高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023WESTは10月14日(土)と15日(日)に第18節を実施。指宿いわさきホテルサッカー場では神村学園高等部（鹿児島）とヴィッセル神戸U-18（兵庫）が対戦しました。

ピックアップマッチ

神村学園高等部 0-2（前半0-1、後半0-1）ヴィッセル神戸U-18

神戸はリーグ前半戦こそ上位争いに加わっていたものの、第15節から連敗を喫し、一時は5位に順位を下げていました。その後、不実施試合による勝ち点獲得で試合前の順位は4位。逆転で優勝するには今節、白星を獲得することが重要な条件となります。チームは13分、CKのクリアボールをFW森田皇翔選手（#14）が拾うとゴール前に送り、FW高山駿斗選手（#7）がシュートを放ちましたが、相手に阻まれます。神戸は以降も森田選手を起点に得点機をうかがいます。

試合が動いたのは17分です。右寄りの位置でボールを受けたMF濱﨑健斗選手（#43）がカットインから思い切りよくシュート。「自分のところにボールを転がってきたら打とうと頭に入れていた」（濱﨑選手）という左足での一発が決まり、神戸が先制しました。これで勢いに乗った神戸は、33分には自陣で奪ったボールをDF江口拓真選手（#6）、濱﨑選手とつないでMF坂本翔偉選手（#10）がミドルシュートを狙いましたが、追加点とはならず、前半を終えました。

追いかける展開となった神村学園はハーフタイムにビルドアップを軌道修正。その狙いについて有村圭一郎監督は「（自分たちの）サイドバックがパスを受けて相手サイドハーフを引き出せば、高い位置にスペースが生まれる」と話します。神戸陣内で有利な状況をつくると、52分にはゴール前で粘り強くパスをつないで、DF下川温大選手（#24）がシュート。63分にはDF吉永夢希選手（#15）のFKをMF新垣陽盛選手（#20）がヘディングで相手のゴール前に落としましたが、同点にすることはできません。

終盤は神村学園の攻勢が続きましたが、神戸の守備陣も落ち着いて対応。「我慢すべき時間に体を張ることができた」と口にするのはDF山田海斗選手（#4）です。我慢の時間を乗り切った神戸は89分、一瞬の隙を突いてFW渡辺隼斗選手（#48）が追加点をマーク。2-0で勝利し、勝ち点3を獲得しました。

「自分たちの勝ちパターンは我慢して1点を奪うこと。再び相手のペースになっても我慢して、最後にまた点を取る。そうした形がチームに浸透している」と山田選手。神戸は今回、勝ち点3を獲得したことにより、2位に浮上。自信を深めてリーグ終盤戦に臨むことができそうです。

監督・選手コメント

有村圭一郎 監督（神村学園高等部）
無得点でしたが、ゲームの流れとしては悪くありませんでした。ただ、球際のところでミスが少ない神戸と、そこでミスをしていた自分たちとの差が結果として出ました。後半もチャンスをつくることはできましたが、最後の質が課題です。もう少し相手にとって嫌なボールをゴール前に入れてほしかったです。相手に（体の）正面でクリアされるシーンが多かった。最後のパスを入れるとき、少しでも工夫していれば得点になっていたはずです。

DF #4 鈴木悠仁 選手（神村学園高等部）
前半からミスが続き、早いうちに失点してしまったのが反省点です。攻撃も点を取りにいかなければならないのに、パスミスが続いてゴール前まで進入できませんでした。最後の我慢すべき時間帯にも失点してしまい、チームとしての甘さが出ました。リーグ後半戦は決めるべきところで決めることができず、守るべき時間帯に失点しています。今後に向けて、改善しなければならない部分です。

安部雄大 監督（ヴィッセル神戸U-18）
点を取った後に押し込まれる展開が今シーズン、何試合かありました。そこを耐えて勝ち点を拾っている試合があれば、ガタガタと崩れて失点して負けている試合もあります。今節の試合前には、自分たちが勝った試合のパターンは何かについて話をしました。勝つためには苦しいことも、ネガティブなことも受け入れなければなりません。その点、今節の選手たちはとても我慢強く戦ってくれました。ここで勝つのと負けるのとではメンタル的にも大きく変わってくるので、勝てて良かったです。

MF #43 濱﨑健斗 選手（ヴィッセル神戸U-18）
連敗して勝ち点を逃す時期もありましたが、僕らはまだ優勝を狙える位置にいます。今から連勝を続ければ優勝できると思っていますし、それ以前に、目の前の試合で1勝することが大事だと考えています。今節は自分が点を決めてチームを波に乗らせようと思っていました。終盤は失点しそうな危ないシーンが何回もあったのですが、守備陣が体を張ってくれました。そうした泥臭さも、このチームの一つの強みだと思います。

その他の試合結果

ジュビロ磐田U-18 2-1（前半2-0、後半0-1）サンフレッチェ広島F.Cユース
サガン鳥栖U-18 3-0（前半2-0、後半1-0）静岡学園高校
名古屋グランパスU-18 2-2（前半0-1、後半2-1）履正社高校
米子北高校 1-2（前半0-1、後半1-1）横浜FCユース
大津高校 0-3（試合不実施）東福岡高校

サンフレッチェ広島F.Cユース（広島）をホームに迎えたジュビロ磐田U-18（静岡）は前半のリードを守り切り、3連勝を達成。サガン鳥栖U-18（佐賀）と静岡学園高校（静岡）の一戦は、MF先田颯成選手（#7）のゴールを皮切りに3点を奪った鳥栖が勝利しています。名古屋グランパスU-18（愛知）は87分に履正社高校（大阪）を逆転しましたが、90+4分にMF倉田竜雅選手（#10）の同点弾を許し、手痛いドローに。米子北高校（鳥取）と横浜FCユース（神奈川）の一戦は、79分に生まれたMF岩崎亮佑選手（#32）のゴールが決勝点となり、横浜FCが勝ち点3をつかみました。なお、大津高校（熊本）が一定期間、部活動の停止しているため、東福岡高校（福岡）との試合は不実施となりました。この試合は、0-3で大津高校の敗戦とすることを高円宮杯実施委員会にて決定しています。

高円宮杯 プレミアリーグ 大会公式X

大会期間：2023年4月1日(土)～2023年12月3日(日)

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