。

中村 情報収集などの準備を怠らないことですね。何も知らずに行くのではなく、行きたい国の言葉を覚える必要もあるでしょうし、国やチームごとのプレースタイルの違い、いろいろな戦術を持っている指導者がいることなど、情報を集めておけば、実際に行ったときにスムーズに順応できると思います。ここ10年で日本人を受け入れるマーケットが大きくなった印象があります。海外のスカウトは小学生や中学生も見ていますし、日本国内にも(海外のクラブに)橋渡しをする人がいます。だからこそ「自分は見られているんだ」と意識しなければならないですし、海外に出て活躍したいという目標を持つことも大切です。

――JFA 第48回全日本U-12サッカー選手権大会のアンバサダーを務めます。大会に期待することを教えてください。

中村 出場する選手たちには、いい準備をして、最高の状態で臨んでほしいです。僕自身、FIFAワールドユース(現、FIFA U-20ワールドカップ)やオリンピック、FIFAワールドカップなどに出場した際は、自分がどれぐらいのレベルにいるのかを確かめたい気持ちがありました。大げさに言うと「俺はまだまだなんだ」という挫折感を味わいたかったんです。万全の状態で試合をして、相手に自分よりもすごい選手がいれば「こんな選手がいるのか」と分かり、そこからのトレーニングにも身が入るでしょうし、自主練でもいろいろな試行錯誤をすることになり、さらにレベルアップすることができるはずです。もちろん勝利すれば自信につながりますが、負けるという経験もすごく大事だと思います。全国にはいろいろな戦術やスタイルを持つチームがあり、力のある選手がいるので、勝っても負けてもプラスしかありません。そんな大会だからこそ、いい準備をして臨んでほしいですね。


成長のためには「負けるという経験もすごく大事だと思う」と中村さんは話す

――中村さんが大会出場チームの監督だったとしたら、試合前の選手たちにどのような声をかけてピッチに送り出すでしょうか。

中村 今までやってきたことを整理して、一人一人のタスクを確認しつつ「こういうプレーが得意なんだからそれを発揮してくれ」と言うでしょうし、試合をすればするほどレベルアップできるという話をしながら「失敗なんてないんだから思い切りいけ」と後押ししながら送り出したいですね。

――サッカーを愛する全てのサッカー少年、サッカー少女に向けてメッセージをお願いします。

中村 サッカーはチームスポーツですので、仲間をカバーする、サポートするといった部分を学ぶことで人としても成長できます。日本代表のトレーニングでも、控えの立場だったころは対戦相手を仮想した練習でレギュラー組の相手をしなければならないことがありました。悔しさもありましたが、自分がレギュラーになったときには、同じ立場を担う選手がいて、サポートしてもらいました。こうした助け合いや譲り合いは社会でも経験することですし、人間的に成長できる部分だと思いますので、そういったことを大切にしてほしいですね。それはサッカーにおいても役立つことですし、サッカーを離れたとしても楽しい人生につながると思います。


控えに回ったときは悔しい中でもサポート役を買い、チームのために尽力した

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