決勝

清水エスパルスジュニアユース　2-1（前半1-0、後半0-1、延長前半0-0、延長後半1-0）　鹿島アントラーズジュニアユース

JFAプレミアカップ2016は5月5日(木・祝)に最終日を迎え、清水エスパルスジュニアユース（東海2）と鹿島アントラーズジュニアユース（関東／茨城）が日本一をかけて激突しました。

先手を奪ったのは清水でした。9分にピッチ中央の五十嵐海斗選手が右サイドにボールを預けると、林航輝選手がオーバーラップしてゴール前にクロスボールを供給。山崎稜介選手が頭で合わせたシュートが、ゴール右隅に決まります。幸先良いスタートを切った清水でしたが、「鹿島を崩すのは難しかった」と鈴木瑞生選手が振り返るように、この後はなかなか鹿島ディフェンスを崩すことができません。

対する鹿島は180センチの長身FW、玉木麗音選手をターゲットにして得点を狙いますが、「9番（玉木選手）ばかりに気をとられていると、周りの選手がフリーになる」（清水・石井飛雄馬選手）とセカンドボールの回収に奔走する清水の守備網を破れず、1点ビハインドで前半を終えました。

後半に入ってからは一進一退の攻防が続きましたが、徐々に鹿島の高い位置でのプレスが機能。ボール奪取から素早く攻撃に移り、清水を押し込む時間が増えていきます。44分には右サイドから大山晟那選手がクロスボールを送ると、一度は相手DFに弾かれたものの、中盤で谷口翔太郎選手が奪い返し、関口颯乃選手のもとへ。関口選手が迷うことなく放った右足のシュートがゴールネットを揺らし、試合は1-1の振り出しに戻りました。試合終了間際には、右CKから玉木選手が強烈なヘディングシュート。ボールはGKを破りましたが、「一生懸命、体を伸ばした」と青島太一選手がゴールライン上ではね返し、勝負の行方は延長戦へと持ち越されました。

熱戦に終止符が打たれたのは、PK戦に突入するかと思われた79分です。清水の川本梨誉選手が細かいパスワークで右サイドを突破し、中央に低いクロスを供給。ニアサイドに走り込んだ山崎選手のシュートはGKに弾かれますが、こぼれ球を青島選手が押し込んで勝負あり。延長戦の末、2-1で勝利した清水が、1998年大会以来、2度目の栄冠を手にしました。なお、大会後の表彰式では各賞が発表され、清水からは山崎選手が大会MVPを受賞したほか、3人の選手がベストイレブンに選出。準優勝に終わった鹿島も藤原裕也選手ら3人がベストイレブンに選ばれています。

監督・選手コメント

岩下潤 監督（清水エスパルスジュニアユース）
3日間で5試合をこなした上、今日はかなり暑さもある環境でしたが、選手たちはよく頑張ってくれました。特に2日目は退場者を出し、10人で戦う時間もあったので苦しかったと思います。苦境を乗り越えられたことで、彼らにとって大きな財産になると思います。優勝したことは非常にうれしいですが、試合内容やプレーの質には課題も残りました。しっかりと足元を見て、「今回の優勝は、もっと良い選手になるための通過点だよ」と伝えたいと思っています。

川本梨誉 選手（清水エスパルスジュニアユース）
大会に入る前は東海地域予選で2位になってしまい、気落ちしていたのですが、本大会では初戦に勝って勢いに乗ったことが大きいと思います。優勝することができてうれしいですが、今回対戦したチームには、主力選手が年代別代表の遠征に帯同しており、ベストメンバーを組めなかった相手もいます。今回の優勝に満足することなく、夏のクラブユース選手権や、冬のU-15高円宮杯でもう一度対戦したときも勝てるように、これからもっと意識を高めていきたいです。

中村幸聖 監督（鹿島アントラーズジュニアユース）
選手たちはベストパフォーマンスを発揮してくれましたが、最後の最後失点で敗れました。失点した場面は個人の力によるものですが、選手ではなく僕自身に甘さがあったように思います。鹿島というクラブは、優勝以外は認められないというスタンスを持っています。負けてもタイトルを獲得し続けるという気持ちが大事で、そのためには、まず自分たちに勝たないといけません。選手たちは持てる力を出し切ってくれました。彼らの全力を引き出してくれた素晴らしい大会だったと思います。

関口颯乃 選手（鹿島アントラーズジュニアユース）
今大会はピッチだけでなく、ホテルでも掃除やゴミ拾いなどをしてきたからこそ、決勝まで進むことができたと思います。決勝でも、先制されながら一度は同点に追い付きました。普段の練習から意識をしている「アントラーズスピリット」を見せることができました。チーム一丸となって優勝しようと思っていたので、こういう結果になってとても悔しいです。これからは勝負どころで絶対に勝てるチームに成長し、夏と冬の全国大会は笑って終われるよう、日々の練習に取り組みます。

JFA-TV

決勝　清水エスパルスジュニアユース vs 鹿島アントラーズジュニアユース

JFA プレミアカップ2016

2016年5月3日(火・祝)〜2016年5月5日(木・祝)
大阪／J-GREEN堺
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