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浦和、全北現代との準決勝をPK戦で制して3年ぶりのACL決勝進出
2022年08月26日
浦和レッズがAFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022で3年ぶりの決勝進出を決めました。8月25日(木)に埼玉スタジアム2002で行われた東地区準決勝で、韓国強豪の全北現代モータースと対戦し、延長2-2の末に突入したPK戦を3-1で制して、3度目のアジア制覇へ一歩近づきました。プレーヤー・オブ・ザ・マッチには2得点に絡んだDF酒井宏樹選手が選ばれました。西地区トップとの決勝は来年2月に行われる予定です。
優勝2回と準優勝1回を経験し、ともに3度目のアジアの頂点を目指すチーム同士の対戦は120分を経てPK戦にもつれ込む激戦となりました。
一発勝負のノックアウトステージでラウンド16、準々決勝といずれも5-0、4-0と大勝で4強入りした浦和は、中2日で迎えた大一番に、準々決勝と同じ先発で臨んでこれまでの勢いと好調を生かします。
前半11分、右サイドを酒井選手とMFダヴィド・モーベルグ選手で崩し、ペナルティエリア深くまで進入した酒井選手がゴール前に入れたクロスにFW松尾佑介選手が詰めて左足で合わせて先制。幸先の良いスタートを切りました。
浦和はこの試合でも前線からのハードなプレスと素早い攻守の切り換えで相手ゴールに迫る場面を作り、MF伊藤敦樹選手やモーベルグ選手が追加点を狙いますが、決められません。
一方、ここまでの2試合で延長戦を戦っていた全北は、準々決勝のヴィッセル神戸戦から先発4人を入れ替えて臨み、FWグスタボ選手を先発に加え、神戸戦で活躍したMFマドウ・バロウ選手をベンチに置く布陣でしたが、1点を追う前半34分にバロウ選手を投入。攻撃を活性化させます。
前半38分にバロウ選手の左サイドの突破から中央でクロスに合わせたFWソン・ミンギュ選手がシュートを狙い、54分にも左サイドの崩しからゴール前でパスを受けたソン選手がペナルティエリアに切り込みます。
すると、これが浦和DFのファウルを誘い、VARのオンフィールド・チェックの結果、PKの判定に。これをMFペク・スンホ選手が決めて全北が55分に1-1としました。
追いついた全北は、その後もバロウ選手やDFキム・ムンファン選手らを中心としたカウンター攻撃やロングボールを使って、浦和ゴールに迫る場面を作ります。しかし、浦和は守備陣が冷静に対応し、ゴールを割らせません。
浦和も均衡を破るべく、62分にはMF大久保智明選手、79分にはFWキャスパー・ユンカー選手、MF江坂任選手、DF明本考浩選手をベンチから投入。82分後には大久保選手のスルーパスにユンカー選手がゴール左からシュートを放ちます。90分には右サイドからモーベルグ選手、後半アディショナルタイムに江坂選手、ユンカー選手が次々と相手ゴールに迫り、ユンカー選手は左ポストに弾かれる場面も作りましたが、ゴールを奪うことができません。
延長に入り、均衡が破れたのは116分でした。全北が左CKの流れからMFイ・スンギ選手がゴール前に入れたクロスに、MFハン・ギョウォン選手が浦和DFのマークを受けながらニアサイドに滑り込んで合わせ、2-1とします。
しかし、浦和はホームのサポーターの大声援を受けて勝利への執念と攻撃力を発揮します。
延長後半終了直前、鋭いタックルで相手ボールを奪った酒井選手の右サイドの攻め上がりを起点にゴール前にクロスを入れると、相手DFのクリアを受けた大久保選手が右ボレーでつないで左サイドの明本選手がシュート。これは相手GKが弾きますが、ゴール前に詰めたユンカー選手が右足で捉え、ゴールネットを揺らしました。
試合をPK戦に持ち込むと、浦和は守護神GK西川周作選手が活躍。全北の最初の2本を止めて優位に立ちます。DFアレクサンダー・ショルツ選手、ユンカー選手が決めて2-0とし、モーベルグ選手が止められて2-1で全北4人目を迎えると、DFキム・ジンス選手のキックがポスト右へ外れます。浦和は4人目の江坂選手が相手GKの逆を突く一撃を決めて、浦和がPK戦を3-1で制し、準優勝した2019年大会以来の決勝進出を決めました。
決勝は2月19日、26日にホーム&アウェイで開催され、浦和は2017年以来に続く3度目の優勝をかけて、来年2月に決まる西地区トップとの大一番に臨みます。
監督・選手コメント
リカルド・ロドリゲス監督(浦和レッズ)
また素晴らしい試合をすることができました。相手に攻撃される場面もありましたが、ほとんどがカウンターで、我々は2-1にされても最後まで諦めずに戦い、酒井選手のプレーからゴールラインまでボールを運んで同点にしてPK戦に持ち込むことができました。PK戦では西川選手が自信を持ってプレーしてくれました。選手はみんな先発したいものですが、私には全員が大事な選手で、先発がいれば、試合を終わらせる役割を担う選手もいます。全員がしっかりプレーしてくれました。今回、JFAとJリーグの尽力のおかげで埼玉スタジアムで開催できたことをありがたく思っています。全員の努力でこの結果を得ることができました。日本を代表して決勝に臨めることを誇らしく思いますし、選手を誇りに思います。
DF 酒井宏樹 選手(浦和レッズ)
準決勝は日韓対決でもあり、タフな試合になると思っていました。非常に難しい試合でしたが、勝利を諦めることなく120分以上を戦ってもう1つ上のステージに行くことができました。チームを非常に誇らしく思っています。最後は負けたくない気持ちで走っていましたが、フィールドの11人みんながその思いを共有していたと思います。マルセイユから移籍してきましたが、当時、誰一人としてその移籍を正解だと思っていなかったので、自分自身で証明するしかないと思っていました。それにはこの大会が必要でした。(大会優勝は)まだ遂げてはいませんが、東地区で優勝することができました。チームメイトに感謝したいです。
MF 伊藤敦樹 選手(浦和レッズ)
浦和レッズの強さを今日の試合で示すことができたと思います。早い時間で自分たちの流れで先制したあと、相手が来ることは分かっていました。そこで我慢しようとチームで意思統一できたことが大きかったと思います。PKの場面は微妙な判定だったかと思いますが、そこでみんなで切れずに戦うことができました。PK戦まで行きましたが、勝つことができてよかったです。
FW キャスパー・ユンカー 選手(浦和レッズ)
後半の終わりに大きなチャンスを外してしまいたが、ストライカーとして1、2本チャンスがあれば決めるべきだと。それを今日示すことができてチームに貢献できたことをとてもうれしく思います。角度的には少し難しかったのですが、こぼれ球を押し込むことはFWとして重要な仕事です。決めることができてよかったです。PKはちょっと緊張していましたが、緊張は自分の感覚を研ぎ澄ますには有効なものでもあります。決勝は来年2月で少し異例かと思いますが、まだ決勝までに時間があるのでしっかり準備したいと思います。
キム・サンシク 監督(全北現代モータース)
グループステージを戦ったベトナムからここまで、Kリーグを含めて厳しい日程のなかで戦って、チームはベストを尽くしました。準決勝でPK戦で負けたことは残念で、ファン、サポーターには申し訳なく思います。自分自身、選手だった2007年にもここでのPK戦で負けていてPK戦の成績は良くありません。相手のファンが大勢いて選手もナーバスになっていたと思うので、PK戦に入る前に試合を終わらせるべきでした。選手にはつらい経験となりましたが、ハードに戦った選手には感謝しています。
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