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プレミアリーグ東西の王者が激突!試合は引き分けに終わる JFA競技会委員長杯(プレミアリーグ 2021 EAST vs WEST)
2021年12月20日
JFA競技会委員長杯(プレミアリーグ2021 EAST vs WEST)が19日(日)、高円宮記念JFA夢フィールドを舞台に開催され、EAST王者の青森山田高校(青森)とWEST王者のサンフレッチェ広島F.Cユース(広島)が対戦し、2-2で引き分けました。
U-18年代の最高峰リーグである高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2021 EASTとWESTは、当初5日(日)に最終節を終えて、12日(日)に両王者が相撃つ高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2021 ファイナルを実施する予定でした。しかし、新型コロナウイルスの影響によって未消化試合が多く出てしまっていたため、12日までリーグ戦の未消化ゲームを実施することとなり、ファイナルは開催中止となっていました。
この代替試合として、非公開試合としてJFA競技会委員長杯を、両チームにとってリーグ戦の締めくくりに当たるゲームとして実施することとなりました。19日には両チームの保護者や関係者のほか、SAMURAI BLUE(日本代表)の森保一監督ら各年代別日本代表チームのスタッフも数多く見守る中、熱いゲームが展開されました。
まず先手を取ったのは広島でした。2分、相手のCKを防いだところから始まったカウンターアタックで一気呵成の攻撃を仕掛けます。最後はMF高柳英二郎選手(#9)のパスを受けたMF笠木優寿選手(#22)が見事なシュートを沈めます。「相手がまだ寝ている内に先手を取った」(髙田哲也監督)見事な攻撃でした。
ただ、EASTの激戦を重ねてきた青森山田もこれで終わるようなチームではありません。田澤夢積選手(#16)が「広島は本当にうまいなと思ったけど、自分たちも弱いチームが一つもいないリーグをずっと戦っていたので」と語るように、動揺することなく持ち直し、得意の厳しいプレッシングから主導権を奪います。そして12分、得点源としているCKからでした。MF藤森颯太選手(#11)が蹴ったボールをDF丸山大和選手(#5)が頭で競り勝つと、最後はMF松木玖生選手(#10)がスライディングシュートで流し込み、「狙っていた形」(松木選手)で同点に追い付きます。
さらに21分には、巧みにボールを動かす流れから藤森選手のパスを受けた松木選手が持ち出して左へラストパス。これをゴールからやや距離のある位置でしたが、「得意としているシュートなので」と語る田澤選手が思い切り良くワンタッチシュート。鋭い弾道でゴールネットを揺らし、逆転に成功します。
ただし、WESTでライバルたちに競り勝ってきた広島もまた、このまま終わるチームではありません。「3年生の意地というか、これが最後だったので、負けられなかった」と語るMF光廣健利選手(#6)を軸に難しい時間をしのぐと、ハーフタイムを挟んで反撃を開始します。
「このメンバーでは、あと45分しかできないんだぞ。今までこんなサッカーやってないだろ!」
髙田監督が活を入れ、「球際で逃げ腰になっていた」姿勢を改め、「ずっとやってきた間を取るところと、背後を突くところ」という自分たちのスタイルを再確認。戦いぶりを持ち直すと、66分にペナルティーエリアのすぐ外、右サイド寄りでFKのチャンスを獲得します。キッカーはMF西村岳選手(#7)。横浜F・マリノスジュニアユース出身で、日本代表MF中村俊輔選手に憧れていたという西村選手が、「ずっと練習してきた」一発で試合を動かします。左足から繰り出されたボールは鋭い弾道でファーサイドに向かって曲がり落ち、見事にゴールを揺らします。相手の黒田剛監督が「あのシュートはすごかった」と脱帽し、広島の髙田監督まで「西村選手のあんなFKは初めて見た」と評するスーパーゴールで、試合は振り出しに戻ります。
その後は両チームにやや疲労の色も見られる中で双方にチャンスが生まれる流れとなりましたが、アディショナルタイムで広島のFW棚田遼選手(#10)がGKと1対1になる絶好機は、青森山田のGK沼田晃季選手(#1)が渾身のビッグセーブ。双方にこれ以上のゴールが生まれぬまま終了のホイッスルが鳴り、試合は引き分けとなりました。
試合後には「素晴らしい試合を見られて感動した」と話す森保監督が両チームを激励。双方が健闘を称え合っての終幕となりました。
監督・選手コメント
黒田剛 監督(青森山田高校)
こういう形でしたが、広島さんとやれて良かったです。最初の失点はCKからのカウンターでしたが、戻りが遅すぎた結果ですから選手たちにとって良い学習材料になったと思います。広島さんはこれが最後の試合ですから、後半からその気持ちの部分を本当に出してきて難しい試合になったと思います。こういう素晴らしい相手と対戦できたのは、本当にありがたく思っています。
MF #10 松木玖生 選手(青森山田高校)
最初にもったいない失点をしてしまったのは反省点ですが、全国高校サッカー選手権を前にこのようにバチバチの試合を経験できたのは本当に大きかったと思います。後半は蹴り合いのような時間が増えてしまったので、もう少し落ち着かせたほうが良かったと感じています。(森保監督が試合後にチームを激励したが)自分も日本代表(SAMURAI BLUE)を目指しているので、そこを取っていけるようなプレーをしたいと改めて思いました。
MF #16 田澤夢積 選手(青森山田高校)
ゴールは思い切り打ってみようと思って蹴ったら入った感じでした。広島さんはうまいですし、縦への速さや強さもありましたが、強いチームとやるのはプレミアリーグで慣れていた部分もあります。後半は体力的にもきついゲームになっていきましたが、そういうときにもう一度走り切れるようにならないといけないなと改めて感じた試合でした。
髙田哲也 監督(サンフレッチェ広島F.Cユース)
青森山田さんの圧力は本当に強くて、前半はそのパワーに完全に屈してしまいました。怖がって受けてしまっている中で、セットプレーから、しかも恐らく相手が狙っていた形から取られてしまったのも痛かったです。ハーフタイムにはまず頭を冷やさせて、その上でずっとやってきたことをやろうという話をしました。勝ちたかったですが、こういう舞台でやらせてもらえたことが一番。選手たちにとって素晴らしい経験になりました。
DF #6 光廣健利 選手(サンフレッチェ広島F.Cユース)
立ち上がりに青森山田さんがガンガンとプレスに来るのは分かっていたのではっきり前に蹴っておこうとしたのですが、それをやり過ぎてしまいました。後半は間を取りながら連動する自分たちのスタイルを取り戻せて内容も良くなって、3年生の意地を見せられました。森保監督には後半の内容を前半からやれたらもっといいと言われましたが、本当にその通りだと思うので今後に生かしたいです。
MF #7 西村岳 選手(サンフレッチェ広島F.Cユース)
ここで青森山田とやって勝つということをずっと意識してやってきたので気持ちは入っていました。前半は先制点が入るのが早すぎて難しくなった部分はあったと思います。ただ、それでも失点は避けないといけなかったです。ハーフタイムではもっとつないでいこうという話をして、後半はできた部分も多かったと思います。FKは得意なので、決まったときは本当に最高でした。
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