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「強度やスピード感を高めることができた」武田英寿選手(FC琉球)インタビュー 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2021
2021年10月13日
高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2021は、中断期間を経て延期となっていた試合も含めてリーグを再開させています。ここでは2019年度の同リーグを制した青森山田高校のOBで、現在はFC琉球でプレーする武田英寿選手に登場いただき、プレミアリーグの思い出や高校時代について語っていただきました。
○オンライン取材日:2021年9月7日
――今季途中で浦和レッズからFC琉球に期限付き移籍して、しっかり試合に出て活躍中ですね。
武田 毎週試合があって先発で戦えることに喜びを感じています。やっぱり高校時代はプレミアリーグがあって毎週真剣勝負をしていましたから。もちろん、こちらへ来たから毎試合の出場が保証されているわけではありません。その競争も含めて充実しています。
――青森山田高校時代、あらためてプレミアリーグが自身に与えた影響はどうでしたか。
武田 徐々に良くなっていった印象を持っています。高校2年になってからもセカンドチームでプレーしていましたし、プレミアリーグは開幕当初はベンチにも入れませんでした。なので、セカンドチームが出場しているプリンスリーグ東北にまず出ていました。
――1年のときはそのさらに下が中心?
武田 そうですね。1年のときはセカンドチームでも出られなかったので。青森山田は4カテゴリーのリーグ戦に出ているのがすごく強みだと思います。下のカテゴリーで活躍すれば上に呼ばれますし、90分の公式戦を経験しているので、もちろんレベルは変わりますが、試合勘がないということはありませんから。
――そうやって武田選手も這い上がっていったわけですね。
武田 2年の始めは紅白戦とかでも自分では良いプレーをしていると思っていたので、「なんで出られないんだ」と生意気なことも思っていましたね(笑)。夏前に初めて先発で起用されて、そこから出られるようになりました。でも、いざ出てみたら、プレミアリーグは相手のレベルがまるで違って、本当に上手いチーム、上手い選手ばかりで、毎週必死でした。
――青森山田中学校の選手たちもプレミアリーグを見ていますよね。あの刺激は大きいのではないかと思っているのですが、武田選手はどうでしたか。
武田 大きかったと思います。中1のときは「うわ、すごいな」というだけでしたが、中2・中3になってからは「ここを目指すんだぞ」という気持ちで見ていましたし、意識は間違いなく高まりましたね。
――集大成として臨んだ高校3年の年は快進撃でした。
武田 前年度の高校選手権で優勝しているんですが、先発で試合に出ていたのは自分だけで、他には藤原優大(SC相模原)も少し試合に出ていただけですから、前評判は悪かったんです。リーグ戦の開幕直前に行われた親善大会でも、清水エスパルスユースのBチームに1-6で負けています。あのときは、「うわ。俺たち弱いんだ。Bチーム相手にこれで、Aチームとやったらどうなるんだ」という感じでした。一つ年上の先輩たちと比べると個人能力が劣っているというのも分かっていましたし……。
――どのあたりで「自分たちは弱い」が「自分たちは強い」に変わりましたか? リーグ前半戦は無敗でした。
武田 いや、1年間を通じて「強い」と思ったことは一切なかったですね。試合内容を振り返ってみても、「よく勝てているな」という感じのゲームが多かったと思います。逆に「弱い」と思っているからこそ、チーム全員で守備をしながら団結して戦うということができていたと思いますし、チームのために戦える選手ばかりだったのは大きかったです。
――後半戦は5試合勝ちなしの時期もありましたが。
武田 監督に怒られた思い出がよみがえってきました(笑)。でも、その時期があって、厳しく言ってもらえたからこそ余計にチームがまとまって、一丸になって戦っていけるようになり、それがファイナルにつながったのかなとも思います。ファイナルの相手である名古屋グランパスU-18は本当に上手かったです。やりながら、「うわ、めっちゃ上手いじゃん」と思いました。でも、その相手でも「負けないな」という自信は付いていましたね。リーグ戦を戦う中で、サッカーは上手いから勝てるわけではないというのも分かってきていましたから。
――見事な日本一でした。
武田 すごくうれしかったですし、プレミアリーグでは毎週日本のトップレベルの選手たちと対戦できて、練習の中で求める強度やスピード感を高めることが自然とできるようになったと思います。この大会があったことは自分にとって本当に大きなことだったなと思います。
――プレミアリーグを戦う選手たちにエールをお願いします。
武田 この環境でサッカーができることにまず感謝しながらプレーしてほしいですね。自分の代がこのリーグを戦えているのは、先輩たちや監督・スタッフが前年度までに積み上げてくれた結果ですから。まずは後輩たちには三冠を取ってほしいです。今年の3年生たちは自分が3年のときの1年生ですが、本当に意識の高い選手たちが揃っているのをよく知っているので、きっとやってくれると思います。
――最後に、東京オリンピック前にトレーニングパートナーとしてU-24日本代表の活動にも参加されましたが、個人として今後をどう捉えていますか。
武田 パス1本を取っても本当に基準が高くて、もっとやらないといけないと思い知らされる時間でした。海外でやっている選手も多くて、その基準を知れたことは大きかったと思います。今は琉球のために貢献することだけを考えていますし、得点やアシストのような目に見える結果をもっともっと積み上げていきたいと思っています。
大会期間:2021年4月3日(土)~2021年12月5日(日)
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