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高円宮杯第29回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会 4チームが西が丘での準決勝に駒を進める
2017年12月25日
「高円宮杯第29回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会」は12月24日(日)、茨城県内で準々決勝4試合が行われました。
ピックアップマッチ1
FC.フェルボール愛知 2-5(前半0-3、後半2-2)サガン鳥栖U-15
ひたちなか市総合運動公園陸上競技場での第1試合では、FC.フェルボール愛知(東海4)とサガン鳥栖U-15(九州1)が対戦しました。ペースを握ったのは、鳥栖でした。田中禅選手がフェルボールの最終ラインの裏やサイドのスペースを有効に使い、セカンドボールも拾って前への推進力を出していくと、田中禅選手が得た16分のFKが、先制点につながります。右サイドの岩﨑雄永選手からのボールを、末次晃也選手が冷静に決めました。
その後も鳥栖はセットプレーからチャンスをつくります。相手DFからボールを奪い、最後は中村尚輝選手がループシュートで追加点を決めた後、前半終了間際のチーム3点目はCKから生まれました。決めたのは、またしてもDFの末次選手でした。
鳥栖は後半にも、50分と52分にCKから連続して惜しいシーンをつくりました。先制点をアシストした岩﨑選手と、同じく中盤の底からパスを振り分ける西村洸大選手、さらに中村選手と、複数のキッカーが多彩なボールでチャンスを演出していきました。
62分に4点目を失ったフェルボールですが、顔を上げて戦い続けます。前半から見せていた個の力で積極的に仕掛ける姿勢を貫き、鳥栖の組織的な守備に挑みます。サイドから果敢にカットインで仕掛けるプレーを続け、66分には馬場惇也選手がついにゴールを決めます。すると、この反撃の狼煙に追随するように、74分には自陣からの素早い攻めで山村瑠偉選手がドリブル突破からのゴールで続きました。
勝負に決着をつけたのは、鳥栖のセットプレーでした。少し遠めの位置からのFKに、ファーサイドで合わせたのは交代出場していた古賀照也選手。5得点を挙げた鳥栖が、初のベスト4進出を果たしました。
ピックアップマッチ2
ジュビロ磐田U-15 0-3(前半0-3、後半0-0)FC東京U-15深川
ひたちなか市総合運動公園陸上競技場での第2試合では、ジュビロ磐田U-15(東海2)とFC東京U-15深川(関東2)が対戦しました。
試合は開始わずか2分で動きます。FC東京深川は右サイドでのスローインからボールをつなぐと、ニアサイドで青木友佑選手が右足で合わせてゴールネットを揺らしました。
しかし磐田は気落ちせず、むしろ気持ちを入れ直したように攻守を素早く切り替えて逆襲に移ろうとします。対するFC東京深川も、先制点の青木選手は「最初は皆が緊張していて、体があまり動かなかった」と話すものの、同じく素早い攻守の切り替えで対抗していきます。
FC東京深川は、徐々にテンポを自分たちのものとすると、判断の早さも目につくようになりました。そうした連動でパスをつないでいくと、相手陣でFKを獲得。左サイドからのボールを、青木選手が今度はファーサイドで受けて、またもゴールネットを揺らしました。青木選手は、34分にはゴールをお膳立てします。左サイドから中央へ力強くドリブルで突進すると、笹沼航紀選手に通してチーム3点目へとつなげました。
磐田は前半のうちから選手を替えて打開を図りますが、流れを取り戻すまでには至りません。後半に入り、FC東京深川もややペースが落ちてきましたが、50分に投入した野澤零温選手の速さを生かし、ロングボールも織り交ぜるなど、試合をコントロールし続けました。
74分にはゴール前に持ち込まれて際どいシュートを放たれますが、これはGK熊倉匠選手が指先で弾き出しました。FC東京深川は最後まで集中を切らさず、準決勝へと駒を進めました。
準決勝の2試合は26日(火)、東京・味の素フィールド西が丘で行われます。
監督・選手コメント
細萱信行 監督(FC.フェルボール愛知)
サガンの選手たちのしっかりした守備の組織をなかなか崩せず、ボールを握られる時間が長くなりました。フィジカル的には向こうの方が上なので、押し込まれることになりました。かなり警戒していましたが、セットプレーでのヘディングも、予想以上に強かったです。一方で、個を強調するという自分たちの良さも少しは出せたかなと思います。ここまで来られて、3年生は良い経験ができたと思うし、1、2年生も目指すところがはっきりしたという意味で、有意義な大会となり、よく頑張ったと思います。まずは日本クラブユース選手権、そしてまたここに帰ってこられるように頑張ります。
末続晃也 選手(サガン鳥栖U-15)
セットプレーは日ごろから練習しているし、キッカーの質も高いので、武器と言えると思います。それでも僕自身、公式戦での2得点は初めてでした。この大会でのクラブの最高成績はベスト8だったので、新たな歴史をつくろうと思っていました。今日は他会場にスカウティングのビデオ撮影に行ってくれている選手たちもいたので、そういう選手たちの気持ちも背負って戦おうと言っていました。前半の出来は結構良かったと思うのですが、後半に2失点したということは、どこかに隙があったと思うし、まだ強いチームにはなっていないのだと思います。日本クラブユース選手権に次ぐ2冠を取るという皆の意識は、さらに高くなったと思います。
半場康好 監督(ジュビロ磐田U-15)
本当に相手のプレッシャーが強く、自分たちの攻撃ができませんでした。守備でも相手の切り替えが速い分、奪いどころも見極められず、何もできませんでした。リスタートから失点して、なかなか試合に入れず、どうしたらいいのか分からないという、普段と違う流れで試合が進んでしまいました。本当に素晴らしい攻守の切り替えを目の当たりにしました。こういうチームに負けたことで、自分たちはまだまだだったということが分かりました。私自身もそうですし、選手たちも次のステージに向けて大事なことが分かったので、各々の糧になる、すごく良い試合だったと思います。
青木友佑 選手(FC東京U-15深川)
勝つことを大前提にしつつ、自分がゴールを決めてチームを引っ張ることをテーマに試合に臨みました。試合前のアップから結構良いシュートを打てていたので、決められるような予感がありました。相手のキャプテンである鈴木海音選手とは、U-15日本代表で一緒にプレーしています。お互いの特徴を知っているという難しさがありましたが、代表同士として絶対に負けたくありませんでした。守備から入るという3年間の積み上げも出せたと思います。僕たちの目標は全国優勝です。次に対戦する大宮アルディージャには、先日の練習試合は勝ちましたが、危ないところもありました。もう一度自分たちがやるべきことを整理して、守備から入る自分たちのプレーができれば、また点は取れると思います。
高円宮杯第29回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会
大会期間:2017年12月16日(土)~2017年12月28日(木)
会場:1回戦~準々決勝:茨城県内会場 / 準決勝~決勝:味の素フィールド西が丘(東京都)
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