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高円宮杯第29回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会 ベスト8が出そろう
2017年12月18日
「高円宮杯第29回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会」は12月17日(日)、茨城県内の各会場で2回戦8試合が行われました。
ピックアップマッチ1
ヴィッセル神戸U-15 3-1(前半2-1、後半1-0)JFAアカデミー福島U15
ひたちなか市総合運動公園陸上競技場での第1試合では、ヴィッセル神戸U-15(関西1)とJFAアカデミー福島U15(東海3)が対戦しました。先制したのは神戸でした。開始7分、ac福島のクリアボールを拾った森田侑樹選手からボールを受けた五味郁登選手は、右サイドからにじり寄ると右足を一振り。ボックス際、左45度からのシュートがゴール右を射抜きました。選手同士が良い距離感で動き、ボールの動きをうまく予測する神戸に対してペースをつかめないac福島でしたが、28分に少ないチャンスを活かします。ピッチ中央で前を向いた三戸舜介選手がするするとボールを運び、強い逆風を突いて浮き球を送ると、神戸守備陣の対処が乱れ、オビ ジェイズイ オゲンナ選手にボールが通ります。GKも飛び出した無人のゴールに、同点ゴールが決まりました。
前半のシュートは両チームともに3本。神戸の3本目のシュートは、前半のラストプレーでした。右サイドを突破した福島淳平選手のクロスに、ゴール前で仁科星哉選手が丁寧に合わせて追加点。神戸はリードして試合を折り返しました。
1点を追うac福島は、ハーフタイムを挟むと動き出しの早さが目につくようになりました。後半開始から前線に投入された宮永羚進選手にも早めにボールが集まるようになり、宮永選手は後半の40分間だけで両チーム合わせて最多の4本のシュートを放ちました。他の選手もシュートを打つ意識が高まり、遠目から狙う場面も多くありました。64分には相手のゴールキックを拾った古薗汰久己選手のシュートが、わずか数センチ枠を外れました。
苦しい時間が続いた神戸でしたが、関西大会で首位を独走した勝負強さを見せます。73分、左CKを馬場智己選手が頭で決めて、大きな追加点を奪いました。残り5分を切って広げたリードは強い追い風となり、神戸はその後もゴールを許すことなく、2大会ぶりのベスト8進出を果たしました。
ピックアップマッチ2
ファジアーノ岡山U-15 0-3(前半0-1、後半0-2)ジュビロ磐田U-15
ひたちなか市総合運動公園陸上競技場での第2試合では、ファジアーノ岡山U-15(中国1)とジュビロ磐田U-15(東海2)が対戦しました。岡山はチーム全体が運動量豊富にボールを追いました。中盤中央の選手もサイドまで幅広く動いて、ワイドポジションにいる選手とともにプレスをかけます。ボールを奪うと、サイドを中心に縦に素早く攻め込みました。対する磐田は岡山のプレスをかいくぐってスペースを見つけていきます。20分過ぎから磐田がシュートに持ち込む場面が増えると、36分に試合が動きます。磐田が後方からボールをつないでいくと、縦パスを受けた野中陸選手は自ら持ち上がってそのままシュート。ゴール左隅に、先制点が決まりました。
後半に入り、岡山がさらにギアを上げると、流れは大きく変わります。岡山は前日の1回戦で2得点した中田樹音選手を負傷で欠いており、さらに後半開始早々にはキャプテンの満園修太郎選手も負傷で交代を余儀なくされました。しかし、全員で戦う意思を示すように、懸命に走り、球際で戦い続けました。
磐田は岡山の勢いに押されながらも、前半からシュートまでは持ち込ませていませんでした。すると、その粘り強さが攻撃面でも発揮され、苦しい時間に大きなゴールが生まれます。74分、リスタートからボールを受けた野中悠翔選手がボックス内に持ち込み、ゴール左からニアサイドを破って追加点を挙げます。5選手が得点した前日の1回戦でノーゴールに終わり、自身のゴールを意識していたという野中悠翔選手は、その3分後にもゴール。最後までシュートを打たせず、勝負どころで強さを見せた磐田が準々決勝へ駒を進めました。
準々決勝は24日(日)、茨城県内の2会場で行われます。
監督・選手コメント
松岡仁司 監督(JFAアカデミー福島U15)
力は出し切ったと思います。良くやってくれました。でも、負けたということは、ちょっと力が足りなかったということです。ハーフタイムには、何も特別なことは話していません。ただ、できていることとできていないことを確認しただけで、あとは選手が自分たちで修正してくれました。悪い時間の失点だったということと、チャンスを決められるかどうかが差につながったと思います。3年生の選手たちは上のカテゴリーへと上がりますし、この敗戦がどう生きるか。良いゲームができて、良かったです。
藤本颯真 選手(ヴィッセル神戸U-15)
今日は初戦の疲れが残っていましたし、相手は中盤がよく働いて、うまくサイドを使っていたので、その対応に慣れるのが難しかったです。僕らは裏を狙いつつ、つなぐプレーも混ぜながらプレーしていきました。1回戦では大勝できましたが、もっと点を取れたと思いますし、動きも重かったので、そういうところを修正して臨みました。夏の日本クラブユースサッカー選手権大会では、サガン鳥栖に負けてベスト16に終わり、皆で悔し泣きしました。その分、この大会に懸ける思いは強いので、絶対に優勝したいです。
原田貴志 監督(ファジアーノ岡山U-15)
相手の方が技術が高く経験もあるので、守勢に回る時間が長くなるから我慢してプレーしようと話していましたが、我慢しきれませんでした。選手たちは全員で頑張ってくれたので、1試合でも多くやらせてあげたかったのですが、クラブとしてもまだまだ成長段階ですし、ここまで来られたことを自信に変えていきたいと思います。先発する11人以外も全国大会で戦える選手になって底上げができれば、また違う戦いができるはずです。また来年に向けて頑張っていきます。
野中悠翔 選手(ジュビロ磐田U-15)
今日は点を取りたいという気持ちが強くありました。第一であるチームの勝利に自分の得点という形で貢献したいと、試合前から思っていました。実際にそういう勝利になったことがうれしいです。押し込まれる時間が長かったのですが、ゴール前で体を張ったりと、チームで耐えられたことが勝利につながったのだと思います。僕らは日本一攻守の切り替えが速いチームになることを目指しています。それを突き詰められるよう怠らずやっていきたいですし、その上でまた、自分も得点を決められるように頑張りたいです。
高円宮杯第29回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会
大会期間:2017年12月16日(土)~2017年12月28日(木)
会場:1回戦~準々決勝:茨城県内会場 / 準決勝~決勝:味の素フィールド西が丘(東京都)
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